目黒天空庭園(その1:地上~5階)

カテゴリ:公園・風景 | 公開日:2013年08月10日23:19
クロスエアタワーと目黒天空庭園

今年3月末、東京都目黒区にある首都高速大橋ジャンクション屋上に「目黒天空庭園」が開設されました。5月初めにこの公園を訪問してまいりましたので、2回に分けて現地の様子をお伝えします。

■首都高速大橋ジャンクションと目黒天空庭園の概要


外側を囲む緑色の線が首都高速中央環状線

 2010年3月28日、首都高速で5号池袋線と3号渋谷線を結ぶ新しい路線「中央環状新宿線」が開通しました。首都圏は東海、甲信、東北、房総など各方面を結ぶ放射状の高速道路がありますが、これらを相互に結ぶ路線は現在のところ首都高速都心環状線しかありません。このため、東京都心を目的地とする自動車と都心を通過するだけの自動車双方が都心環状線に集中し、深刻な渋滞が発生しています。この解消のため、首都圏では首都高速中央環状線、東京外かく環状道路(東京外環自動車道)、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の「3環状道路」の建設が進められています。中央環状線はその最も内側に位置する路線で、首都高速湾岸線の葛西付近を起点に東京23区の外側を周回し、大井ふ頭で再び湾岸線に合流する計画となっています。現在は葛西から3号渋谷線と連絡する目黒区の大橋ジャンクションまで開通済みとなっており、大橋~大井の間が2014年度末の開通を目指して鋭意建設が進められています。

大橋ジャンクションの構造
首都高速中央環状新宿線のシールドトンネル 大橋ジャンクションのランプトンネル
上:大橋ジャンクションの構造
左下:首都高速中央環状新宿線のシールドトンネル
右下:大橋ジャンクションのランプトンネル

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 中央環状線のうち、西側の熊野町ジャンクション~大井ジャンクションの間は沿道の環境悪化防止や用地買収を最小限に抑えるため、山手通りや目黒川の地下にトンネル方式で道路が建設されています。大橋ジャンクションで連絡する3号渋谷線は首都高速の中でも初期に完成した区間であるため、全線が高架構造となっており、地下を通る中央環状線との高低差は実に70mに及びます。この高低差を克服するため、大橋ジャンクションのランプは地下から高架にかけて2回ループする複雑な構造となっています。ランプ部分は自動車の騒音が外部に漏れるのを防止するため、全体がコンクリートで覆われたトンネル状の構造になっています。
 なお、大橋ジャンクションに関しては2010年3月の開通直前に実施された見学会で調査しておりますので、そちらの記事も合わせてご覧ください。

▼関連記事
首都高速大橋JCT見学会「山手トンネルウォーク」(その1)(2010年3月13日作成)
首都高速大橋JCT見学会「山手トンネルウォーク」(その2)(2010年3月17日作成)

■「目黒天空庭園」現地の様子
国道246号・首都高速3号渋谷線とオーパスブリッジ
国道246号・首都高速3号渋谷線とオーパスブリッジ
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 大橋ジャンクションではジャンクションの建設に合わせて周辺の再開発(O-path目黒大橋計画)も行われ、2009年3月に「プリズムタワー」、2013年1月に「クロスエアタワー」の高層マンション2棟が完成しました。また、国道246号(玉川通り)を挟んだ反対側でも再開発が行われ、2009年12月に賃貸マンション「スタイリオ大橋」が完成しました。さらに、これらのマンションに囲まれた大橋ジャンクションのループトンネル屋上は公園「目黒天空庭園」として整備が行われ、去る2013年3月30日(土)にオープンしました。

プリズムタワー5階の入口(庭園内から見たところ) オーパスブリッジは国道を挟んで反対側の「スタイリオ大橋」に直結している
クロスエアタワー2階ライフの右側にある階段からも目黒天空庭園に入ることができる 同じくクロスエアタワー1階からもエレベータ経由で目黒天空庭園に入ることができる
左上:プリズムタワー5階の入口(庭園内から見たところ)
右上:オーパスブリッジは国道を挟んで反対側の「スタイリオ大橋」に直結している
左下:クロスエアタワー2階ライフの右側にある階段からも目黒天空庭園に入ることができる
右下:同じくクロスエアタワー1階からもエレベータ経由で目黒天空庭園に入ることができる

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 この目黒天空庭園は周辺のマンション住民のための公益施設としても位置付けられていることから、マンション内から直接出入りができるよう歩道橋などにより直結されています。地上からの出入口は

(1)オーパスブリッジ(国道を跨ぐ歩道橋)から直接入る
(2)ループ内側の「オーパス夢ひろば」からエレベータ経由で上がる
(3)クロスエアタワー2階のスーパー「ライフ」脇の大階段を上がる
(4)クロスエアタワー1階からエレベータ・9階(大橋図書館)経由する
(5)プリズムタワー1階からエレベータで5階に上がる
(6)スタイリオ大橋1階からエレベータで3階に上がり、オーパスブリッジ経由で入る


という5つのルートがあります。このうち、(4)~(6)はマンションの建物内にエレベータがあり、場所をあらかじめ知っていないと分かりづらいため、初めて来る際は(1)~(3)のルートを使うことをお勧めします。

オーパスブリッジから目黒天空庭園入口の方向を見る。図上では3号渋谷線から分岐したランプが1箇所に集約されてトンネルに吸い込まれていく。
オーパスブリッジから目黒天空庭園入口の方向を見る。図上では3号渋谷線から分岐したランプが1箇所に集約されてトンネルに吸い込まれていく。

 今回は上記のルートのうち、「(1)オーパスブリッジ(国道を跨ぐ歩道橋)から直接入る」のルートを使って目黒天空庭園に入りました。最寄りの池尻大橋駅から国道246号を東に歩き、オーパスブリッジの上に上がると頭上では3号渋谷線から分岐したランプの高架橋が急カーブを描きながら大橋ジャンクションのループトンネルに向かって吸い込まれていきます。このような複雑な構造は限られた面積の中に道路を建設しなければならない首都高速特有のものであり、そのワイルドなデザインはいわゆる「ジャンクション萌え」として多くの人を魅了して止みません

オーパスブリッジ~管理棟の園路。園内は6%の傾斜になっているため、段々畑になっている。
オーパスブリッジ~管理棟の園路。園内は6%の傾斜になっているため、段々畑になっている。

 オーパスブリッジから大橋ジャンクション本体の方向に進むと突き当たりに目黒天空庭園の3階入口があります。開園時間は通年に渡り7時~21時です。
 大橋ジャンクションのランプは前記したように大きな高低差を結ぶため、全長に渡り6%の勾配になっています。このため、その屋上を利用している目黒天空庭園も同じ角度で傾斜しており、園内の花壇は段々畑状になっています。また、散策路も階段もしくはスロープになっています。3階から入ってすぐのところは上空に3号渋谷線に向かうランプの高架橋があり、日が当らないため植物は少なめになっており、やや地味な印象を受けます。

突き当たりで通路は一旦ループランプの内側に入る。 突き当たりで通路は一旦ループランプの内側に入る。
突き当たりで通路は一旦ループランプの内側に入る。
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 3階から入って段々畑の中を進んで突き当たると、一旦下段は終了してランプの中をトンネルで突き抜けてランプの内側に出ます。

目黒天空庭園管理棟 管理棟内には庭園の工事の様子や緑化の仕組みなどを解説するパネルが展示されている。
左:目黒天空庭園管理棟
右:管理棟内には庭園の工事の様子や緑化の仕組みなどを解説するパネルが展示されている。

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 そのまま通路を進むと左手に目黒天空庭園の管理棟が見えてきます。管理棟にはトイレや自動販売機が設置されており、散策する際の飲み物の調達などができます。管理棟の建物内には目黒天空庭園ができるまでの工事の模様を記録した写真、屋上緑化の仕組みを解説したパネルや花壇の断面模型などが展示されています。なお、目黒天空庭園は公園への出入りにエレベータが必要であるなど特殊な環境であるため、5月20日よりペットの持ち込みが登録制となっています。登録の手続きはこの管理棟で受け付けています。登録の際は以下のリンク先にある注意事項を十分にご確認ください。

▼参考
目黒天空庭園・オーパス夢ひろば ペットの利用ルール 目黒区(PDF)

ループ内側は運動場「オーパス夢ひろば」
ループ内側は運動場「オーパス夢ひろば」

 ループトンネルの内側は2010年の中央環状新宿線の開通時に国道地下を走る東急田園都市線の変電所が残されていました。この変電所はその後国道を挟んだ反対側のスタイリオ大橋地下に移転して取り壊され、跡地には運動場「オーパス夢ひろば」が建設されました。オーパス夢ひろばには約1,400m2の人工芝コートが設けられており、ボールを使ったスポーツなどを楽しむことができます。(目黒天空庭園本体(屋上庭園)でのボールの使用は禁止)
 さらに、照明設備もあるため、目黒区内に在住・在勤・在学の団体(10名以上)であれば夜間の貸切利用も可能です。(有料。利用手続きは管理棟で受付。)また、大規模な機材を使用した写真・映像撮影も夜間に貸切で行うことができます。(有料)詳しくは以下のページをご覧ください。

▼参考
オーパス夢ひろばの夜間利用 目黒区

続く「その2」の記事では目黒天空庭園本体(5階~9階)までの様子を見てまいります。公開までしばらくお待ちください。

「その2:5~9階」の記事へ進む→

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