新砂あゆみ公園の営団5000系の現状(2012年2月18日取材)

カテゴリ:鉄道:駅・施設・風景 | 公開日:2012年02月23日21:02
新砂あゆみ公園

【ご注意】新砂あゆみ公園の5000系保存車体は公園地下の東西線南砂町駅改良工事(後述)の本格化に伴い、2013年8月末を以って公開終了・撤去されました。(2013年9月20日追記)

東京メトロ東西線南砂町駅の東側に「新砂あゆみ公園」という公園があります。この公園にはかつて東西線を走っていた営団5000系電車のカット車体が保存されていることで有名です。

公園内にある営団5000系電車の車体
公園内にある営団5000系電車の車体

保存されているのは2001(平成13)年3月に廃車となった営団5000系・5833号車です。保存されているのは車体の前面~第2扉までの部分のみで、台車、床下機器、エアコンなどは全て取り払われており、全体を覆うように円形の屋根が設置されています。これは東西線門前仲町~東陽町間のシールドトンネルをイメージしたものと思われます。また、車両の正面には短いながらもレールが敷かれており、車輪が1軸だけ置かれています。なお、車両が置かれている場所の真下は東西線のトンネルとなっており、電車が通過する際は振動が感じられます。
この5833号車は1969(昭和44)年3月の東西線東陽町~西船橋間の延伸開業に合わせて日本車輌で製造された車両で、2001(平成13)年3月の廃車までの走行距離は3,968,957km、1周約4万kmの地球を99周回った計算となります。東西線の5000系は2007(平成19)年3月をもって全車両が引退していることに加え、この5833号車は廃車されたのが帝都高速度交通営団(営団地下鉄)の民営化前であったため、営団地下鉄の団章(Sマーク)が残されているなど貴重な存在として知られていました。

■残念な状態に…

営団地下鉄と江東区の協力の下、2002(平成14)年3月よりこの新砂あゆみ公園に保存されているこの5833号車ですが、長年活躍した電車に触れてもらおうと自由に出入り可能にしたことが災いして、保存開始直後から部品の破壊・盗難が多発することとなりました。

車両の前にある解説板 前面は破損したライトが板で埋められた。板の色は本来と逆になってしまっている。 前面のプレート類は複製品に交換されており、その旨を示すシールが貼られている。
左:車両の前にある解説板(800*600px)
中:前面は破損したライトが板で埋められた。板の色は本来と逆になってしまっている。
右:前面のプレート類は複製品に交換されており、その旨を示すシールが貼られている。

※クリックで拡大

車体の筐体自体は頑丈な鉄道車両ということもあり、変形や汚損は比較的少なくなっていますが、前面の窓ガラスは割られてしまったためか、現在はアクリル板に交換されており、窓枠もオリジナルの黒いシールゴム(Hゴム)から金属製の枠に変わっています。また、窓ガラスの下にあるヘッドライト・テールライトもガラスが割られてしまったことから、現在は色がついたプラスチック板(?)で塞がれています。プラ板の色は外側が黄色、内側が赤色となっており、本来とは逆の組み合わせとなってしまっています。(現役当時は外側が赤色のテールライト、内側が電球のヘッドライトだった。)さらに、中央の貫通扉にある車番のプレートと右側の窓の上方にある営団団章のプレートも盗難にあったのか、それとも盗難を未然に防止するためなのかは不明ですが、複製品に交換されており、プレートの脇にはその旨を示すシールが貼られています。

車内の状況。座席については当初からベンチになっていた。 扇風機は無くなり、通風孔を塞いでいた紙も破られてしまっている。
タバコを押し付けられたと思しき跡が残る乗務員室仕切り窓。 破壊行為をやめるよう呼びかける案内。
左上:車内の状況。座席については当初からベンチになっていた。
右上:扇風機は無くなり、通風孔を塞いでいた紙も破られてしまっている。
左下:タバコを押し付けられたと思しき跡が残る乗務員室仕切り窓。
右下:破壊行為をやめるよう呼びかける案内。

※クリックで拡大

車内の状態はさらに悲惨です。
当初は公園ということで座席が木製のベンチに交換された以外はほぼ原型のままとなっていた車内ですが、保存開始直後に扇風機が破壊されたのを皮切りに、つり革、窓ガラスなどあらゆる部品が破壊されてしまいました。今回訪問時、つり革は1本も残っておらず、可動式だった座席側の2段窓はあまりにも破壊が進んで危険なためか、上段は上昇させた状態で固定、下段はサッシごと取り外されていました。また、乗務員室の仕切り窓は前面と同じくアクリル板に交換されていますが、無数の落書き・傷で埋め尽くされていた上、一部にはタバコを押し当てて出来たと思われる穴・焦げ跡が見られるなどとにかく酷い状態となっています。わずかに残っているオリジナルの窓ガラスも同様に傷だらけとなっており、交換されるのはもはや時間の問題といえます。
この5833号車の管理をめぐってはこれまで江東区に度々改善を求める要望が出されている模様ですが、肝心の区の関心が低いこともあり、荒れるに任せているという状態となっています。

公園内には東西線05系を模した遊具もある 南砂町駅側から公園を見る。右側にある巨大な円筒は地下にある砂町水再生センターへ通じる下水管を模したもの。
左:公園内には東西線05系を模した遊具もある
右:南砂町駅側から公園を見る。右側にある巨大な円筒は地下にある砂町水再生センターへ通じる下水管を模したもの。

※クリックで拡大

公園内には5000系の車体のほかにも遊具がいくつか設置されており、その一部は東西線の05系電車を模したものとなっています。公園の開設当初はばねを使った05系形の遊具があったようですが、現在は撤去されてしまっています。また、公園南側には巨大な円筒型のモニュメントがありますが、これは公園の地下に埋設されている砂町水再生センター(下水処理場)へ通じる下水管を模したものです。


この新砂あゆみ公園ですが、現在準備が進められている南砂町駅改良工事の地下掘削範囲に含まれていることが先日東京都から発表された資料により明らかとなりました。南砂町駅改良工事については次の記事で詳しく触れることとします。

▼参考
新砂あゆみ公園5833号車の現状 - 西船junctionどっと混む
江東区: いただいたご意見と回答
→5000系の清掃活動の提案に対する区の答え

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下水管について
砂町処理場は戦前からある処理場なのでその流入管等も東西線より前に造られています。しかし戦後の人口増による汚水の増加、東京湾の水質悪化、浸水被害の増加などに対応して新しい下水幹線が建設されました。これがレポート中に出てくる下水管です。実は成田新幹線も下越しする必要があったため、当時としては長大で難易度の高いシールドトンネルとなっています。ちなみに歩道橋アプローチ部脇のやたらとマンホールのふたが並んでいる所がその発進基地の名残です。
2012/02/26 07:30 | URL | 投稿者:稲葉博人 [編集]
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