千葉駅改良工事(2012年6月10日取材)

カテゴリ:鉄道:建設・工事 | 公開日:2012年06月13日22:04
西口駅舎から見た千葉駅構内。正面の駅ビル「ペリエ」は解体工事が本格化している。

JR千葉駅では現在駅ビルの全面改築と駅前の再開発が進められています。昨年11月にこの事業に関して取材・記事を作成しましたが、それから半年以上が経過し、駅ビル「ペリエ1」の解体工事が本格化するなど進展が見られましたので、先週末再度取材を行いました。今回はこのペリエ1の解体工事と西口で本格化している再開発ビル・道路建設を中心に現在の様子をお伝えします。

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千葉駅改良工事(2010年11月~2011年11月取材まとめ)(2011年11月4日作成)

■千葉駅改良工事の概要



 JR千葉駅は戦後復興に伴う区画整理事業の一環で1963(昭和38)年に現在の東千葉駅の位置から移転してきたものです。移転に際しては二股に分かれている内房・外房線と総武・成田線の間に駅ビル「ペリエ」が建設され、以後ホーム増設や千葉都市モノレールの乗り入れなど千葉県の交通要衝として発展を続けてきました。しかし、建設から約半世紀が経過した駅ビルは老朽化が進み、耐震補強の必要に迫られています。
 これを受け、JR東日本では2008(平成20)年から千葉駅の改良方法について具体的な検討を開始しました。千葉駅は東西南北の四方向全てが鉄道に囲まれた立地条件となっており、当初は工事に必要な資材をどこから搬入するかや駅ビル1階にある改札口を工事期間中どこに迂回させるかなどを巡って設計が非常に難航しました。こうした経緯もあり、検討開始から1年以上が経過した2009(平成21)年12月にようやく改良工事の具体的な方針が決定し、公式に発表がなされました。
 翌2010(平成22)年からは改良工事に向けた準備が開始され、昨年1月には駅ビル「ペリエ1」が取り壊しのため閉店しました。そして、9月にはJR東日本から改良工事に関して、さらに詳しい発表がありました。それによると、千葉駅改良工事は以下のような内容となっています。

1、駅ビル「ペリエ」の全面改築
建設から約半世紀が経過し、老朽化が進んだ駅ビル「ペリエ1」を全面改築する。新しいビルは現在より1フロア多い地上7階、地下1階の構造となる。

2、東口改札口を橋上化
千葉駅は傾斜地に位置しており西口口改札が3階、東口改札が1階にわかれている。東口改札口と各ホームは高架下の通路で接続しているが、建設が古いため通路内に柱が林立し、見通しが悪くなっている。このため、線路上空の3階(橋上駅舎)を新設して東口の改札口をそこに移動させ、東西両改札口を同一フロアで連絡することにより利便性を向上する。なお、完成後は利用者の流れが橋上駅舎側に大幅に移行することが予想されるため、橋上駅舎から駅の南北に直接抜けられる自由通路も完備される。

3、千葉都市モノレール駅舎との接続
東口駅前の4階相当の高さにある千葉都市モノレールの改札口と橋上化される駅舎は駅前広場上空にエスカレータ付きの空中回廊を新設し、ダイレクトに接続する。

4、「エキナカ」の展開など
橋上駅舎内には各種商業施設(「エキナカ」)を整備する。これらの店舗では地元の特産品を積極的に取り扱い、地産地消(千産千消)に貢献する。また、改築される駅ビル「ペリエ」には文化交流に利用できるホールを新設し、利用者へのサービス向上と地域活性化を図る。また、橋上駅舎はLED照明の導入や屋上緑化による環境負荷低減を図るほか、保育園など子育て支援施設を整備し地域社会へ貢献する。

千葉駅新旧施設概要(再掲)
新駅ビル旧駅ビル
延床面積約70,000m2約27,000m2
階数地上7階、地下1階地上6階、地下1階
用途と面積駅施設・コンコース:約16,000m2
エキナカ:約8,000m2
駅ビル:約46,000m2
駅施設:約10,000m2
構内店舗:約2,000m2
駅ビル:約15,000m2


なお、改良工事にあたっては駅を通常通り営業しながらその上空に橋上駅舎を建設する必要があるため、高架下の狭い空間で基礎杭の打ち込みを可能にする新しい建設機械の開発も行われています。
 この発表の翌月の2011年10月31日には熊谷俊人・千葉市長出席の下、起工式が執り行われ、いよいよ千葉駅の改良工事が本格的にスタートしました。工事は3段階に分けて完成させていくことになっており、第1段階として2016(平成28)年夏に新駅舎の一部が開業、第2段階として2017(平成29)年春に駅舎の全面開業と駅ビルの一部開業、第3段階として2018(平成30)年春に駅ビルの全面開業となり、全ての事業が完成する予定です。

■東口駅ビル「ペリエ1」の解体作業が本格化

着手後(2012年6月10日) 着手前(2011年9月13日)
駅ビル「ペリエ1」の解体工事着手前後。左は着手後(2012年6月10日)、右は着手前(2011年9月13日)
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 昨年1月末を以って閉店した駅ビル「ペリエ1」は閉店後、約1年を掛けて内装の撤去が行われました。そして今年に入ってからは建物外周に解体工事でよく見られる組み立て式の防音壁が築かれ、駅の外から建物の様子を見ることはできなくなりました。現在は内部で上層階から順に建物を解体する作業が進められている模様で、今回取材時は最上階にあったネオンサインや空調機械が収められていた囲い(右の写真で「PERIE」の文字がある部分)が撤去されているのを確認できました。また、駅構内に面した側では後から増築したバルコニーや非常階段が撤去されており、創建当時のタイル張りの壁面が見えるようになっていました。

7番線ホームから見た解体工事中のペリエ1。増築されたバルコニーと非常階段が取り外され、創建当時のタイル張りの壁面が見えるようになった。 1~6番線ホームは中央付近が取り壊され、仮設の床面となっている。軌道も一部が工事桁による仮受けとなっている。
左:7番線ホームから見た解体工事中のペリエ1。増築されたバルコニーと非常階段が取り外され、創建当時のタイル張りの壁面が見えるようになった。
右:1~6番線ホームは中央付近が取り壊され、仮設の床面となっている。軌道も一部が工事桁による仮受けとなっている。

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 ペリエ1と6番線(外房線)・7番線(総武本線)に挟まれた三角形状の空間は、以前高架下の店舗の空調機械などが収められた建屋がありましたが、これらの設備は現在はすべて撤去され、ペリエ1の解体工事のための作業スペースとなっています。この三角形状の空間の1階は以前は改札内通路にもなっていた部分で、2010年11月に実施された通路の移設はこの作業スペースの確保のためであったとも言えます。
 これ以外の駅構内は今のところ大きな変化はありませんが、1~6番線はホームの中央の一部が取り壊されて仮設の床面となっており、隣接する軌道も一部が工事桁による仮受け構造に変更されています。橋上駅舎の建設に当たっては既存の高架橋の床面を貫通して柱を立てることになっていますが、作業の都合上どうしてもこのように高架橋を取り壊さざるを得ない部分が出ている模様です。

西側のJR東日本千葉支社ビル前付近にある作業スペース。道路をまたいで展開されている。 作業スペース内には巨大なクレーンが設置されている。
左:西側のJR東日本千葉支社ビル前付近にある作業スペース。道路をまたいで展開されている。
右:作業スペース内には巨大なクレーンが設置されている。

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 1~6番線の高架橋が取り壊された部分を西側に延長した駅の外(JR東日本千葉支社ビル前)にはもう1つの作業スペースが設けられています。この場所は以前はJR東日本の研修センターやJR貨物の営業所があった場所ですが、現在は建物がすべて解体・撤去されており、端には巨大なクレーンが設置されています。終電後にはこの作業スペースに設置されたクレーンを使い、線路を跨ぐ形でペリエ1の解体現場へ資材を出し入れしているものと思われます。
 なお、この作業スペースと道路を挟んで対岸にあるJR東日本千葉支社ビルも近々移転することになっており、跡地の再開発が行われる計画となっています。

東口駅前広場から駅ビルを見る。解体工事用の防音壁で覆われている。 駅ビル1階の改札口。中央にあったペリエ1に出入りする階段は撤去された。
左:東口駅前広場から駅ビルを見る。解体工事用の防音壁で覆われている。
右:駅ビル1階の改札口。中央にあったペリエ1に出入りする階段は撤去された。(左の白い柱の部分が階段の撤去跡)

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 「ペリエ1」の1階は千葉駅の東口改札となっています。建物の解体工事は開始されましたが、この改札口は現在も移転や縮小などは行われておらず、元の状態のまま使用されています。ただし、改札口の正面にあったペリエ1の2階・地下1階に出入りする階段は完全に撤去されて「更地」となっており、改札口を出て右側にある券売機付近にも仮囲いが設置されるなど変化が見られ、上層階の解体に向けた準備が少しずつ進められています。

■西口駅前再開発ビル「WESTRIO」の建設が本格化

再開発ビルの建設が始まった西口。 再開発ビルの名称は「WESTRIO(ウエストリオ)」。
左:再開発ビルの建設が始まった西口。
右:再開発ビルの名称は「WESTRIO(ウエストリオ)」。

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 千葉駅では駅本体の改良工事とは別に千葉市主導の下、西口駅前の再開発事業(事業名:千葉都市計画事業千葉駅西口地区第二種市街地再開発事業、施行面積1.9ha)が進められています。lこの再開発事業は1988(平成元)年に開始されたものですが、バブル崩壊に伴う長引く景気低迷や用地買収の難航によりこれまでほとんど進展が見られませんでした。2008(平成20)年には民間事業者がビルを建設し、テナントが入らなかったスペースを市が買い取る「特定建築者制度」を活用してようやく事業主体が決定しましたが、直後にリーマンショックが到し、翌年には事業主体となる企業が辞退を表明し、再度計画が宙に浮くこととなりました。その後千葉市では要件を緩和して再度事業主体となる企業を募集し、2010(平成22)年に大成建設(株)・ロイヤルリース(株)の共同企業体がビル3棟を建設することが決定しました。ビルの施設概要は以下のとおりとなっています。

再開発ビルの施設概要(再掲)
建物名A1棟A3棟A2棟
階数RC造 地上11階・地下1階SRC造一部S造 地上11階RC造 地上13階・地下1階
延床面積約10,560m2約6,030m2約8,990m2
用途店舗(1~2F)
事務所(3~11F)
駐車場(63台)
店舗・駅コンコース(1~5F)
事務所(6~11F)
店舗(1~3F)
ホテル(4~13F、客室数224)
備考事務所部分は富国生命が自社ビルとして使用。事務所部分は千葉市と地権者が取得。ホテル部分はロイヤルリースが取得し、ホテルサンルートに賃貸。


 この再開発ビルは昨年10月5日に起工式が行われ、今年3月にはビルの名称が「WESTRIO(ウエストリオ)」に決定しました。WESTRIOの名称はビルが建っている場所(西口=WEST)と3棟(3つ=TRIO)をあわせた実に単純明快なものです。現在は建物本体の建設が進められており、2013(平成25)年秋頃に完成を向かえる見込みです。

京成千葉線をくぐる都市計画道路千葉港黒砂台線。 京成千葉線から北側の掘割の建設が本格化している。
左:京成千葉線をくぐる都市計画道路千葉港黒砂台線。
右:京成千葉線から北側の掘割の建設が本格化している。オレンジ色のパイプは電線管。

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 この千葉駅西口再開発にあたっては京成千葉線の線路をくぐって南側へ抜ける新しい道路(都市計画道路3・6・88号千葉港黒砂台線)も同時に整備されることになっています。この道路は1990年代に京成千葉線をくぐるトンネルが完成したものの、それ以降は地権者の強硬な反対により用地買収がほとんど進まず、半ば凍結状態となっていました。このため、千葉市では最後の手段として2010(平成22)年6月に土地収用法に基づく裁決(強制収用)の手続きを行い、計画策定から23年の時を経てようやく残る区間の工事に着手しました。
 新設される道路は2車線の車道両側に歩道が付く構成で、京成千葉線北側の歩道は階段・スロープ・エレベータで地上に上がれるようになる予定です。現在は京成千葉線北側の掘割の掘削が進められており、現在は車道路面の深さ間での掘削がほぼ完了し、電線管の埋め込みや歩道のエレベータ基礎の建設が開始されています。なお、掘割両側の壁面は工期短縮のため2010年に開通した新港横戸町線と同じく土留壁を本体の一部として流用する工法が採用されており、今年夏頃には車道部分のみ供用開始となる予定です。


 千葉駅の工事は昨年にも増して活発化してきています。引き続き地元住民としてその推移をできるだけ早くお伝えしてまいりたいと思います。

▼参考
千葉駅 駅舎・駅ビルが生まれ変わります!(PDF) JR東日本プレスリリース(2009年12月8日発表)
千葉駅 駅舎・駅ビル建替え 本体工事の着手について(PDF) JR東日本プレスリリース(2011年9月6日発表)
JR東日本/千葉駅舎・駅ビル建替/11年2月から解体着手 - 日刊建設工業新聞(2010年9月15日)
千葉市:西口再開発事務所 トップページ

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コメント

千葉駅利用者です
千葉駅をこのところ毎日使っています。7月から東口改札が前に移動し、従来の改札の解体工事に入ったと思われます。そのおかげで東口通路が軍にゃりと曲がっており、利用しにくい構造となっています
2012/09/13 16:10 | URL | 投稿者:ダイ@市原 [編集]
Re: 千葉駅利用者です
ダイ@市原様

通路切替後の状況は以下の記事で解説しております。どうぞご覧ください。

http://takuya870625.blog43.fc2.com/blog-entry-1179.html
2012/10/03 18:59 | URL | 投稿者:takuya870625(管理人)
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