天王洲アイル駅(現地写真) - りんかい線東臨トンネル(19)

東京臨海高速鉄道りんかい線東臨トンネル ~時代に翻弄されたもうひとつの京葉線~
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■天王洲アイル駅 7km770m
▼参考
臨海副都心線工事誌 - 日本鉄道建設公団東京支社2003年9月 134~156・346~351ページ

●概説
前回の記事を参照。

●現地写真(地上)
りんかい線天王洲アイル駅A出入口。出入口の右後方にある台形状の物体は換気塔。
りんかい線天王洲アイル駅A出入口。出入口の右後方にある台形状の物体は換気塔。
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りんかい線天王洲アイル駅の地上出入口はA・B・Cの3か所で、いずれも駅がある天王洲通り沿道の民有地内に設置されている。A出入口は新木場側の野村不動産天王洲ビル(JAL本社)敷地に設けられている公園内にあり、階段の他に上下のエスカレータが設置されている。駅の出入口自体は周囲より1段低い位置で、道路に背を向けて設置されており、Uターンして階段・エスカレータを上がり天王洲通りに出るという構造になっている。なお、地下から上がってきた階段・エスカレータの正面には天王洲アイル駅と品川埠頭~天王洲アイル駅間のトンネルの換気を行う換気塔がある。換気塔は台形状で、道路側に面した壁面がすべてルーバーとなっている。

山手通りの反対側にある東京モノレール天王洲アイル駅の入口。羽田空港方面ホームのみに通じる。 首都高速の高架脇にある駐車場。陥没事故は中央やや左の橋脚下で発生した。
左:山手通りの反対側にある東京モノレール天王洲アイル駅の入口。羽田空港方面ホームのみに通じる。
右:首都高速の高架脇にある駐車場。陥没事故は中央やや左の橋脚下で発生した。

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A出入口から地上に上がり、右に曲がって天王洲通りを進むと首都高速1号羽田線と斜めに交差する。この交差地点の右側にある駐車場は工事中に発生した出水事故で陥没を起こした場所であるが、現在は地面はきれいに修復されており、首都高速の橋脚にも特段の変形などは生じていないことから、事故の痕跡を見出すことは難しい。首都高速の下をくぐり山手通りの横断歩道を渡ると、正面に東京モノレール羽田空港線の天王洲アイル駅の南口改札へ上がる階段がある。この南口改札は羽田空港方面ホームのみに接続しており、実質的にはりんかい線・東京モノレールの乗り換え(空港へ向かう利用者)専用に設置されているものと言える。浜松町方面のホームへ向かうにはこのからホームへ上がり、ホーム上にある跨線橋を利用するか、中央口改札を利用することになる。

りんかい線天王洲アイル駅B出入口とエレベータ。エレベータは2階のスカイウォークにも通じる。
りんかい線天王洲アイル駅B出入口とエレベータ。エレベータは2階のスカイウォークにも通じる。
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B出入口は天王洲通りを挟んでA出入口と反対側の天王洲パークサイドビル敷地内に設置されている。出入口は階段と上りエスカレータが併設されており、隣接してエレベータも設置されている。エレベータは地下1階・地上1階の他に地上2階のスカイウォーク(歩行者用デッキ)とも接続している。このスカイウォークは天王洲パークサイドビル、天王洲郵船ビル、スフィアタワー天王洲の3棟の2階を経由し、東京モノレール天王洲アイル駅の中央口改札に接続している。このルートは前述の南口経由のルートに比べて遠回りとなるが、全区間に屋根が設置されていることから東京臨海高速鉄道や東京モノレールのWebページでは悪天候の日の乗り換えルートとして案内されている。所要時間は南口経由が約5分、スカイウォーク経由が約10分である。

JALビルディング前にあるC出入口 天王洲通りの反対側にある換気塔。天王洲公園の門柱も兼ねている。
左:JALビルディング前にあるC出入口
右:天王洲通りの反対側にある換気塔。天王洲公園の門柱も兼ねている。

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C出入口は大崎側の駅端にあり、A出入口と同じく野村不動産天王洲ビル敷地内に設置されている。こちらは出入口のすぐ先が工場地帯となっており、利用者数が少ないことから階段と上りエスカレータのみが設置されている。天王洲通りを挟んだ反対側は品川区の天王洲公園野球場があり、その敷地の一部を利用して天王洲アイル駅と天王洲アイル~品川シーサイド間のトンネルの換気を行う換気塔が設置されており、天王洲公園自体の門柱も兼用している。

B出入口近傍にある地下駐輪場入口 天王洲公園脇にある地下駐輪場入口。こちらは午前中のみオープン。
左:B出入口近傍にある地下駐輪場入口
右:天王洲公園脇にある地下駐輪場入口。こちらは午前中のみオープン。

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天王洲アイル駅付近の地下にはりんかい線と同時に建設された品川区の地下駐輪場があり、その出入口がB出入口の脇と駅南側の天王洲通り上の2か所に設置されている。このうち、駅南側の出入口は、もともと周辺に住宅が少ないことや、すぐ先にある東品川橋が現在架け替え工事中で歩道が通行止めとなっているため利用者が極端に少なく、早朝5:15から10:00までの限定開放となっている。(訪問時は午後だったため写真の通りシャッターが閉まっていた。)

<天王洲アイル駅の路線バス(全て都営バス)>
※天王洲アイル駅には駅前ロータリーがないため、路線バスは道路上や沿道ビルに併設のバス停に発着している。バス停の名称は場所により異なり、天王洲アイル駅近傍の複数のバス停に停車するものある。

天王洲アイル(シーフォートスクエア内)
品96乙系統:りんかい線天王洲アイル駅前(JALビル)行き(次のバス停が終点)

天王洲アイル(海岸通り北行き)
品96甲・品96乙系統:品川駅東口行き

天王洲アイル(パークスクエア)
井96系統:大井町駅東口行き

りんかい線天王洲アイル駅前(野村不動産天王洲ビル内)
品96乙系統:品川駅東口行き

天王洲公園前
井96系統:大井町駅東口行き

新東海橋(山手通り東行き)
品96甲系統:品川駅東口行き
品98甲系統:大田市場・大田市場北門行き
品98乙系統:大井ふ頭バンプール行き

新東海橋(山手通り西行き)
井96系統:大井町駅東口行き
品98甲・品98乙系統:品川駅東口行き

●現地写真(地下)
地下1階の改札口。訪問時は節電のため照明が最小限となっており暗かった。 A出入口へ向かう通路の途中にある防水扉
左:地下1階の改札口。訪問時は節電のため照明が最小限となっており暗かった。
右:A出入口へ向かう通路の途中にある防水扉

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りんかい線天王洲アイル駅の改札口は地下1階にあり、自動改札機は6台(手前の入場専用機は2008年に増設されたもの)、自動券売機は4台設置されている。改札口付近の天井は曲面を描くドーム状となっており、地下駅特有の圧迫感はほとんど感じられない。(ただし、今回訪問時は電力不足の影響を受けて照明がほとんど消灯されており、かなり暗い雰囲気となっていた。)
なお、天王洲アイル駅付近は埋め立て地で海抜が非常に低いことから、この地下1階から地上へ上がる階段の途中には防水扉が設けられており、洪水や高潮などによるトンネルの浸水を防止できるようになっている。

地下3階のホーム。線路側の壁は海底をイメージした濃い青色。
地下3階のホーム。線路側の壁は海底をイメージした濃い青色。

地下3階のホームは全長205mの1面2線の島式ホームで、幅は6.8~8.2mと臨海副都心内の駅よりもかなり狭くなっている。地下1階の改札口との間は階段2か所、エスカレータ2か所(いずれも上下併設)、エレベータ1か所で連絡している。新木場側4駅よりも開業時期が遅いためホームや階段の内装は大幅に異なっており、ホームや階段ではアルミパネルやガラス・御影石などを主に使用し、線路側の壁は全面が海底や水流をイメージした濃い青色となるなどコントラストが強い現代的なデザインとなっている。
なお、2001(平成13)年3月の第二期区間暫定開業時は右側の2番線のみを使用した折り返し運転を行っており、編成も4両と短かったことから1番線全体とホームの大崎寄りの一部は仮設の柵を置いて塞いでいた。

新木場寄りのホーム端。この部分はバラスト軌道になっている。出水事故はこの付近で発生した。 異様に低い位置にある中継信号機
左:新木場寄りのホーム端。この部分はバラスト軌道になっている。出水事故はこの付近で発生した。
右:異様に低い位置にある中継信号機

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ホームの新木場側は半径800mのカーブとなっており、騒音・振動防止のため一部がバラスト軌道になっている。このカーブ故信号機の見通し距離が確保できないため、駅構内には多数の中継信号機が設置されているが、建設コスト削減のためトンネルの幅をギリギリまで詰めていることから、建築限界に支障しないよう床面付近に置かれている。
ちなみに、工事中の出水事故は左写真の正面に見えるシールドトンネル入口付近で発生したが、JR東西線の海老江駅のように水みちを塞ぐことができず完成後もドバドバと水が噴出しているといったことはなく、言われなければ事故が起きたことはわからないようになっている。

▼脚注
※中継信号機:白色のランプがついた円形の信号機で、ランプ3灯の点灯の組み合わせで「進行」「減速」「停止」を表す。

●駅データ
駅名:天王洲アイル(てんのうずあいる)
住所: 東京都品川区東品川2丁目3-8
乗車人員(降車客を含まない):16,035人(2010年、東京臨海高速鉄道ホームページによる)
Web:天王洲アイル駅|りんかい線 このエントリーをはてなブックマークに追加
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コメント

天王洲アイル駅が暫定終着駅時代だったときの件
>なお、2001(平成13)年3月の第二期区間暫定開業時は右側の2番線のみを使用した折り返し運転を行っており、編成も4両と短かったことから1番線全体とホームの大崎寄りの一部は仮設の柵を置いて塞いでいた。

該当はこの記事。
その当時、毎日通勤で天王洲アイル駅を利用していた者ですが、そのような柵は何も設けられていませんでした。
大崎方面のホームは基本手付かずでして、レールは工事が進捗してきてから後設置されております。

また、4両編成の列車とありますが、天王洲アイル開業時は、6両編成列車も走っており、それ用の停止位置も存在しております。
2012/02/12 14:10 | URL | 投稿者:みつみん [編集]
Re: 天王洲アイル駅が暫定終着駅時代だったときの件
みつみん様

http://www2e.biglobe.ne.jp/~alf/railway/report/twr/index.htm
http://www2s.biglobe.ne.jp/~y-miyamo/rail/note/open_0103/open_0103.html

ネット上にりんかい線天王洲アイル駅暫定開業時(開業初日)の写真が掲載されたページがありますが、いずれも1番線(大崎方面行き)はすでに軌道が敷設されており、青い工事用のバリケードが置かれているのが確認できます。工事誌には軌道敷設の詳しい時期までは書かれていないため、正確な工事の時期は分かりませんが、開業初日の時点ではすでに軌道敷設が完了していたのではないでしょうか?また、工事誌によると6両編成の使用開始は2002年10月以降であり、それまでは全て4両編成で運行されていたことは間違いありません。
2012/03/31 20:00 | URL | 投稿者:takuya870625(管理人)
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