横須賀線武蔵小杉駅新設工事(2009年11月24日取材)


武蔵小杉駅前に完成した高層マンション(パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワー)
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来る2010(平成22)年3月13日、横須賀線新川崎~西大井間に新駅「武蔵小杉」が開業します。Yahoo!ブログ時代にこの駅について1度取り上げましたが、それから2年が経ち駅の工事が進んでいることから昨年11月に再び取材をして参りました。今回はこの駅の現況についてご紹介したいと思います。

■横須賀線武蔵小杉駅の概要

武蔵小杉駅周辺の地図(Yahoo!地図情報)

横須賀線武蔵小杉駅の周辺はかつて工業地帯でしたが、2000年代初めにそれらが移転・縮小され跡地の再開発が開始されました(川崎再生フロンティアプラン)。武蔵小杉地区には多摩地区を縦断する南武線と東京都心へ通じる東急東横線、目黒線の3線が乗り入れていますが、再開発の進展に伴い東京都心方向へのアクセスのさらなる改善への要望が高まり、2005(平成17)年4月、川崎市とJR東日本は横須賀線武蔵小杉駅新設に関する覚書を締結。その直後から工事が開始されました。
横須賀線武蔵小杉駅は新川崎駅から北に約3km、西大井駅から南に約6kmにある南武線との交差地点に新設されます。横須賀線の西側には東海道新幹線が並行しているほか、新駅予定地の南側地下には武蔵野線(貨物線)が通っているため、ホームはそれらに支障しないよう線路東側にあるNEC玉川事業所の用地を一部譲り受け、そこに下り線を移設したうえで設置されます。また、ホーム北端(東京方)からは南武線や東急線との乗り換えのため南武線ホーム端へ通じる全長300mの連絡通路が、南側には再開発地区へ通じる改札口がそれぞれ新設されます。

■2009年の状況
2年前の訪問時は下り線が移設されるNEC事業所内で支障物撤去が行われているだけの状態でしたが、工事はその直後から急速に進展し、2008年末頃には新しい高架橋の大半が完成しているという状態となりました。2009年に入ってからは線路に支障しない部分のホーム構築が開始され、9月にはいよいよ新しい下り線への切り替え工事が行われることとなりました。切り替えは利用者が少ない週末に当たる9月5~6日と12~13日の2回に分けて行われ、いずれも1日目の19:30から終電までと2日目の初電~10:30までの横須賀線・湘南新宿ラインが横浜~品川・大崎間で区間運休となりました。


横須賀線西大井→新川崎前面展望(武蔵小杉駅付近を抜粋)(YouTube) 音量注意!
ノーカット版(7分22秒)はこちら

2009年11月時点では横須賀線側は旧下り線に被っていて未完成だったホーム躯体(床版・屋根の骨組み)がほぼ完成していました。この武蔵小杉駅が新設される新川崎~西大井間は今後列車の走行パターンが変わるため、信号機の閉塞割りを変更するようで、随所に消灯中(白い×印が打ちつけてある)の新しい信号機が見られました。また、下り線は南武線の交差部から新設ホームの途中まで曲線半径が変更された(これに伴い南武線交差部の橋梁が架け替えられている)ため、安全対策として速度制限用のATS-P地上子も追加されています。


南武線ホーム川崎方で進む連絡通路の工事

一方、南武線側では横須賀線ホームとの連絡通路の工事が進んでおり、以前は何もなかった場所に巨大な鉄骨の構造物が立ち並ぶようになっています。この連絡通路は南武線立川方面行きホームをそのまま延伸する形で地上を進んだのち、東海道新幹線の盛土高架をトンネルでくぐり横須賀線ホームに接続する予定です。


駅の外から見た工事中の連絡通路

当初、この連絡通路は横須賀線の新駅開業と同時の供用開始が予定されていました。しかし、東海道新幹線の盛土高架の下にトンネルを建設する際、新幹線の線路が沈下する恐れが出てきたため、その対策を行うこととなり工事が駅の開業に間に合わないこととなりました。そのため、来る3月の開業時は最小幅を5mから3mに縮小した暫定通路で供用を開始する予定です。しかし、このままでは乗り換え客が増加した場合捌ききれないことが予想されるため、JR東日本では初めてとなる改札外乗り換えの制度を適用することとなりました。これは東京都内の地下鉄駅で見られる方式で、一方の路線の改札口を出て30分以内にもう一方の路線の改札口に入れば改札口を出たとは見なさない(通し乗車をしたと見なし、新たに初乗り運賃を徴収しない)というシステムです。
なお、この工法変更により新駅の工費は当初計画より50億円増加しますが、横須賀線武蔵小杉駅は川崎市の依頼で設置される「請願駅」であるため、そのうち39億円は川崎市が負担する予定です。

この横須賀線武蔵小杉駅は横須賀線・湘南新宿ラインの全列車に加え、特急「成田エクスプレス」も全列車が停車する予定です。この新駅開業により武蔵小杉駅と東京駅の間は20分で結ばれ、東京都心へのアクセス性が飛躍的に向上することとなります。利用者数は乗り換え客を含めて1日7万人と予想されており、開業後は川崎市内から東京都心方向を結ぶメインルートとなることが期待されます。

▼関連記事
横須賀線武蔵小杉駅新設と再開発(2007年1月18日作成)

▼参考
横須賀線武蔵小杉新駅設置に関する基本覚書の締結 - 川崎市
横須賀線武蔵小杉駅設置工事に伴う列車運休等について(PDF) - 川崎市
→JR東日本でも同様のプレスリリースを出していたが、工事終了に伴い削除されている。
2010年3月ダイヤ改正について(PDF) - JR東日本
→ページ番号1・2に武蔵小杉駅開業関係の情報
JR横須賀線武蔵小杉新駅・仮ホームで開業へ - タウンニュース
→連絡通路の工事の遅れと改札外乗り換えについて このエントリーをはてなブックマークに追加
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