西武池袋線石神井公園駅高架化工事(2013年8月4日取材)

石神井公園駅に停車中の東急5050系“Shibuya Hikarie”号

西武池袋線石神井公園駅では現在高架化工事が行われています。昨年11月の調査から時間がたったため、8月上旬に再度調査をしてまいりました。今回も練馬高野台駅付近・石神井公園駅付近・大泉学園駅付近の3か所すべてについてお伝えします。

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■西武池袋線高架・複々線化の概要
2003年に高架化・複々線化が完了した富士見台駅付近。 高架化着工前の石神井公園駅。地上時代は2面3線のホームと留置線数本が併設される構内配線だった。
左:2001年に高架化・複々線化が完了した富士見台駅付近。
右:高架化着工前の石神井公園駅。地上時代は2面3線のホームと留置線数本が併設される構内配線だった。2枚とも2007年5月4日撮影


 西武池袋線桜台~石神井公園間の高架化・複々線化工事は地下鉄8号線(東京メトロ有楽町線)の相互乗り入れ計画を原型として開始されたもので、桜台~練馬高野台間5.2kmの工事は2003(平成15)年までに全て完了しています。残る練馬高野台~大泉学園間2.4kmは交差する東京外かく環状道路(東京外環自動車道)の計画との調整に手間取り着工が遅れましたが、同道路が地下式で建設される方針が固まったため、2005(平成17)年に都市計画変更の手続きを行い、2007(平成19)年から本格的な工事が開始されました。総工費は約474億円(連続立体交差事業:約360億円、複々線化事業(全額を西武鉄道が拠出):約114億円)で国と東京都・練馬区が約285億円、西武鉄道が約189億円をそれぞれ負担します。

<西武池袋線連続立体交差事業の歴史>
1971年1月 都市計画決定(桜台~石神井公園間高架・複々線化)
1994年12月 富士見台~練馬高野台間高架・複々線化完成(踏切3か所廃止)
2000年3月 桜台~練馬間高架化完成(踏切7か所廃止)
2003年3月 練馬~富士見台間高架・複々線化完成(踏切9か所廃止)
2005年6月 都市計画決定(石神井公園~大泉学園間高架化)
2007年5月 都市計画事業認可取得
2010年2月 練馬高野台~石神井公園間上り線高架化
2011年4月 練馬高野台~石神井公園間下り線高架化
2012年11月 練馬高野台~石神井公園間複々線化完了

着工前の桜台~大泉学園間の配線図
現在の桜台~大泉学園間の配線図
上:着工前の桜台~大泉学園間の配線図
下:現在の桜台~大泉学園間の配線図


 練馬高野台~大泉学園間の高架化工事は東側1.2kmと西側1.2kmの2期に分けて工事が行われています。東側の第1期区間は2005年の都市計画変更決定の時点で複々線化に必要な拡幅用地が既に確保されており、2007年からの工事ではまずこの拡幅用地に2線分の高架橋を建設して上り線を移設し、空いた用地に1線分ずつ下り線の高架橋を建設するという手法がとられました。上り線の高架線切替は2010(平成22)年2月7日、下り線の高架線切替は2011(平成23)年4月17日に行われ、渋滞が深刻だった富士街道(都道8号千代田練馬田無線)をはじめとする6箇所の踏切が廃止され交通渋滞の低減と都市分断の解消が実現しました。高架化の完了後は引き続き練馬高野台駅~石神井公園駅の複々線化が行われ、2012(平成24)年6月29日に工事が完了しました。
  第2期区間である石神井公園~大泉学園間は2012年8月26日に上り線、10月28日に下り線がそれぞれ仮線切替が完了しました。仮線切替後は下り線の高架化に向けて高架橋を建設する工事が進められています。

■2013年8月4日の状況

●練馬高野台駅
練馬高野台駅池袋方。緩行線・急行線の間のポイントが撤去された。 練馬高野台駅石神井公園方。引上線の痕跡は完全に消え去った。
左:練馬高野台駅池袋方。緩行線・急行線の間のポイントが撤去された。
右:練馬高野台駅石神井公園方。引上線の痕跡は完全に消え去った。
(同じ場所の2010年2月6日2012年6月23日の様子)


 練馬高野台駅は石神井公園駅の高架・2面4線化が完成するまでの間の複々線の西端となっており、ラッシュ時を中心に当駅折り返し列車が設定されていました。このため、池袋方には緩行線(内側)・急行線(外側)をつなぐ片渡り線が、石神井公園方には折り返し用の引上線が1線設置されていました。
 昨年6月30日のダイヤ改正で、練馬高野台~石神井公園間の複々線化が完成したことにより、緩行線・急行線の間の渡り線は使用を停止、引上線は撤去されました。そして今回、使用停止となっていた渡り線もポイント・信号機などが全て撤去され、当駅は完全に棒線化されました。石神井公園方についても、ポイントを撤去したため細切れになっていたレールのロングレール化とカント増量が完了し、通常と同等の高速走行が可能となりました。(急行線にあった75km/hの速度制限も撤廃された。)

●石神井公園駅
石神井公園駅2番線に到着した横浜高速鉄道Y500系電車。3月16日より東京メトロ副都心線と東急東横線の直通運転が開始され、西武池袋線から東急東横線・みなとみらい線に直通する列車が走るようになった。
石神井公園駅2番線に到着した横浜高速鉄道Y500系電車。3月16日より東京メトロ副都心線と東急東横線の直通運転が開始され、西武池袋線から東横線・みなとみらい線に直通する列車が走るようになった。

 石神井公園駅構内の線路施設は昨年全て完成しており、大きな変化はありません。西武池袋線は今年3月16日の東京メトロ副都心線と東急東横線・みなとみらい線の直通運転開始により、横浜方面への直通列車が走るようになりました。昨年6月のダイヤ改正で新設された石神井公園駅折り返し列車の一部もこの直通列車になっており、特に日中の当駅始発(1時間当たり1本)は全列車がみなとみらい線元町・中華街行きとなっています。

石神井公園駅大泉学園方の状況。第2期区間の下り線の高架橋が完成し、軌道敷設が進められている。 下りの前面展望。スロープ直前の軌道は袋詰めのバラストで固定されており、移設が容易になっている。
左:石神井公園駅大泉学園方の状況。第2期区間の下り線の高架橋が完成し、軌道敷設が進められている。
右:下りの前面展望。スロープ直前の軌道は袋詰めのバラストで固定されており、移設が容易になっている。


 2007年に着工した第2期区間(石神井公園~大泉学園)の高架化工事も順調に進んでおり、下り線の高架橋がおおむね完成し、軌道敷設が進められています。石神井公園駅の先は北側に仮設された盛土のスロープで地上に降りていますが、第2期区間の完成後は直線的に高架橋上を進む形となる予定です。このため、スロープ直前の線路は移設が容易な構造になっています。

石神井公園駅東口の高架下。高架橋の底面が化粧材で覆われた。 高架橋の北側の遊歩道も完成した。
左:石神井公園駅東口の高架下。高架橋の底面が化粧材で覆われた。(同じ場所の2012年11月24日の様子
右:高架橋の北側の遊歩道も完成した。(同じ場所の2012年11月24日の様子


 石神井公園駅南側は現状では道路が狭く、バスなどの大型車両の乗り入れに制限があります。このため、道路の拡幅を中心とした整備が予定されており、合わせて南口の駅前広場を東口改札口前の高架下まで拡大する計画となっています。駅前広場の拡大に向けた準備が既に開始されており、東口前の高架橋底面には全面に渡り化粧材が取り付けられました。今後は車道の整備などロータリー本体の整備が行われることになります。
 一方、前回整備中だった高架橋北側の遊歩道(環境側道)は全て完成しました。遊歩道の地面は全面がブロック張りとなっており、歩行者・自転車専用となっています。

3月にオープンした石神井公園駅西口
3月にオープンした石神井公園駅西口

 高架下にはこのほか、練馬区の行政施設、駐輪場、スーパーなどの沿線住民のための公益施設「エミナード石神井公園」が整備される予定となっています。これに向けて今年3月23日(土)には大泉学園方の高架下に西口改札が新たに開設されました。続いて、10月2日(月)には、この西口改札前に「エミナード石神井公園」の第1期開発エリア「エミオ石神井公園(ウエスト・ノース)」がオープンしました。「エミオ石神井公園(ウエスト)」はスーパー「イトーヨーカドー食品館」を中心とする食料品店と自転車611台収容可能な駐輪場により構成されています。「エミオ石神井公園(ノース)」は前記した遊歩道北側に新設された商業施設で、カフェ・雑貨などの専門店があります。
 今後は駅前広場を挟んだ反対側の池袋方高架下についても整備が進められ、2014年夏に「エミオ石神井公園(イースト)」としてオープンする予定となっています。

●大泉学園駅付近
大泉学園→石神井公園の前面展望。下り線の高架橋建設が進む。 大泉学園駅ホーム端から高架橋の終端を見る。
左:大泉学園→石神井公園の前面展望。下り線の高架橋建設が進む。
右:大泉学園駅ホーム端から高架橋の終端を見る。
(同じ場所の2012年6月23日/2012年11月24日の様子)


 石神井公園~大泉学園は前記したとおり下り線の高架橋建設が順調に進んでいます。高架橋本体は今回訪問時ほぼ完成しており、軌道敷設、防音壁の取り付けなどが進められていました。大泉学園駅の池袋方のホーム端からは急勾配で地上に降りる様子が間近に確認できます。


 このように西武池袋線の高架化工事は第二期区間も極めて順調に工事が進んでおり、2014年前半の下り線高架化が予想されます。来る2013年11月24日(日)に下り線の高架化が実施されることが発表されました。今後も引き続き事業の推移を調査していく予定です。(2013年11月7日19;00修正)

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▼参考
池袋線連続立体交差事業・複々線化事業のご案内:西武鉄道Webサイト
2013年10月2日(水)石神井公園駅周辺開発計画1期開業 - 西武鉄道ニュースリリース(PDF/2.7MB)
石神井公園駅周辺のまちづくり:練馬区公式ホームページ
西武池袋線の下り線を11月24日に高架化!|東京都 このエントリーをはてなブックマークに追加
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