東京ミチテラス2014(東京駅開業100周年記念ライトアップ)

丸ビル5階テラスから見た東京駅

昨年12月14日、東京駅は開業100周年を迎えました。これを記念して東京駅では様々なイベントが開催されています。今回はその中から、12月24日(水)~12月28日(日)にかけて開催された、「東京ミチテラス2014」の赤レンガ駅舎メモリアルライトアップの模様を写真を中心にお届けしてまいりたいと思います。

▼関連記事
東京・丸の内イルミネーション「東京ミチテラス2012」(2012年12月23日取材)(2013年1月9日作成)

■開業100周年を迎えた東京駅
復原前の東京駅赤レンガ駅舎。 復原後の東京駅赤レンガ駅舎。
左(1):復原前の東京駅赤レンガ駅舎。2007年5月4日撮影
右(2):復原後の東京駅赤レンガ駅舎。2012年9月15日撮影


 1914(大正3)年12月14日、「中央停車場」として現在の東京駅が開業しました。丸の内口には日本銀行本店などを手掛けた帝国大学工科大学(現在の東京大学工学部)学長辰野金吾氏設計による3階建の赤レンガ駅舎が設けられました。赤レンガ駅舎は南北に2つの巨大なドーム型屋根を持ち、当初計画の約7倍に上る274万円の工費と、6年もの歳月をかけて建設されたものです。
 その後赤レンガ駅舎は関東大震災には耐えたものの、太平洋戦争の空襲では3階を焼失し、建物は2階建て、ドーム型屋根は八角形屋根で仮復旧されたまま21世紀を迎えました。この間、東京駅は新幹線乗り入れなど大きく拡張され、赤レンガ駅舎についても高層ビルなどへの建て替えも検討されてきましたが、市民団体などの尽力により今日まで保存されてきました。そして2008年から、仮復旧だった3階部分を創建当時の姿に復原する工事がスタートしました。この工事では復原のみならず、建物地下への免震装置組み込みなど、永久保存に適した条件への改造も合わせて行われています。
 復原工事は2012年10月に竣工を迎えました。竣工を間近に控えた9月22・23日には赤レンガ駅舎全体をスクリーンとしてCG映像を投影するプロジェクションマッピング「TOKYO STATION VISION」が開催されました。

■プロジェクションマッピング改め記念ライトアップ

 続く2012年12月末には、丸の内一帯でのイルミネーションイベントが復活するのに合わせ、9月に開催されたプロジェクションマッピングを内容を変えて再度上映する予定となっていました。上映開始から2日間は平日や悪天候だったため混雑しながらも一応上映は行われましたが、休日と好天が重なった12月23日(日・祝)は非常に激しい混雑となり、見物客が周辺の道路から溢れる状態となったことから、警察の要請もあって同日の途中から残りの会期も含めすべての上映が中止される事態となりました。
 この教訓を受け、2014年12月24日~28日の5日間行われた「東京ミチテラス2014」では、赤レンガ駅舎について、通常とは異なる色でのライトアップを行いプロジェクションマッピングに代わる開業100周年記念イベントとされました。丸の内地区でのイルミネーションについては、例年と同様の規模で開催され、興行収入200億円を突破したウォルトディズニーの映画「アナと雪の女王」のオブジェなども展示されました。

開業100周年記念ライトアップ中の赤レンガ駅舎
開業100周年記念ライトアップ中の赤レンガ駅舎
※クリックで拡大


 東京駅赤レンガ駅舎の記念ライトアップは駅前広場に面した壁のうち、両端のドームと中央の車寄せの部分以外で行われました。ライトアップの色は、東京駅が開業した大正時代の華やかさをイメージした青や紫が中心となっており、正面から眺められる行幸通りには「ロマンの道」としてLEDが大量に並んだイルミネーションが設置され、赤レンガ駅舎への連続感を演出するというものでした。

丸の内仲通りから見た行幸通りの混雑状況。道路の向こうに見える黒い影は全て人である。 行幸通り上に設置された「ロマンの道」オブジェ。
行幸通り先端から見た赤レンガ駅舎のライトアップ。
左上(1):丸の内仲通りから見た行幸通りの混雑状況。道路の向こうに見える黒い影は全て人である。
右上(2):行幸通り上に設置された「ロマンの道」オブジェ。
下(3):行幸通り先端から見た赤レンガ駅舎のライトアップ。

※(下)クリックで拡大(1000×600px/110KB)

…ここまでがイベントのコンセプトだったわけですが、プロジェクションマッピングと違い、固定映像であることからそこまで混雑しないだろうと安直に考え、開催最終日の28日に現地に行ったところ、プロジェクションマッピング程ではないにしろ、かなりの混雑となっていました。混雑が激しく危険であることから、見物は丸の内仲通り北側から行幸通りを経由して南側に抜ける一方通行に規制されており、さらに各所に配置されたスタッフが「立ち止まっての撮影はご遠慮願います」と終始叫び続けている状況で、ゆっくり見物や撮影をする余裕などは全くないという状況でした。

丸ビル5階テラスから見た赤レンガ駅舎のライトアップ KITTE6階屋上庭園から見た赤レンガ駅舎のライトアップ
上:丸ビル5階テラスから見た赤レンガ駅舎のライトアップ
下:KITTE6階屋上庭園から見た赤レンガ駅舎のライトアップ

※クリックで拡大(1000×600px/124~133KB)

 そのため、駅前広場の周辺に建つKITTEや丸ビルのテラスなどを回り、見物・撮影場所を探すこととなりました。こちらは普段よりは混雑はしていたものの、見物には支障はない程度でした。

八重洲口グランルーフの「Tokyo Colors.」ライトアップ
八重洲口グランルーフの「Tokyo Colors.」ライトアップ
※クリックで拡大(1000×600px/141KB)

 駅を挟んで反対側の八重洲口歩行者デッキ「グランルーフ」は、2012年10月の丸の内赤レンガ駅舎復原完成後も工事が続いていましたが、1年後の2013年9月20日に全ての施設がオープンを迎えました。今回こちらも東京駅開業100周年を記念し、「Tokyo Colors.」というイルミネーションが開催されています。これは駅前広場に向かって斜めに伸びた膜屋根を青や緑にライトアップするとともに、2階の歩行者デッキの床に設置されたオブジェをウェーブ上に点滅させるというものです。点滅のパターンは、デッキ上に設置された28箇所の風速計のデータを元にリアルタイムで変化する画期的なシステムになっています。
こちらのイベントは今年2月14日(土)まで開催中ですので、今も見ることができます。

■“暴動”まで発展した東京駅開業100周年記念Suicaの発売中止とその後
東京駅開業100周年記念Suicaと同じイラストを使用したポスター
東京駅開業100周年記念Suicaと同じイラストを使用したポスター

 本題からは外れますが、東京駅で忘れることができないのが、12月20日(土)に行われた開業100周年記念Suicaの発売中止を巡る顛末です。
 12月20日、東京駅では開業100周年記念イベントの1つとして限定柄のSuica(ICカード乗車券)を発売する予定となっていました。このSuicaは、高校や大学でデザインを学び、現在はJR東日本で車掌を務めている社員がデザインしたもので、南北のドームをイメージした八角形の模様の中に赤レンガ駅舎が描かれています。
 当日はこのカードを1万5千枚用意し、専用台紙を付けて1枚2千円で午前8時から発売する予定となっていました。しかし、駅側の徹夜での待機を禁止する告知を無視して前日夜から列を作る人が殺到し、朝には大手町駅付近まで9千人もの列ができる事態となりました。このため、東京駅では予定よりも45分販売開始時刻を早めましたが、やはり周辺道路に人があふれ返り危険であることから、午前9時40分に発売中止を決定しました。これを受けて、徹夜で並んでいた購入希望者の一部が駅員に激しく詰め寄り、丸の内南口に設けられた販売ブースに雪崩れ込むなど小規模な暴動に発展してしまいました。また、当日購入に成功した一部のカードは、インターネットのオークションに出品(転売)されており、上記のような特殊性から一時いたずら入札により数億円の値が付くという奇妙な現象が発生しました。
 JR東日本では、この件に関してホームページ上にお詫び文を掲出するとともに、インターネットと郵送を利用した記念カードの通信販売を行うことを発表しました。通信販売は、初期製作を10万枚としていますが、それを上回る注文があった場合にはさらに増刷し、希望者全員に販売することとしています。注文受付は本日1月30日(金)10時から2月9日(月)23時59分まで(郵送の場合は当日消印有効)となっており、JR東日本のサイト内に特設ページが設けられています。

注文用サイトはこちら▼
「東京駅開業100周年記念Suica」発売のお知らせ:JR東日本
http://www.jreast.co.jp/suica100/


 ちなみに、筆者は12月20日は元々年1回の合唱団の演奏会があったため、最初からこのカードの購入は諦めていたのですが、一連の事件により「棚からぼた餅」的に購入できることと相成りました。(本記事作成時既に購入申し込みは済ませています。)2012年の記事でも触れましたが、東京駅の人気過熱は向こう数年続くものとみられることから、しばらくは大人数を集客するイベントの開催は難しいものと考えられます。今回の事件も東京駅の新たな歴史(黒歴史?)の一つとして良くも悪くも後世に語り継がれていくことでしょう。

▼参考
東京駅100周年記念 | 東京駅が街になる Tokyo Station City
「東京駅開業100周年記念Suica」の発売について - JR東日本プレスリリース(PDF/45.74KB)
東京駅開業100周年記念Suicaの今後の発売について
東京駅100年、記念スイカで大混乱 販売中止で客怒り  :日本経済新聞
東京駅100周年記念Suica、大混乱で発売中止 早くもヤ
など他多数

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