みなとみらい線10両化工事(2013年9月取材)

元町・中華街駅に停車中の東京メトロ7000系

副都心線直通開始に伴う東横線・みなとみらい線の10両化工事の続きです。最終回の今回はみなとみらい線内の状況について見てまいります。

※写真は特に記載のない限り2013年9月10日撮影

■東横線・副都心線直通に伴う東横線の10両編成対応化(概要)
■各駅の状況
●中目黒~自由が丘
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●田園調布~武蔵小杉
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●元住吉~菊名
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●妙蓮寺~横浜
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●新高島駅
新高島駅ホーム横浜方の端からトンネル内で行われている補強工事を見る。 新高島駅横浜方の地上。右側に見えるリング状の物体がトンネル補強用の枠。
左(1):新高島駅ホーム横浜方の端からトンネル内で行われている補強工事を見る。
右(2):新高島駅横浜方の地上。右側に見えるリング状の物体がトンネル補強用の枠。


 新高島駅はホーム両端に優等列車対応通路が1両分ずつ設置されました。この通路の工事は東横線と副都心線の直通運転開始までに完了しており、その後変化はありません。
 これとは別に横浜寄りのシールドトンネル(高島トンネル)では、最近になりトンネル本体に変形が生じていることが判明したため、補強工事が進められています。補強工事は地上からトンネル周囲の地盤に凝固剤を注入する方法と、トンネル壁面に金属製の補強枠を巻き立てる2つの方法が併用されています。昨年夏の調査時は地上からの地盤注入が完了してトンネル壁面に金属枠を取り付ける作業が進められており、今年1月に通過した際はその作業もほとんど完了しているのを確認しました。

新高島駅ホーム上に設置されたトンネル補強工事用の資材置場
新高島駅ホーム上に設置されたトンネル補強工事用の資材置場

 トンネル内の補強工事に必要な資材は横浜寄りのホーム端にある換気塔を経由して搬入することを基本としていますが、ホーム上にも資材置場が設置されていました。新高島駅は各駅停車しか停車しないことや、駅の周囲の開発が遅れていることもあって乗降客数はみなとみらい線の中でも極端に少なく、ホーム上を占有しても混雑悪化等の問題はありませんでした。

●みなとみらい駅
みなとみらい駅のホーム延長部分。内装は既存部分とほぼ同等。 みなとみらい駅の8両・10両共通乗車目標。他の駅も同一のデザイン。
左(1):みなとみらい駅のホーム延長部分。内装は既存部分とほぼ同等。
右(2):みなとみらい駅の8両・10両共通乗車目標。他の駅も同一のデザイン。


 みなとみらい駅は建設当初より元町・中華街方に2両分のホーム延長スペースが確保されていたため、その部分を使ってホームを延長しました。延長部分の内装は基本的に既存部分と合わせられていますが、線路側の壁はコスト削減のためか化粧パネルの取り付けが省略されており、コンクリートの地肌がむき出しとなっています。
 みなとみらい駅から先の各駅では10両編成も停車するため、2012年秋頃に一斉に8両編成の停止位置が数メートルずつ移動し、8両編成と10両編成のドア位置が一致するよう改められました。これに伴い、線路側の壁面にある乗車目標も全て8両用と10両用の乗車位置が描かれた新しいものに交換されました。乗車位置は8両用が青、10両用が赤で示されています。(10両用は副都心線直通開始までは下地と同色のシールで隠蔽していた。)

●馬車道駅
馬車道駅のホーム延長部分を既存ホーム側から見る。 馬車道のホーム延長部分を延長された側から見る。上下線の間に機械室があるため延長部分は狭い。
左(1):馬車道駅のホーム延長部分を既存ホーム側から見る。
右(2):馬車道のホーム延長部分を延長された側から見る。上下線の間に機械室があるため延長部分は狭い。


 馬車道駅は横浜方に2両分ホーム延長スペースが確保されていたため、その部分を使ってホームを延長しました。延長部分は一応確保されてはいたものの、その部分には機械室があり、機械室に特段の手を加えずにホームを延長したことから、延長部分のホームは機械室と線路の間の2mほどのスペースに新設されており、カーブしていることも相まってかなり狭い印象を受けます。この狭さゆえに、下り線側は10両編成用の車掌用モニターが横並びで4画面設置できず、東横線自由が丘駅と同じような格子状に2段に並べた形状となっています。また、この駅もコスト削減のため線路側の壁面の化粧材は省略されています。

●日本大通り駅
日本大通り駅のホーム延長部分。
日本大通り駅のホーム延長部分。

 日本大通り駅は元町・中華街方に2両分ホームの延長スペースが確保されていたため、その部分を使ってホームを延長しました。他の駅と同様、延長部分のホームの内装は既存部分とほぼ同一ですが、線路側の壁の内装材は省略されています。

延長部分のホーム中央には壁状の中柱があり、両側での行き来はしにくい。 ホーム端の床は点滅する赤色のLEDが埋め込まれている。
左(1):延長部分のホーム中央には壁状の中柱があり、両側での行き来はしにくい。
右(2):ホーム端の床は点滅する赤色のLEDが埋め込まれている。


 日本大通り~元町・中華街間は上下線が1つのシールドトンネルになっており、日本大通り駅の元町・中華街方は上下線の線路が徐々に近づく形となっていたため、延長部分のホームは奥に行くにつれて急激に狭くなっています。また、延長部分のホームの真ん中には壁状の中柱が立つています。中柱は所々反対側に通り抜けられる開口部がありますが、ホーム床面からの高さは低く、背の高い大人は屈まないと通り抜けるのは困難です。このため、開口部の上には頭をぶつけないよう黄色の警告ペイントが施されています。ホームの先端0.5両分はさらに幅が狭く、列車接近時は危険であるため、床の点状ブロックに沿って赤色のLEDが埋め込まれ、常時点滅して注意喚起をしています。

●元町・中華街駅
元町・中華街駅横浜方のホーム延長部分。
元町・中華街駅横浜方のホーム延長部分。

 元町・中華街駅はホーム両端に1両分ずつ延長スペースが確保されていたため、その部分を使ってホームを延長しました。
 横浜方の延長部分は信号設備を若干移設した後既存ホームと同じ仕様の床と天井を取り付けています。日本大通り駅と同様にホームの先はすぐに複線が一体のトンネルになっており、延長部分のホームは先端に向かって急激に狭くなっています。また、線路側は機械室があることや、天井にトンネル換気口が開いていることから、壁が線路から離れたところにあるため、コンクリートの地肌が剥き出しとなっています。

元町・中華街駅終端側のホーム延長部分に停車中の10両編成の列車。 元町・中華街駅終端側のホーム延長部分に停車中の10両編成の列車。
元町・中華街駅終端側のホーム延長部分に停車中の10両編成の列車。(左が2番線、右が1番線)

 終端側はオーバーランした場合の余裕距離や将来の本牧方面への延伸を想定し、ホームの先も数十メートル線路が伸びていました。10両化に伴うホーム延長ではこのスペースを一部利用することになりましたが、エスカレータの一部が線路側に接して設置されていたため、移設を行っています。ホーム延長部分の内装は既存の部分と合わせられていますが、線路側の壁は元々ホーム上から見える位置だったため、開業当初より簡易的な内装が施されており、今回のホーム延長にあたっては特に新たな化粧材の設置は行われていません。また、2番線側はエレベーターの乗降口が近いため、車椅子などが逸走して線路に転落しないよう柵が設置されています。

終端側の8両用停車目標(手前)と10両用停車目標(奥の矢印の先) 10両編成先頭車と停止位置先にある列車停止標識
左(1):終端側の8両用停車目標(手前)と10両用停車目標(奥の矢印の先)
右(2):10両編成先頭車と停止位置先にある列車停止標識


 終端側の軌道回路の設備は開業当初から10両編成対応となっており、ホーム延長にあたっては大きく手を加えた個所はありません。10両編成用の停車目標は車止め手前にある列車停止標識の3mほど手前に設置されています。東横線のATCは車止めに手前で5.5km/hまでのブレーキパターン(ORP・過走防護パターン)が設けられており、列車停止標識を超えた場合は軌道回路からの信号が消失するため直ちに非常ブレーキで停止します。

▼脚注
※列車停止標識:白地に黒の十文字が描かれており、ここでは列車が進んでよい限界地点(=軌道回路の終端)を示している。


■開業10周年を迎えたみなとみらい線
今年開業10周年を迎えたみなとみらい線。Y500系電車の一部にはそれを記念したヘッドマークが取り付けられた。
今年開業10周年を迎えたみなとみらい線。Y500系電車の一部にはそれを記念したヘッドマークが取り付けられた。2014年4月5日撮影

 2004(平成16)年2月1日に開業した横浜高速鉄道みなとみらい線は今年で開業10周年を迎えました。横浜高速鉄道が所有するY500系電車の一部には、これを記念したヘッドマークが取り付けられています。2月にはこれを記念してみなとみらい駅を中心に様々なイベントが開催されました。また、同月には臨時列車の運行も予定されていましたが、こちらについては直前に発生した東横線元住吉駅での列車追突事故を受け、残念ながら中止になってしまいました。

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