東横線・副都心線直通に向けた車両・施設の変化(2013年2・3月取材)

東横線直通に先立ち、「東急線方面」の文字入りの案内板に交換された小竹向原駅1・2番線ホーム

いよいよ明日、2013年3月16日(土)より東急東横線と東京メトロ副都心線の直通運転が開始されます。引き続き、直通開始前最後のレポートとして今回は2月・3月にかけて見られた東京メトロ・東急電鉄両社で見られる直通に向けた車両・施設の変化についてお伝えします。なお、昨年9月の記事と同様複数事業者にまたがる内容ですが、今回は東京メトロのカテゴリとして整理させていただきます。

■東京メトロ7000系の東横線貸し出し
廃止まで残り1週間を切った東横線渋谷駅に入線した東京メトロ7000系。
廃止まで残り1週間を切った東横線渋谷駅に入線した東京メトロ7000系。2013年3月10日撮影

 東横線内では機器動作確認・乗務員訓練などのため、昨年春頃より乗り入れ先の東京メトロ・西武鉄道・東武鉄道の各社の車両の試運転が実施されてきました。副都心線直通に必要な東横線渋谷~代官山間の地下化は2013年3月16日の直通開始当日まで完成しないため、乗り入れ先各社の車両は有楽町線・南北線・東急目黒線経由で東横線に入線しています。そして、9月からは東京メトロの車両が実際の営業運転に投入されるようになりました。東京メトロ車は10000系・7000系が1カ月ごとに交代する形で投入されており、東急電鉄が開設している「渋谷つながるプロジェクト」のWebページで全日程の運行時刻が公表されていました。
 当初、東京メトロ車の東横線運用は2月17日(日)までの予定となっていましたが、利用者に好評だったためか、それとも車両需給の関係なのかは不明ですが、直通開始前日の3月15日(金)まで延長されることになり、2月末以降は7000系が運用されています。副都心線直通時に廃止となる地上の東横線渋谷駅にも入線しており、直通前最後の週末となった3月9・10日には大勢の利用者がその様子を撮影していました。直通開始を目前に控え、3月中旬に入ってからは改正後の運用に備えて乗り入れ先への他社車両の送り込みも本格化しており、複数編成の東京メトロ車が運用に入る光景も見られた模様です。

▼関連記事
東横線・副都心線直通に向けた車両の動き(2012年9・10月取材)(2012年10月17日作成)

■東京メトロ10000系の車内モニター表示内容変更
東横線・みなとみらい線の路線図が表示されている東京メトロ10000系の車内モニター。 ソフト更新前の表示。
左:東横線・みなとみらい線の路線図が表示されている東京メトロ10000系の車内モニター。2013年2月23日撮影
右:ソフト更新前の表示。2007年5月4日撮影

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 2月上旬より東京メトロ10000系の車内ドア上部に設置されている案内用液晶モニターの表示内容が変更されました。変更後の表示は昨年9月より副都心線内で営業運転が開始されている東急5050系とほぼ同じで、従来は黒い背景の中に白く切り抜かれた部分に次駅名が表示されていた部分が全面白地となり、背景に東京メトロのシンボルである「ハートM」が焼き込まれています。また、路線図にはまだ直通を開始していない東横線・みなとみらい線の部分がすでに表示されています。

■東急5050系・横浜高速鉄道Y500系の
車外LED表示器・車内モニター・自動放送内容変更

最後の週末を迎え撮影車が殺到する東横線渋谷駅。
最後の週末を迎え撮影車が殺到する東横線渋谷駅。2013年3月10日撮影

 一方、東横線・みなとみらい線の東急5050系・横浜高速鉄道Y500系についても車内外の案内表示器の表示内容が変更されました。

種別表示器(新) 種別表示器(旧)
種別表示器は文字に黒い縁が付いた。(左が新デザイン、右が旧デザイン)2枚とも2013年2月9日撮影
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 車外の案内表示器は種別表示の文字に黒い縁が付くようになりました。これは副都心線・西武線・東武線内での種別に対応させるため表示用のソフトが更新されたことによるものと思われます。従来は種別ごとの背景色に直接白で文字が表示されており、直射日光が当たったり遠方からだと滲んで見辛い場合がありましたが、今回の更新により若干視認性が向上しています。

4000番台と同等の表示内容になった5050系の車内モニター。 更新前の5050系のモニター。
左:4000番台と同等の表示内容になった5050系の車内モニター。2013年2月24日撮影
右:更新前の5050系のモニター。2012年4月30日撮影

※クリックで拡大

 車内のドア上部にある案内用液晶モニターも表示内容が変更されました。変更後は従来東京メトロ10000系と同じく黒の背景の中に白く切り抜いて表示されていた次駅名が全面黒地となり、その中に白い文字が直接表示される形となっています。これは10両編成の東急5050系4000番台とほぼ同等のものです。ただし、画面サイズや情報伝送速度は従来のままであるため、滑らかなアニメーション表示などはありません

▼関連記事
東急東横線5050系副都心線対応車(2012年5月20日作成)

■副都心線内各駅の案内板の東横線直通対応化
「東急線」の文字が追加された小竹向原駅ホーム入口の案内板
階段正面の案内板には「横浜 元町・中華街方面」の文字が追加された。 ホーム天井の案内板も「東急線」の文字が追加されている。
上:「東急線」の文字が追加された小竹向原駅ホーム入口の案内板。
下左:階段正面の案内板には「横浜 元町・中華街方面」の文字が追加された。
下右:ホーム天井の案内板も「東急線」の文字が追加されている。3枚とも2013年2月23日撮影

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 副都心線内の各駅では2月末より駅構内の案内板が東横線直通に対応したものに交換されました。交換後の案内板は「東急線」や「横浜 元町・中華街方面」の文字が追加されていますが、これらは一部を除きテープやシールなどで隠蔽はされておらず、そのまま掲出されています。

■新宿三丁目駅停止位置変更・エスカレータ増設・乗換通路一方通行化
丸ノ内線乗り換え通路前で新設工事中のエスカレータ。(現在は完成)
丸ノ内線乗り換え通路前で新設工事中のエスカレータ。(現在は完成)2012年12月8日撮影

 新宿三丁目駅は丸ノ内線四ツ谷寄りのホーム端と副都心線池袋寄りのホーム端が直接通路でつながっており、改札内で乗り換えができますが。しかし、この通路は現状でも朝ラッシュ時に両線を乗り換える利用者による激しい混雑が発生しており、東横線直通開始後は新宿三丁目駅で東横線方面に折り返す列車も設定される予定であることから、混雑がさらに激化することが予想されています。このため、昨年夏より副都心線ホームの通路入口前に上階の改札外コンコースに直結するエスカレータを1機増設する工事が開始されました。このエスカレータは去る2013年3月4日(月)に完成し、乗り換え通路は平日朝7:50~9:20に限り副都心線ホーム→丸ノ内線ホームの一方通行化されました。また、新設されたエスカレータは7:00~15:00が上り専用、15:00~終電が下り専用となっており、朝ラッシュ時に丸ノ内線から副都心線に乗り換える場合はホーム中央の改札口を経由した改札外乗り換えが必要となっています。また、昨年12月15日(土)には副都心線のうち8両編成の列車の停止位置が池袋寄りのホーム端から渋谷寄りのホーム端に移動しました。これも丸ノ内線の乗り換え通路の混雑を緩和させるための対策であると考えられます。
 なお、来る3月16日の東横線直通開始後は時間帯問わず新宿三丁目駅で東横線方面に折り返す列車が多数設定される予定です。この列車は4番線に到着し乗客を全て降ろした後、駅の池袋方にある折り返し線に入り、3番線に入線し乗客を載せて東横線方面に出発するという折り返し方法が取られます。

▼参考
新宿三丁目駅連絡通路の時間帯一方通行化について - 東京メトロ(PDF/1.54MB)

▼関連記事
副都心線新宿三丁目駅混雑対策&渋谷駅東横線直通工事(2012年6・7月取材)(2012年7月17日作成)

■日比谷線東急直通は廃止・東武直通は南栗橋まで延長
日比谷線・東横線直通廃止により東横線内で東京メトロ03系の営業運転は見られなくなる。 日比谷線内を走る東急1000系も同様に見られなくなる。
左:日比谷線・東横線直通廃止により東横線内で東京メトロ03系の営業運転は見られなくなる。2013年1月12日、武蔵小杉駅で撮影
右:日比谷線内を走る東急1000系も同様に見られなくなる。2013年3月10日、秋葉原駅で撮影

※クリックで拡大

 副都心線直通開始と同時に現在中目黒~菊名間で行われている東京メトロ日比谷線と東横線の直通運転は廃止されます。日比谷線・東横線の直通は1964(昭和39)年に開始されたもので、同年代に京成電鉄との直通運転を開始した都営浅草線とともに約40年の歴史を持ち、今日広く行われている地下鉄と郊外民鉄路線間における相互直通運転のパイオニア的存在でした。
 日比谷線・東横線の直通は東横線の特急運転開始時に30分おきに削減されており、近年ではその存在意義は低下傾向にありました。今後、東横線内の各駅では安全対策としてホームドアを設置する計画がありますが、日比谷線に直通する車両は18m・3ドア車両であるため、ドアの位置を統一する必要があるホームドア設置の妨げとなることから、今回直通運転が廃止される運びとなりました。直通廃止に伴い、東横線の東急1000系電車はその用途を失う(副都心線直通開始後、東急車は全列車5050系となることが確定している)ことから、今後の動向が注目されます。
 なお、日比谷線と東横線の直通が廃止になる一方、日比谷線を挟んで反対の東武スカイツリーライン(東武伊勢崎線)側では3月16日(土)より日比谷線の直通区間が東武動物公園駅から日光線南栗橋駅まで拡大されます。南栗橋駅まで直通する日比谷線は昼間時間帯に毎時2本運行される計画で、既存の半蔵門線直通列車と合わせて毎時4本の地下鉄直通列車が設定されることになります。
 
▼参考
3月16日(土)東武スカイツリーライン・伊勢崎線・日光線ダイヤ改正 - 東武鉄道ニュースリリース(PDF/893KB)

以上、4回にわたり東横線・副都心線直通に関する動きについてお伝えしました。両路線の直通運転開始まで残り半日ほどとなり、廃止となる東横線渋谷駅は別れを惜しむ利用者で激しく混雑している模様です。明日は直通開始後の両路線の模様を早速調査する予定ですので引き続きどうぞご期待下さい。

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●施設関係
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●車両関係
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東京メトロ10000系の車内(2007年5月12日作成)
西武6000系東京メトロ副都心線直通改造車(2007年5月22日作成)
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東横線・副都心線直通に向けた車両の動き(2012年9・10月取材)(2012年10月17日作成) このエントリーをはてなブックマークに追加
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