東急東横線・みなとみらい線10両編成対応化工事(2011年1・6月取材)

東横線横浜駅。ホーム両端の点字ブロックが途切れた部分から手前が延伸部分。

前回に引き続き、東京メトロ副都心線直通に伴う東急東横線の改良工事についてお伝えいたします。今回は2011年1月9日と6月19日に取材した東横線・みなとみらい線の10両編成対応化工事についてお伝えいたします。

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■東横線・みなとみらい線10両編成対応化工事の概要

副都心線対応化時に8両編成となった東京メトロ7000系。2011年1月9日、西武池袋線石神井公園駅で撮影
副都心線対応化時に8両編成となった東京メトロ7000系。2011年1月9日、西武池袋線石神井公園駅で撮影

東急東横線と相互直通運転を行っている横浜高速鉄道みなとみらい線は現在全列車が8両編成で運行されており、地上設備が対応する最大両数も同様になっています。2012(平成24)年の東京メトロ副都心線との直通開始後は、副都心線を挟んだ反対側の東武東上線・西武池袋線に合わせる形で優等列車(急行・特急・通勤特急)を10両編成に増車する計画となっており、優等列車が停車する駅についてホーム延長などの改良が現在行われています。なお、各駅停車については副都心線直通開始後も引き続き8両編成で運行される計画となっており、これに対応するため2008(平成20)年の副都心線開業時に東京メトロ7000系の一部が8両編成に改造されています。

<ホームが延長される駅>
●東横線
中目黒・学芸大学・自由が丘・田園調布・多摩川・武蔵小杉・日吉・綱島・菊名・横浜

●みなとみらい線
新高島を除く各駅

以下、中目黒駅から横浜方面に向かって各駅の状況を解説していきます。

※画像が全部で25枚(約500KB)あります。データ量にご注意ください。


■東横線内の状況

●中目黒駅
目黒川上に張り出したホーム渋谷方。高架橋を拡幅してホーム延長を行う予定。 ホーム横浜方
左:目黒川上に張り出した中目黒駅ホーム渋谷方。高架橋を拡幅してホーム延長を行う予定。
右:ホーム横浜方。2枚とも2011年1月9日撮影

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中目黒駅東京メトロ日比谷線との合同使用駅で、ホームは島式2面4線、4線ある線路のうち外側2線が東横線、内側2線が日比谷線という形態となっています。ホームは渋谷方の目黒川と横浜方の日比谷線の折り返し線3線にそれぞれ挟まれているため、8両分のスペースが辛うじて確保できている状態で、現在の用地内でのホーム延長は極めて困難な状態となっています。10両化に際しては渋谷方は目黒川に架かる橋梁を一部拡幅して用地を確保、横浜方は乗務員詰所を撤去してそれぞれ1両分ずつホームを延長する予定となっています。ホームの延長にあわせて高架橋の耐震補強工事も行われており、現在高架下は全体が柵で覆われている状態となっています。また、6月取材時には横浜方にあった詰所も解体されており、まもなく新しいホームの構造体が構築されるものと思われます。
なお、これとは別に日比谷線の折り返し線の終端部に保線用車両の倉庫を新設する工事も行われています。

ホーム下では高架橋の耐震補強工事が進行中。 日比谷線折り返し線の終端では保線車両の倉庫を建設中。
左:ホーム下では高架橋の耐震補強工事が進行中。
右:日比谷線折り返し線の終端では保線車両の倉庫を建設中。2枚とも2011年1月9日撮影

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●学芸大学駅
ホーム延長工事が完了した学芸大学駅渋谷方。屋根もホーム端まで延長された。 未使用部分は柵で仕切られており、入れない。
左:ホーム延長工事が完了した学芸大学駅渋谷方。屋根もホーム端まで延長された。
右:未使用部分は柵で仕切られており、入れない。2枚とも2011年1月9日撮影

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学芸大学駅は高架橋上にあり、島式1面2線のホームとなっています。ホームの両端には以前から延長可能なスペースがあったため、渋谷方・横浜方にそれぞれ1両分ずつ延長することとなりました。渋谷方はすでに工事は完了しており、ホーム延長にあわせて以前は未設置だった屋根がホーム全体をカバーするよう延長されています。工事は完了しましたが、現在は全列車が8両編成であるため延長部分は柵で仕切られて入れないようになっています。

●自由が丘駅
盛土高架を拡幅中の自由が丘駅渋谷方。
盛土高架を拡幅中の自由が丘駅渋谷方。2011年1月9日撮影

自由が丘駅はコンクリート高架橋・盛土高架上にあり、ホームは島式2面4線となっているため常時優等列車と各駅停車の接続・追い抜きが行われています。この自由が丘駅も中目黒駅と同様8両分ぎりぎりの用地しか無いため、渋谷方の高架橋を拡幅して2両分のホーム延長を行うこととなりました。現在は横浜方面行きホームの渋谷方で盛土高架の拡幅工事が行われています。なお、渋谷方面行きホームの先端には信号扱所と思しき建物がありますが、CS-ATC化後は使用されていない模様で、ホーム延長にあわせて撤去されるものと思われます。

●田園調布駅
ホーム延長工事中の田園調布駅渋谷方。
ホーム延長工事中の田園調布駅渋谷方。2011年6月19日撮影

田園調布~日吉間は目黒線との併走区間で、全駅ともホームは島式2面4線、外側が東横線、内側が目黒線という構成となっています。この区間は1988(昭和63)年~2008(平成20)年にかけて複々線化工事が行われたもので、優等列車の停車駅については同時にホームを10両分に延長するためのスペースを確保しています。
田園調布駅は横浜方で多摩川線へ通じる連絡線が分岐している(分岐部はホームの直後にある)ため、渋谷方にホームを2両分ホームを延長しています。現在はホームの床面が一部完成しており、今後は内装や空調・照明などの設置が行われるものと思われます。

●多摩川駅
ホーム延長工事中の多摩川駅渋谷方。
ホーム延長工事中の多摩川駅渋谷方。2011年6月19日撮影

多摩川駅ホームの横浜方が多摩川橋梁へ向かって急カーブとなっており、ホームを設置すると電車とホームの間に隙間が開いて危険なため、渋谷方にホームを2両分延長しています。現在はホーム床面を構築する工事が行われている模様で、線路間に足場やネットが設置されているのが確認できます。

●武蔵小杉駅
武蔵小杉駅のホーム渋谷方。この時点では床面のみ完成した状態。 それから6ヵ月後の同地点。屋根の骨組みが完成しつつある。
左:武蔵小杉駅のホーム渋谷方。この時点では床面のみ完成した状態。2011年1月9日撮影
右:それから6ヵ月後の同地点。屋根の骨組みが完成しつつある。2011年6月19日撮影

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武蔵小杉駅は田園調布駅と同様、ホームの横浜方に東横線・目黒線間の渡り線(現在は隣の元住吉駅高架下にある元住吉検車区の入出庫に使用)があるため、渋谷方にホームを2両分延長しています。ホーム渋谷方ではJR南武線と交差していますが、この部分の橋脚も予めホームの桁を載せることを前提にした設計となっており、現在は桁を追加してホーム床面と屋根を構築する工事が行われています。

●日吉駅
日吉駅ホーム渋谷方 ホーム横浜方。
左:日吉駅ホーム渋谷方
右:ホーム横浜方。2枚とも2011年6月19日撮影

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日吉駅は急行の停車駅ですが、現在のところホーム延長に関する目立った工事は行われておらず、どのようにホームを延長するのか判明しておりません。ただし、現地を確認した限りではホームの渋谷方は機械室らしき構造物がある一方、横浜方は壁1枚があるだけで線路間に大きな空間があるためこちら側に延長される可能性が濃厚であると考えられます。ただし、横浜方に延長する場合でも線路上に設置されている信号設備(列車種別表示機・軌道回路境界など)を移設する必要があります。

●綱島駅
延長工事中の綱島駅ホーム渋谷方。 延長部分以外でも防音壁の交換など改良が行われている。
左:延長工事中の綱島駅ホーム渋谷方。
右:延長部分以外でも防音壁の交換など改良が行われている。2枚とも2011年6月19日撮影

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綱島駅は片面2面2線のホームで、横浜方のホーム端に駅舎があるため渋谷方に2両分ホームを延長しています。現在はホーム床面がほぼ完成しているほか、延長に関係の無い既設部分についても防音壁を交換するなどの改良が行われています。このホーム延長部分は線路用地ぎりぎりまで住宅が迫っているため、一応ホームとしての形はあるものの、ホーム先端部ではその幅は人が1人辛うじて歩ける程度しかなく、完成後もこの場所で電車を待つのは危険を伴うような状況になるものと考えられます。

●菊名駅
まもなく延長部分のホームの構築が開始されるであろう菊名駅渋谷方。
まもなく延長部分のホームの構築が開始されるであろう菊名駅渋谷方。2011年6月19日撮影

菊名駅は島式ホーム2面4線の構成で、綱島駅と同様横浜方に駅舎があるため渋谷方に2両分ホームを延長しています。ホーム渋谷方の部分は1990年代初めに踏切を解消するため線路を高架化した部分で、同時にホームを10両分に延長するための用地を確保しており、自由が丘駅のような高架橋の拡幅や新たな用地買収等は発生していません。6月訪問時点ではまだ本格的な工事は行われていませんでしたが、すでにホーム直近にあった信号設備が遠方に移設されていたほか、線路上には木材が敷き詰められておりまもなくホーム本体の工事に取り掛かるものと思われます。

●横浜駅
ホーム延長工事が完了した横浜駅渋谷方。 同じく工事完了した元町・中華街方。
左:ホーム延長工事が完了した横浜駅渋谷方。
右:同じく工事完了した元町・中華街方。2枚とも2011年6月19日撮影

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横浜駅2004(平成16)年のみなとみらい線直通開始に伴い地下化されたもので、ほぼ全列車が東横線・みなとみらい線の間を直通運転しているためホームは島式1面2線となっています。この駅も地下化の際ホームを10両分に延長可能なスペースを確保しており、すでに昨年の時点でホームの延長工事が完了しています。ホームは渋谷方と元町・中華街方に1両分ずつ延長しており、現在は使用していないことからホーム端に仮設の柵を立てて転落事故を防止しています。

■みなとみらい線内の状況

●みなとみらい駅
延長工事中のみなとみらい駅元町・中華街方。 柵の奥を見たところ。ホーム床面ができあがりつつある。
左:延長工事中のみなとみらい駅元町・中華街方。
右:柵の奥を見たところ。ホーム床面ができあがりつつある。2枚とも2011年6月19日撮影。

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横浜駅から先は2004年に開業した横浜高速鉄道みなとみらい線に入ります。みなとみらい線は海沿いの埋立地の深部を通ることからシールド工法を多用していますが、着工後に設置が決まった新高島駅を除く各駅では当初からホーム10両化を考慮して、駅部分の開削トンネルを10両分の長さで建設しています。なお、ホームは新高島駅以外は全て島式1面2線の構成となっています。
みなとみらい駅は複合商業施設「クイーンズスクエア横浜」の地下にあり、ホームの延長スペースは元町・中華街方に2両分用意されています。延長ホームは現在床面が完成し、内装や空調・照明関係の仕上げの作業が行われている状態ですが、現在のホームとの間には仮設の柵が設置されており、工事の状況はホームの端からわずかに見える程度となっています。

●馬車道駅
ホーム延長工事中の馬車道駅渋谷方。
ホーム延長工事中の馬車道駅渋谷方。2011年6月19日撮影

馬車道駅は渋谷方に2両分のホーム延長スペースが確保されています。現在はホーム床面がほぼ完成しており、今後は新たに内装や空調・照明などの設備が構築されるものと思われます。

●日本大通り駅
日本大通り駅のホーム渋谷方。白い柵と壁の間のわずかな空間もホーム延長スペース。 ホーム元町・中華街方。ホーム床面に加え、天井もほぼ完成状態。
左:日本大通り駅のホーム渋谷方。白い柵と壁の間のわずかな空間もホーム延長スペース。
右:ホーム元町・中華街方。ホーム床面に加え、天井もほぼ完成状態。2枚とも2011年6月19日撮影

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日本大通り駅元町・中華街方に2両分のホーム延長スペースが確保されています。比較的着工が早かったためか、現在はホーム床面に加え、天井部分の内装もほぼ完成しており、みなとみらい線内では最もホーム延長工事が進んでいるものと思われます。
一方、延長スペースが全く無いホームの渋谷方でも現ホーム端の柵とシールドトンネルとの境界の間のわずかな空間で、ホームの床面らしきものを構築する工事が行われています。これは停車時の過走余裕を確保するためのもので、乗客の乗降のために使用するものではないと考えられます。

●元町・中華街駅
元町・中華街駅の渋谷方。天井部分の内装を構築中。 ホーム終端側でも延長工事中。
左:元町・中華街駅の渋谷方。天井部分の内装を構築中。
右:ホーム終端側でも延長工事中。2枚とも2011年6月19日撮影

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みなとみらい線の終点元町・中華街駅ホームの両端に1両分ずつ延長スペースが確保されています。現在は両側とも工事が行われており、渋谷方ではホームの床面がほぼ完成して天井の空調・照明関係の工事が行われています。終端側も工事は行われていますが、こちらで必要なのはこれまで設置されていた転落防止柵の取り外しと信号設備の若干の移設程度であるため、現時点では仮設の柵が設置された以外に大きな変化は見られません。


副都心線との直通開始まで残り1年余りとなり、関係箇所の改良工事も本格化しています。東日本大震災やそれに伴う電力不足の影響が心配される中、予定通りの開業に向けて尽力されている関係者の皆様にエールを送りつつ今回の記事を締めくくることといたします。

▼参考
東横線渋谷~横浜間改良工事 - 東急電鉄

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