西武池袋線石神井公園駅高架化・保谷駅改良(2010年2月6日取材)



西武池袋線練馬高野台~大泉学園間では現在高架化工事が進められています。去る、2010(平成22)年2月7日(日)には上り線が高架線に切り替えられました。今回はこの切り替え前日の2月6日(土)に取材してきた現地の様子をお伝えしたいと思います。

■西武池袋線高架・複々線化の概要

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事業区間の地図(Googleマップ)

西武池袋線の練馬区内における高架化工事は地下鉄8号線(有楽町線)との相互乗り入れ計画が発端となっています。この計画を具現化する形で、1971(昭和46)年1月に西武池袋線桜台~石神井公園間の高架・複々線化が都市計画決定され、1994(平成6)年12月には富士見台~練馬高野台間、2000(平成12)年には桜台~練馬間、2003(平成15)年3月には練馬~富士見台間の高架・複々線化がそれぞれ完成しました。この事業の完成により、西武池袋線の輸送力が大幅に増強されたほか、区間内にある合計19か所の踏切が廃止され、開かずの踏切による都市の分断が解消されました。
その後、東京外郭環状道路の計画策定と連動する形で高架化する区間を大泉学園駅まで延長することとなり、2005(平成17)年5月の都市計画変更を経て2007(平成19)年から本格的な工事が開始されました。


2010年1月時点の配線図
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今回高架化される区間のうち、練馬高野台~石神井公園間については2005年頃にすでに複々線分の用地買収が完了しており、今年2月までの工事ではその用地に2線の高架橋を一度に建設し、上り線を高架線に切り替えることとなりました。ただし、練馬高野台駅西側にある地上区間へのアプローチ区間は現時点で内側2線(緩行線)が合流して行き止まりになる仮設の折り返し線となっており、石神井公園駅から続く上り2線(急行1線+緩行1線)の高架橋を直接接続することができません。そのため、練馬高野台駅を出た上り線は暫定的にを1度1線に合流した後、石神井公園駅の手前で再度2線に分かれる形となっています。今後は空いた地上の上り線跡に下り線の高架橋を1線(緩行線)建設し、下り線をその新しい高架線に切り替え、さらに空いた用地に下り線をもう1線(急行線)建設します。
一方、石神井公園~大泉学園間は複線となりますが、高架橋建設に必要な用地買収がまだ完了していません。そのため、用地買収ができた東側半分を1期工事として高架化し、続いて西側半分を2期工事として高架化することとなります。1期工事では6か所の踏切が、2期工事では3か所の踏切が廃止されます。1期工事(練馬高野台~石神井公園間を含む)の完成は2011(平成23)年度、2期工事の完成は2014(平成26)年度をそれぞれ予定しています。

■2010年2月6日の状況
2010年2月6日時点ではすでに新しい改札口なども完成し、後は切り替え部分の線路を接続するだけの状態となっていました。ちなみに、今回訪問の1週間前の2010年1月31日には新しい上り線ホームの見学会も行われていましたが、スケジュール的に厳しく残念ながら参加は見送ることとなりました。


左:練馬高野台駅の石神井公園方。画面奥が上り線の新旧接続地点。14時過ぎだが、すでに作業員が集結し準備を行っている。
右:上り列車から大泉学園方の新旧接続地点を見る。こちらも複線分の軌道が敷設されている。

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今回訪問したのは終電までまだ12時間ほどある13時過ぎでしたが、石神井公園駅前後の新旧接続地点ではすでに作業員が集まり、切り替えの準備と思しき作業が行われていました。切り替え部分の上り線の線路は移設に備えて枕木を固定するバラストが抜かれ、代わりに土のうが詰められており終電通過後すぐに作業に取り掛かれるようになっていました。
なお、大泉学園方の高架~地上のアプローチ部分は仮のもので2期工事が完成した際撤去されます。この部分は取り壊しに備えて小さなコンクリート板を組み合わせたよう壁の内部に土砂を充填した簡素な構造となっています。


左:石神井公園駅の地上ホーム
右:古レールを使用した上屋の柱。刻印には1925(?)の文字が見える。(800*600px)

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高架化工事着工前の石神井公園駅は上下兼用の中線を持つ2面3線のホームとなっていました。この中線は工事の進捗に伴い2007年頃に下り線との接続が断たれ、今回訪問時点では上り線の副本線として機能していました。この地上ホームは上屋の柱に古レールを使用した非常に古い構造物でしたが、今回訪問時は今後の取り壊しに向けてほとんどが仮設の設備となっており、都内では数少ない古レールを使用した上屋が消滅する日も間近に迫っています。


ホーム下の仮設通路
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高架化着工前の石神井公園駅は橋上駅舎でしたが、高架橋建設の支障となるため地下に仮設の通路を作り、そこに数台の自動改札機を置く形の仮駅舎となっています。この仮設通路は中央が駅の南北を行き来するための自由通路、その両側が改札口となっており狭いながらも利用客の流動を考えた構造となっています。
なお、下り線については2月7日の上り線高架化後もこの地下改札口を使用していますが、上り線については高架下に新設された仮設の改札口に移動しています。この2つの改札口は改札内での連絡がないため、入場の際は目的のホームへ通じる改札口かどうかを確認する必要があります。ご利用の際はどうぞご注意ください。


左:駅前ロータリーから見た上り線の高架駅舎
右:その下にある2月7日使用開始の上り線専用の仮設改札口

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練馬区内に住む子どもたちが描いた新しい駅のイラスト

■保谷駅は2面3線化

2面3線化工事中の保谷駅

一方、石神井公園駅の2つ先の保谷駅では今回の高架化工事とは直接関連はありませんが、ホームを2面3線に拡張する工事が進んでおり、来る2010年3月21日(土)から使用が開始される予定となっています。これは車庫がある保谷駅のホームに折り返し機能を持たせることで地下鉄有楽町線・副都心線、さらに再来年に予定されている東急東横線との直通運転に際して列車遅延時のダイヤ混乱の拡大防止・早期収束を図るためのものです。今回の切り替えでは上り線を新ホームに切り替えるだけとなるため、今後は2面3線化に向けた分岐器(ポイント)の挿入や下り線ホームの改良などの工事がおこなわれるものと思われます。

▼参考
池袋線連続立体交差事業・複々線化事業のご案内:西武鉄道Webサイト
3月21日(日)初電車より保谷駅新上りホーム供用開始:西武鉄道Webサイト
練馬高野台駅~石神井公園駅付近の上り線を高架化|東京都 このエントリーをはてなブックマークに追加
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コメント

西武池袋線の立体交差の完成まで我慢
西武池袋線は立体化の工事が進んでる。東京メトロ副都心線と有楽町線の2線が同時に西武と乗り入れしてるからだ。話は別だけど東京メトロ副都心線と有楽町線のダブルが東武東上線と乗り入れしてるのが当たり前なんだ。西武池袋線は踏切区間が続き、交通渋滞が大きな問題となってるため、立体交差にするにはお金もかかり、完成するまで何年もかかるので我慢するしかない。池袋~西武秩父間の西武レッドアロー号やSLのパレオエクスプレス号が活躍する秩父鉄道の御花畑~長瀞間と御花畑~三峰口間に西武の車両が乗り入れとなるんだ。
2010/06/08 21:48 | URL | 投稿者:タクロウ [編集]
Re: 西武池袋線の立体交差の完成まで我慢
タクロウさま>
練馬区内で交通量が特に多い環状7・8号線と西武線との交差部はすでに高架化が完了していますが、今回の石神井公園駅までの高架化によりさらなる踏切の減少と交通渋滞の緩和が実現する見込みです。
もう1点、有楽町線と副都心線の2線が同じ線路を使って直通するすることから線路容量の拡張が必要なのは確かですが、現在の本数ではこれ以上の複々線化はする必要は無いと見てよいでしょう。むしろ問題が深刻なのは西武線(練馬)方面・東武線(和光市)方面2系統が合流し、有楽町線・副都心線が分岐する小竹向原駅の平面交差です。こちらについては現在トンネルの立体交差化に向けた検討が進められており、近々工事が開始される予定です。
2010/06/18 22:04 | URL | 投稿者:takuya870625(管理人)
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