海老江駅(現地写真) - JR東西線(20)

JR東西線 前人未到の深さで大阪中心部を貫いた地下鉄道のすべて
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■海老江駅 5km740m~6km105m(中心6km010m)
▼参考
JR東西線(片福連絡線)工事誌 - 日本鉄道建設公団1998年 199~219ページ・断面図
特集「平成9年開業新線」Ⅱ.JR東西線(片福連絡線) - 日本鉄道施設協会誌1997年7月号13~24ページ

●概説
前回の記事を参照。

●現地写真(地上)
阪神電鉄野田駅前にある地下鉄野田阪神駅4号出入口 国道2号線上空をゆく阪神本線
左:阪神電鉄野田駅前にある地下鉄野田阪神駅4号出入口
右:国道2号線上空をゆく阪神本線

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海老江駅を構成する開削トンネルは阪神電鉄野田駅の駅前広場付近から始まる。広場内には地下鉄千日前線野田阪神駅の4号出入口がある。千日前線野田阪神駅地下1階のコンコースはそのままJR東西線海老江駅の地下1階改札口コンコースにも通じており、出入口の標識には地下鉄・JR双方のロゴが描かれている。このような構造により、JR東西線・千日前線・阪神本線の3路線の間はほとんど地下通路のみを通じて乗り換えることが可能で、悪天候の際は重宝するものと思われる。
駅前広場を過ぎると、JR東西線は半径256mでカーブしながら国道2号線上空に架かる阪神本線の橋梁と交差する。この橋梁には国道2号線の中央分離帯を利用する形で橋脚が建っており、JR東西線の建設時は橋梁を仮設の橋脚で支えながら取り壊し・再構築が行われた。橋脚自体に再構築したことを示す印などは無く、JR東西線建設時の痕跡を見出すことは困難である。

海老江駅1号出入口 1号出入口階段の踊り場にある野田藤と福島区の史跡のプレート 海老江駅2号出入口と換気塔
左:海老江駅1号出入口
中:1号出入口階段の踊り場にある野田藤と福島区の史跡のプレート
右:海老江駅2号出入口と換気塔

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阪神本線と交差すると直後に海老江駅の1号出入口が現れる。海老江駅の1号出入口は国道2号線の東側にあるオフィスビルの1階に設置されており、出入口の表記には先程の野田阪神駅と同様JRと地下鉄双方のロゴが描かれている。地下1階へ降りる途中にある踊り場の壁面には福島区の花である「野田藤」と区内の史跡(福沢諭吉誕生地・福島天満宮・野田藤・極楽寺・逆櫓の松跡・野田城址・妙寿寺・春日社祠)が描かれたプレートが飾られている。
国道2号線をさらに尼崎方に進むと、2号出入口が現れる。2号出入口は国道2号線の西側に設置されており、エレベータも併設されている。また、その背後にはトンネル給気用の換気塔がたっている。出水事故により地盤沈下が発生したのはこの2号出入口の周辺と思われるが、現地を見た限りでは当時の痕跡を発見することはできなかった。

▼脚注
※野田藤:福島区野田は南北朝時代(約600年前)から藤の花の群生地として知られており、その美しさから豊臣秀吉も花見に訪れたといわれている。藤の花は太平洋戦争により一旦は壊滅状態となったが、区民の熱心な再生運動により、現在は再び区内各所で見られるようになった。1995(平成7)年に区の花に指定。

▼参考
大阪市 福島区 区役所・保健福祉センターのご案内#福島区の位置
大阪市 福島区 名所・旧跡
大阪市立図書館:福島区に関するよくある質問と回答#野田藤について

●現地写真(地下)
地下鉄千日前線野田阪神駅中東改札口 JR東西線海老江駅改札口。奥へ進むと地下鉄野田阪神駅。
左:地下鉄千日前線野田阪神駅中東改札口
右:JR東西線海老江駅改札口。奥へ進むと地下鉄野田阪神駅。

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JR東西線は地下鉄千日前線野田阪神駅の中央付近の下を通過している。交差部分の上部には野田阪神駅の中東改札口が設置されている。地下鉄野田阪神駅は千日前線の北側の終点で片面ホーム2面2線の構成となっているが、西側の2番線は降車専用となっており中東改札口は設置されているものの常時閉鎖となっている。野田阪神駅はこの中東改札口の他に北改札口と南改札口(いずれもホーム端)があるが、2番線に通じているのは北改札口のみである。(折り返しを行う1番線は3か所とも通じている。)
野田阪神駅からJR東西線海老江駅へ向かう連絡通路中東改札口の脇からのびており、両駅の改札口はともに地下1階にあるものの若干高低差があることから双方を階段・エスカレータ(上りのみ)・スロープで接続している。海老江駅の改札口は地下鉄への乗り換えを考慮して駅の中央からやや京橋寄りに偏った地点にある。

海老江駅地下4階ホーム
海老江駅地下4階ホーム

JR東西線海老江駅のホームは地下4階にあり、幅はJR東西線の標準である7mとなっている。地下1階の改札口とは階段2箇所、エスカレータ3箇所、エレベータ1箇所でそれぞれ連絡しており、3箇所あるエスカレータのうち2箇所はエスカレータ単独で設置されている。また、京橋寄りの階段は駅の全長に収まらないため途中の踊り場で向きを変えている。内装はJR東西線の他の駅とほぼ同一で、白を基調とした色遣いとなっている。

出水事故発生地点では現在も大量の漏水が発生している。
出水事故発生地点では現在も大量の漏水が発生している。

工事中に出水事故が発生したのは下り線(1番乗り場)の尼崎寄りである。事故が発生した地点では現在も壁面から激しい漏水が発生しており、その周囲の排水溝には白い沈殿物が大量に発生していた。これは高水圧のため、一度できた水みちを完全に塞ぐことができなかったこと、そして完成から10年以上が経過したため止水のため注入したコンクリートのカルシウム分や凝固剤の成分が溶け出してしまったものと推測される。漏水しているのが線路側の壁面であることから、駅の機能上は何ら問題ない事象であり、今後もこのまま放置されることだろう。

●駅データ
駅名:海老江(えびえ)
住所:大阪府大阪市福島区海老江5丁目2番先
乗車人員(降車客は含まない):10666人(2008年度、大阪市の統計資料による)
みどりの窓口:営業時間6:30~23:00 このエントリーをはてなブックマークに追加
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