副都心線新宿三丁目駅混雑対策&渋谷駅東横線直通工事(2012年6・7月取材)

ついにベールを脱いだ渋谷駅終端の東横線へ向かうトンネル

東急東横線と東京メトロ副都心線の直通運転開始まで1年を切り、副都心線内でも準備が本格化しています。今回は去る6月30日をもってホーム間の通路が撤去された渋谷駅の状況と新たに混雑緩和のため改札口・エスカレータの増設が開始された新宿三丁目駅の状況の2点についてお伝えします。

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■渋谷駅:ホーム間の通路撤去、そして東横線へ通じるトンネルが貫通

2008年開業当時の副都心線渋谷駅。中央2線の上には仮設の通路が設置されていた。 池袋方のホーム端の仮設通路からは入線する列車を真正面に見ることができた。
左:2008年開業当時の副都心線渋谷駅。中央2線の上には仮設の通路が設置されていた。2008年6月14日撮影
右:池袋方のホーム端の仮設通路からは入線する列車を真正面に見ることができた。2008年7月6日撮影

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 副都心線の渋谷駅は2008(平成20)年の開業当初より、将来の東急東横線との直通運転に備えて島式ホーム2面4線の構造で建設され、これまでは未使用の中央2線の上に数か所仮設の通路を設置して両ホーム間を行き来できるようになっており、駅自体の管理も東急電鉄が行っていました。昨年10月からは直通運転開始の準備のため、この仮設の通路を簡単に撤去可能な渡り板に取り換える工事が行われており、渡り板の位置や数量もこれまで頻繁に変更されてきました。そして、去る7月1日(日)からは直通運転に向けた本格的な工事に取り掛かるため、全ての通路が閉鎖され両ホームを直接行き来することができなくなりました。

ホームドアの設置が進む中央2線側のホーム。 池袋寄りの2両分はホーム自体が撤去されるため仮設通路の撤去のみ。
左:ホームドアの設置が進む中央2線側のホーム。
右:池袋寄りの2両分はホーム自体が撤去されるため仮設通路の撤去のみ。2012年7月7日撮影

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中央2線側のホーム上では通路閉鎖前の6月上旬より既にホームドア(可動式ホーム柵)の取り付け作業が開始されています。通路閉鎖後はそのスピードが加速しており、7月7日訪問時はすでにホーム全長のほとんどで取り付けが完了していました。なお、東横線直通開始時は後述する通りホームの位置が現在よりも2両分程度横浜寄りに移動するため、池袋寄りの2両分の仮設ホームは撤去される予定となっており、この部分はホーム間の通路を撤去しただけとなっています。

ホーム上階のコンコースに新設された発車案内の液晶ディスプレイ 柱にはさらに大型のディスプレイが設置されている。
左:ホーム上階のコンコースに新設された発車案内の液晶ディスプレイ。
右:柱にはさらに大型のディスプレイが設置されている。ちなみに、「石神井公園行き」は6月末の石神井公園駅2面4線化完了に伴い新設された行き先。2012年7月7日撮影

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 ホームの行き来ができなくなったため、ホーム上階のコンコースには新たに大型の液晶ディスプレイを利用した発車案内板が多数設置され、事前に発車番線を確認できるようになりました。液晶ディスプレイはいずれも2群ずつ設置されていますが、現在は池袋方面の片方向のみの運行であるため、片方は列車種別と行き先、もう片方は停車駅と直通路線名を表示しています。東急東横線との直通開始後は方向別でディスプレイを使い分けるものと思われます。
 また、この発車案内板の設置に合わせてコンコース階のスピーカーでも次の発車列車に関する案内放送が実施されるようになりました。案内放送はホーム階の東京メトロ仕様ではなく、東急東横線仕様となっています。

横浜方は未完成部分との仕切りが撤去された。信号設備も既に設置済みとなっている。
横浜方は未完成部分との仕切りが撤去された。信号設備も既に設置済みとなっている。2012年7月7日撮影
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 副都心線渋谷駅はこれまで東横線に通じる横浜寄りの2両分が未完成となっており、コンクリートの壁で仕切られていました。未完成部分のトンネル建設は副都心線開業当時から続けられており、昨年5月には工事が進んだことから仕切り壁を撤去する工事が開始されました。そして今回、ついに中央2線の先の壁を覆っていた幕が取り払われ、代官山駅へ通じる線路が姿を現しました。幕が取り払われたホームの先には既に列車種別表示器や手信号代用器の設置も済んでいます。また、敷設済みの現ホーム側の軌道についても新たにATC用の軌道回路境界を追加する模様で、線路脇には絶縁継目が挿入されたレールとインピーダンスボンドが置かれています。

▼脚注
※1 手信号代用器:ATC故障時に使用する地上信号機
※2 インピーダンスボンド:レールに流れている電車の走行用電力と信号用の電気信号を分離する装置

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■新宿三丁目駅:丸ノ内線乗り換え通路の混雑緩和対策

新宿三丁目駅構内に掲出されている工事の概要説明 新宿三丁目駅構内に掲出されている改札外乗り換え利用の案内(右)
新宿三丁目駅構内に掲出されている工事の概要説明(左)と改札外乗り換え利用の案内(右)。。2012年6月2日撮影
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 新宿三丁目駅の副都心線ホームは池袋寄りのホーム端にある通路で直交している丸ノ内線ホームと直結しています。丸ノ内線・副都心線ともにホームは島式となっており、通路の幅は必然的にホームと同じ幅に制限されてしまうことから、朝夕のラッシュ時は通路を利用者が埋め尽くしてしまうほど激しい混雑が発生しています。このため、副都心線ホーム側の通路手前に新たにホーム上階の改札外コンコースに直接抜けられるエスカレータを新設し、改札外を経由して丸ノ内線に乗り換えができるルートを新設することになりました。

副都心線ホーム池袋寄りのエスカレータ予定地。奥にある階段が既設の丸ノ内線ホームへ向かう通路。 仮囲い設置後。発車案内板も手前に移設された。
左:副都心線ホーム池袋寄りのエスカレータ予定地。奥にある階段が既設の丸ノ内線ホームへ向かう通路。2012年6月2日撮影
右:仮囲い設置後。発車案内板も手前に移設された。2012年6月23日撮影

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 ホーム側の工事は6月11日(月)より開始されており、副都心線ホーム側は既設の丸ノ内線ホームへ向かう階段の手前に工事用の仮囲いが設置され、同時に階段手前にあった発車案内板が囲いの脇に移設されました。この仮囲い設置により、丸ノ内線へ向かう通路への動線が妨害され混雑するため、東京メトロではホーム中央の改札口を経由した改札外乗り換えを推奨しています。

新宿三丁目交差点直下の地下1階コンコース内に設置された囲い。ここに新しい改札口ができる。左へ続く通路は都営新宿線新宿三丁目駅へ通じる。画面右に進むと丸ノ内線ホームへ向かう改札口がある。
新宿三丁目交差点直下の地下1階コンコース内に設置された囲い。ここに新しい改札口ができる。画面右に進むと丸ノ内線ホームへ向かう改札口がある。左へ続く通路は都営新宿線新宿三丁目駅へ通じる。

新設されるエスカレータは新宿三丁目交差点地下1階付近に接続する予定となっており、接続予定地には5月中旬よりホーム側と同様の仮囲いが設置されています。エスカレータ完成後はこの付近に改札口が設置されることになっており、都営新宿線への乗り換えも距離が短縮されることになります。なお、駅構内に掲出されている完成予想図では新設されるエスカレータは上り(ホーム→改札口)専用で描かれており、新設される改札口は出場専用となる模様です。

丸ノ内線ホームのエスカレータ・階段新設予定地(囲い設置前)。床には新設されるエスカレータと階段の位置がビニールテープで書かれている。 コンコース側の仮囲い。
左:丸ノ内線ホームのエスカレータ・階段新設予定地(囲い設置前)。床には新設されるエスカレータと階段の位置がビニールテープで書かれている。2012年6月2日撮影
右:コンコース側の仮囲い。2012年6月23日撮影

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 副都心線側のエスカレータ・改札口増設と同時に丸ノ内線ホームでは、既設の四ツ谷寄りの階段はエスカレータを撤去し、新たにこの階段からホーム中央側に向かった場所に階段・エスカレータを新設します。これにより副都心線ホームへ向かう通路の幅が広がり、ホーム上の混雑が緩和される見込みです。ホーム上階のコンコースは既設の改札口のエリアを拡張して新設する階段とエスカレータを取り込む予定となっており、改札口の増設はありません。


四ツ谷寄りの階段は右側のエスカレータを撤去して通路を拡張する。2012年6月2日撮影

▼参考
新宿三丁目駅|東京メトロ
→工事に関するお知らせもこちらから。

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新宿三丁目駅 - 地下鉄副都心線全線全駅レポート(10)(2008年6月22日作成)

渋谷ヒカリエに併設された副都心線渋谷駅15番出入口の案内板。左の黒いシールの下には「東横線」の文字が隠されている。
渋谷ヒカリエに併設された副都心線渋谷駅15番出入口の案内板。左の黒いシールの下には「東横線」の文字が隠されている。2012年6月2日撮影

副都心線と東横線の直通開始まで1年を切り、乗り入れ各社での試運転も本格化しています。壁が取り払われた渋谷~代官山間のトンネルについても信号設備や電気設備などの工事が完了次第、入線試験が実施されるものと思われます。これらの準備については最優先事項として調査を続けて参りたいと思います。

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コメント

東横に東武9000系出没
すでに他サイトの記事で伝えられていますが、
本日9/27 14時前に武蔵小杉にて、東武9000系の
回送を目撃しました。

上り本線から4番線に10両編成で入ってきて
数分停車後に目黒線側を使用し、で元住吉方向へ
逆走していきました。

カメラが無かったのが悔やまれますが、まだ開放
されていないホーム拡張部分まで使って停車する
姿は新鮮で、直通開始が近い事を実感できました。

ホーム延長側に10両の停止位置票と、ATSですか?
設備も設置されていました。
2012/09/28 02:33 | URL | 投稿者:ゆきぢ [編集]
Re: 東横に東武9000系出没
ゆきぢ様

東横線・副都心線の直通開始に向けて乗り入れ先での試運転も本格化しています。東横線の場合、渋谷駅が8両までしか対応できないため、10両編成の東武車・西武車の試運転は武蔵小杉~元町・中華街間で行うのが通例となっています。このため、この区間の優等列車の停車駅は停止位置目標やATCの機器も全て設置済みとなっています。また、9月4・5日からはみなとみらい線の一部駅で停止位置が変更されています。

東横線10両化工事については9月上旬に再取材済みですので近日記事化する予定です。しばらくお待ちください。
2012/10/03 19:22 | URL | 投稿者:takuya870625(管理人)
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