西武池袋線石神井公園駅高架化工事(2011年10月9日取材)

下り線の使用が開始された石神井公園駅高架ホーム

西武池袋線練馬高野台~大泉学園間では線路の複々線化・高架化工事が進められています。当ブログでは昨年2月と今年1月にこの事業について取材を行いましたが、その後下り線の高架化が行われるなど進展があったため、10月に再度取材を行いましたので報告いたします。

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■西武池袋線高架・複々線化の概要


西武池袋線桜台~石神井公園間の高架化・複々線化工事は地下鉄8号線(東京メトロ有楽町線)の相互乗り入れ計画を原型として開始されたもので、桜台~練馬高野台間5.2kmの工事は2003(平成15)年までに全て完了しています。残る練馬高野台~大泉学園間2.4kmは交差する東京外郭環状道路(東京外環自動車道)の計画との調整に手間取り着工が遅れましたが、2005(平成17)年に都市計画変更の手続きが完了し2007(平成19)年から本格的な工事が開始されました。総工費は約474億円(連続立体交差事業:約360億円、複々線化事業(全額を西武鉄道が拠出):約114億円)で国と東京都・練馬区が約285億円、西武鉄道が約189億円をそれぞれ負担します。

西武池袋線桜台~大泉学園間の現在の配線図
西武池袋線桜台~大泉学園間の現在の配線図 ※クリックで拡大

練馬高野台~大泉学園間の高架化工事は東側1.2kmと西側1.2kmの2期に分けて工事が行われています。東側の第1期区間は2005年の都市計画変更決定の時点で複々線化に必要な拡幅用地が既に確保されており、2007年からの工事ではまずこの拡幅用地に2線分の高架橋を建設して上り線を移設し、空いた用地に1線分ずつ下り線の高架橋を建設するという手法がとられました。上り線の高架線切替は2010(平成22)年2月7日、下り線の高架線切替は2011(平成23)年4月17日に行われ、渋滞が深刻だった富士街道(都道8号千代田練馬田無線)をはじめとする6箇所の踏切が廃止され交通渋滞の低減と都市分断の解消が実現しました。現在は第1期区間の下り急行線の高架橋の建設が進められており、第2期区間を含めた工事の完了時期は3年後の2014(平成26)年を予定しています。

■2011年10月9日の状況
2011年4月から使用が開始された石神井公園駅の高架下りホーム 高架下の改札内コンコース
左:2011年4月から使用が開始された石神井公園駅の高架下りホーム
右:高架下の改札内コンコース

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下り線の高架化は2011年4月17日に行われました。高架化に伴い使用が開始された高架線の下り線ホームは2010(平成22)年2月に使用が開始された上り線ホームとほぼ同じ構造となっており、床・柱・天井などのデザインも変更はありません。複々線化の終端は石神井公園駅の西側となるため、最終的にホームは島式2面4線となる計画であり、今回使用が開始された下り線ホームは未完成の急行線側が全面的に仮設の柵で覆われています

高架下の改札口・券売機
高架下の改札口・券売機 ※クリックで拡大

南口駅舎の切符売り場と2008(平成20)年から従来の橋上駅舎に代わり使用されていた北口仮駅舎・仮設地下通路などの駅施設は、今回の下り線の高架化完了に伴い全て高架下に移転しました。高架下に移転した改札口は自動券売機が3台、自動改札機が7通路、有人通路が1通路となっており、ホームと改札口を接続する通路も全面的に高架下に移転しています。改札内コンコースは高架下の高さをフルに活用した高い天井が特徴的となっており、ホームへの経路には上下のエスカレータ、エレベータを完備するなどバリアフリーへの対応も万全となっています。

南口駅舎の券売機跡。 北口仮駅舎に残る地下通路への階段跡。
左:南口駅舎の券売機跡。
右:北口仮駅舎に残る地下通路への階段跡。

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駅施設としての用途を失った南口駅舎交番と一体になっているため、今回訪問時は券売機部分を塞いだのみで建物自体はそのままの状態で残されていました。また、北口の仮駅舎についても売店やトイレなどが残っているため仮設地下通路への接続部分を塞いだのみでそのまま残されていました。これらの建物は地上の旧下り線跡地で行われている下り急行線の高架橋建設の進展にあわせて高架下へ移転し、順次撤去されるものと思われます。

駅西側の折返し線は軌道が敷設されたのみで使用されていない。 練馬高野台駅までの上り緩行線も軌道は敷設済みだが使用されていない。
左:駅西側の折返し線は軌道が敷設されたのみで使用されていない。
右:練馬高野台駅までの上り緩行線も軌道は敷設済みだが使用されていない。

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高架化着工前石神井公園駅構内には留置線が数本存在しており、高架完了後も駅の西側(所沢方)に行き止まり式の留置線が設けられる模様です。前回訪問した今年1月時点では既にこの留置線の軌道敷設が始まっており、4月の下り線高架化と同時に使用が開始されるものと予想していましたが、実際は下り線に支障しない軌道の一部が敷設されたのみで、ポイントの駆動装置(転轍機)や架線などの設備が一切設置されず現時点では使用できない状態となっています。また、駅東側(池袋方)は上り緩行線(3番線)の線路が練馬高野台駅の折返し線まで延長され接続されましたが、こちらも急行線(4番線)に渡るポイントの先に枕木が置かれており使用されていません。
将来的には練馬高野台駅の折返し線の機能を石神井公園駅に移転し、現在は平日朝ラッシュ時に数本運転されている練馬高野台駅折返しの列車が石神井公園駅まで延長されるものと考えられますが、これが実行されるのは現状を見る限り下り急行線の完成後のことになりそうです。

▼脚注
※3月作成の記事で「留置線の長さが10両分に満たない」とお伝えしてしまいましたが、今回改めて下りホームから確認したところ、辛うじて10両分のがなさが確保されていることを確認しました。3月作成の記事も修正いたしました。

▼参考
池袋線連続立体交差事業・複々線化事業のご案内:西武鉄道Webサイト
西武池袋線(練馬高野台駅~大泉学園駅間)連続立体交差事業について:練馬区公式ホームページ
西武池袋線(練馬高野台駅~石神井公園駅)の高架化完了|東京都

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