東京メトロ05系リニューアル車

東西線05系B修車

東京メトロ東西線では、混雑緩和のため新型車両15000系の導入を進めています。この15000系導入と並行して、現在使用されている05系の大規模リニューアルや、余剰となった車両の他線転用も実施されています。今回はその05系大規模リニューアル(B修)施工車両と、千代田線北綾瀬支線に転用された車両について解説します。

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東京メトロ東西線15000系(2011年8月13日作成)

■営団(東京メトロ)05系電車の概要
東京メトロ東西線の歴代車両。左から07系、05系後期車(05N系)、05系初期車、5000系スキンステンレス車、5000系アルミ車。
東京メトロ東西線の歴代車両。左から07系、05系後期車(05N系)、05系初期車、5000系スキンステンレス車、5000系アルミ車。2007年1月27日、深川車両基地「さようなら東西線5000系車両撮影会&工場見学会」にて撮影

 営団(東京メトロ)05系電車は、沿線の宅地開発により混雑が悪化し続けていた東西線の輸送力増強、ならびに東西線開業当初から使用されてきた5000系電車の置き換え用として1988(昭和63)年から2004(平成16)年にかけて製造されました。16年もの長きにわたり製造されたことから、以下のように製造年次により様々な仕様が存在します。

●1~4次車(第1~13編成)
05系第9編成(現在はインドネシアに譲渡)。
05系第9編成(現在はインドネシアに譲渡)。2006年5月1日撮影

同時期に製造が進められていた日比谷線03系をベースにした車両で、高周波分巻チョッパ制御(5M5T)、アルミ合金製20m車体に通常幅(1.3m)のドアの組み合わせ。フロント部分はスピード感を強調した流線型となっている。車内は壁や天井がベージュで、座席はピンク色のモケットを使用し、床は着席時の足の投げ出しを防止するため両側を濃いグリーンに色分けしている。(その後05N系と同じものに張り替えられている)運転台は従来車と操作性を統一するためツーハンドルとなっている。

●4次車(第14編成)・5次車(第15~18編成)
B修施工前の05系第14編成。運転室直後のドアを除き幅1.8mのワイドドアになっている。
B修施工前の05系第14編成。運転室直後のドアを除き幅1.8mのワイドドアになっている。2007年2月23日撮影

東西線は激しい混雑により各駅で乗降に時間がかかり遅延が発生していたことから、その低減を狙って運転席直後以外のドア幅を1.8mに拡大したワイドドア車となった。ドア部分の拡大に伴い車体の設計も大きく見直され、戸袋窓が付いた。第14編成のみ同時期に製造が進められていた南北線9000系と同じGTO素子を使用したVVVFインバータ制御(4M6T)を採用。実際の運用の結果、ワイドドア車は乗降に時間がかかり却って遅延が増大すると判断されたため、第18編成をもって製造は一旦打ち切られた(その後2010年に15000系で投入を再開)

●6・7次車(第19~24編成)
05系第24編成は5000系の廃車体からリサイクルしたアルミ合金が使用された「アルミリサイクルカー」。 05系6・7次車の車内(床材交換後)。
左(1):05系第24編成は5000系の廃車体からリサイクルしたアルミ合金が使用された「アルミリサイクルカー」。2006年6月23日撮影
右(2):05系6・7次車の車内(床材交換後)。2011年6月30日撮影


千代田線06系(現在は廃車済み)をベースにしており、車体は4人席-ドア-6人席-ドア-7人席-ドア-6人席-ドア-4人席という不均一な割り付けに変更された。制御装置はIGBT素子を使用したVVVFインバータ制御(4M6T)。第24編成は車体部品に廃車となった5000系5453号車からリサイクルしたアルミ合金が使われている「アルミリサイクルカー」となっている。5000系のうち、冷房を搭載しておらず特に老朽化が進んでいた編成の淘汰が完了したため、増備はこれより5年間休止する。

●8~10次車(第25~33編成)
05系第33編成。フロント部分のデザインが大きく変更された。
05系第33編成。フロント部分のデザインが大きく変更された。2006年5月1日撮影

1999(平成11)年より増備が再開された05系は、初期車の登場から10年が経過したため、車体設計を一新した。フロント部分は曲面を多用し、ライト類を左右にV字型に配置することで初期車とは違うスピード感を演出した。これ以降に製造された車両は「05N系」とも呼ばれる。車内はJR東日本の新系列車両などで主流となりつつあった壁のみで支持する片持ち座席となり、カラースキーム茶色やグレーなど暗めの色中心に変った。運転台は乗り入れ先のJR東日本では主流となりつつあった左手操作のワンハンドルとなり、車両の各機器を監視するモニターも高機能化された。制御方式はIGBT素子のVVVFインバータで変わりはないが、装置のメーカー・冷却方式などが頻繁に変化している。

●11・12次車(第34~39編成)
同時期に製造されていた半蔵門線08系の設計を取り入れた。車体は、2000年に発生した日比谷線脱線衝突事故の反省から大型中空押し出し材を使用したダブルススキン構造となり、各車両の角は柱を追加して車体強度を向上し、台車についても急カーブ走行時の輪重変動を抑える装置が追加された。ドアの間隔は3人席-ドア-7人席-ドア-7人席-ドア-7人席-ドア-3人席の等間隔レイアウトに戻り、ヘッドライトはシールドビームから高輝度放電灯(HID)に変わった。また、08系と設計共通化のためMT比も5M5Tに戻り、設計最高速度は120km/h(従来車は110km/h)に向上した。

●13次車(第40~43編成)
05系最終製造編成である第43編成 共通設計の東葉高速鉄道2000系
05系最終製造編成である第43編成(左・1)と共通設計の東葉高速鉄道2000系(右・2)。2006年5月1日撮影

日立製作所のアルミ合金車体工法「A-train」を採用し、2003(平成15)年に日本鉄道車輌工業会が制定した「通勤・近郊電車の標準仕様ガイドライン」に順処した設計となった。「A-train」は、アルミダブルスキン車体、摩擦撹拌溶接(FSW)、モジュール化された内装技術などの総称で、部品点数の削減、製造期間短縮、作業者の技能によらず高い仕上がり精度が得られるなどのメリットがある。この頃東西線では、列車増発のため信号システムのCS-ATC化を進めており、直通先の東葉高速鉄道でも車両置き換え(2000系投入)を計画していたことから、一括発注を実施しコストダウンを図った。なお、当初05系はさらに数本増備を計画していたが、副都心線開業に伴う有楽町線の一部駅へのホームドア設置に伴い、同線で使用できなくなった07系を転用することとしたため、これを以って製造完了となった。

 東西線ではその後も混雑の悪化が続き、その打開策として再度ワイドドア車の投入が決断されました。ちょうど05系初期車は車体更新の時期を迎えていたことからワイドドアの新形式として15000系が製造され、05系の第1~13編成は2010年から2011年にかけて順次置き換えられました。引退した車両は、一部が後述する千代田線北綾瀬支線に転用された以外は廃車になっており、インドネシアに輸出された車両もあります。

■東西線向け大規模リニューアル(B修)施工車両
05系第14編成のB修施工後。
05系第14編成のB修施工後。2015年8月22日撮影

 初期製造の05系が廃車になる一方、第14~18編成のワイドドア車については前述の理由から今後も使用が継続される予定となっています。東京メトロでは、車両寿命の半分(概ね25年程度)を目安に「B修」と呼ばれる大規模リニューアルを行っており、05系ワイドドア車についてもちょうどその年数に達していたことから、その工事を施工することになりました。内容は以下の通りとなっています。

※この先画像が17枚(715KB)あります。画像はスクロールに従って自動で読み込まれます。(JavaScriptが有効の場合のみ)データ容量にご注意ください。

●車体外観
フルカラー化された側面の行先表示器と大型化された冷房装置 シングルアーム型に交換されたパンタグラフ。
左(1):フルカラー化された側面の行先表示器と大型化された冷房装置
右(2):シングルアーム型に交換されたパンタグラフ。2015年6月29日撮影


 車体構体については大きく変更された点はありませんが、各先頭車前面下には大型の排障器(スカート)が追加されました。排障器は05系の平面的な先頭形状にマッチするよう直線的なデザインとなっています。前面・側面の腰部に配されているラインカラーは05N系に合わせて上段の青の濃度がやや濃いものに変更されています。
 前面・側面の行先・列車番号表示器は従来の3色(赤・橙・緑)LEDからフルカラーLED(フルカラー対応は列車種別表示範囲のみで他は白単色)に変更しました。15000系と同様列車種別・行先に加え、他社線に直通する場合はその路線名を交互に表示します。高速走行中は消灯する機能も付いており、省電力化とLED自体の長寿命化を図っています。
 この他、屋根に搭載されている冷房装置は42000kcal(48.8kW)から50000kcal(58.1kW)に能力が向上した新製品に換装され、装置の外形もかまぼこ型から平面的な形状に変化しています。また、パンタグラフは各電動車1基ずつの搭載となり、ひし形からシングルアーム型に換装されました。(後述する通り動力車の連結位置は編成全体に分散するよう変更されている。)

●車内
東西線B修車の車内。15000系に似た配色となり、各座席の袖仕切りが大型化された。 各ドア上部に新設された液晶ディスプレイ。
左(1):東西線B修車の車内。15000系に似た配色となり、各座席の袖仕切りが大型化された。
右(2):各ドア上部に新設された液晶ディスプレイ。2015年8月22日撮影


 車内は、15000系と同じホワイト~ライトグレー中心のカラースキームとし、床材は耐火性に優れるゴム系の材料に張り替えられました。座席両端の袖仕切りは、着席客の腕と立席客の尻が触れてしまうのを防止するため、網棚と一体化した元の形状を生かしつつ大型化した新製品に交換されています。また、2・9号車には車椅子スペース、各ドア床には黄色の注意喚起ライン、6人掛け座席の中央には立ち上がる際握れる手すり(スタンションポール)をそれぞれ設置し、優先席部分は吊革の高さを1660mmから1580mmへ下げるなどバリアフリー化も実施されています。 
 さらに、各ドア上部には15000系で採用された17インチワイド液晶ディスプレイ2画面とドア開閉時に赤色に点滅するLEDが埋め込まれています。液晶ディスプレイはこれまでと同様左側が広告動画、右側が次駅・乗り換えなどの案内となっており、千代田線16000系丸ノ内線02系更新車と同様三菱電機の映像描画技術「Sesamicro(セサミクロ)」を利用した滑らかなアニメーション表示が可能です。この他、車内の各所に設置されている非常通報装置が警報式から通話式に変更されています。これにより、東西線を走る車両は非常通報装置がすべて通話式になりました。

●運転台
東西線B修車の運転台。15000系と同様の左手ワンハンドルマスコンである。
東西線B修車の運転台。15000系と同様の左手ワンハンドルマスコンである。2015年8月22日撮影

 運転台は既存の2ハンドルの機器を全て撤去し、15000系に準じた左手ワンハンドルマスコンに交換されました。操作性統一のため、ハンドル以外の機器配置についても極力15000系に合わせられています。コンソールにあるモニター(TIS)は、後述する通り編成全体でのブレーキ指令などの機能を追加したことから、信頼性を向上するため従来の各車両直列接続から2重ラダー(ハシゴ型)接続へ機能が強化されました。このTISには省令改正により搭載が義務付けられた運転状況記録装置の機能も含まれています。
 この他、運転台貫通扉上部には地上とデータの通信を行うための送受信機が新設されています。この送受信機を追加したため、前面の車番表記が貫通扉窓上から窓下に移動しています。

●駆動システム
PMSM化により載せ替えられたVVVFインバータ装置。千代田線16000系と同等品。 PMSM化に伴う編成構成の変更図
左(1):PMSM化により載せ替えられたVVVFインバータ装置。千代田線16000系と同等品。
右(2):PMSM化に伴う編成構成の変更図


 駆動システムはVVVF制御車(第14編成)・高周波分巻チョッパ制御(第15~18編成)ともに既存のものを撤去し、千代田線16000系と同じ永久磁石同期電動機(PMSM)とIGBT素子を使用したVVVFインバータの組み合わせに全面換装されました。モーター出力は205kW、ギア比は7.79(109:14)で16000系と同じです。PMSMでは1つのモーターに対し1個のコントローラを割り当てる必要がありますが、16000系やこの05系B修車では2個のコントローラで1個の冷却器を共用する「2in1型」とすることで装置の大型化を回避しています。PMSMの採用によりモーターのエネルギー効率は従来の92%から96%へアップしています。
 PMSM化に合わせて、ブレーキ装置も全面的に更新されTISを通じて編成全体でブレーキ力を計算するよう変更されました。これにより、電動車の回生ブレーキをフルに活用することが可能となり、回生電力量の増大による省エネルギー化やブレーキシューの摩耗軽減が図られています。なお、B修施工前の第14編成は動力車が編成両端(2・3両目と8・9両目)に偏った編成構成となっていましたが、電動車のブレーキ負担率が上がったことから、元の編成構成のままだと4両連続した付随車から発生する慣性力により連結器に掛かる圧縮荷重が限界を超えてしまう恐れがあります。(簡単に言うとブレーキが効かない車両に追突される状態になる。)そのため、付随車が編成全体に分散するよう連結位置が変更されています。
 台車については基本構造の変化はありませんが、東西線は東京メトロ各線の中でも特に混雑が激しいことから、耐久性をアップするため台車枠の補強が実施されています。

●その他
 冷房装置の性能向上や、車内の液晶ディスプレイ設置に伴い消費電力が増大しているため、補助電源装置(静止型インバータ)や停電時に使用するバッテリーの容量アップが図られています。また、ブレーキなどに使用する圧縮空気を作るコンプレッサーは従来のレシプロ式から副都心線10000系などで実績のある除湿装置などが一体化されたスクロール式に換装されています。従来のコンプレッサーは騒音低減のため駅停車中は動作させない制御をしていましたが、スクロール式は低騒音であるため圧力の減少のみで動作するよう変更されています。

■千代田線北綾瀬支線転用車両
2014年で引退した千代田線北綾瀬支線の5000系。
2014年で引退した千代田線北綾瀬支線の5000系。2008年1月6日撮影

 千代田線は綾瀬駅から分岐する形で車両基地の入出庫線があり、この一部(綾瀬~北綾瀬間)が支線として旅客営業しています。この北綾瀬支線は3両編成がワンマン運転されており、長らく6000系の1次試作車(通称「ハイフン車」)や東西線などで余剰となった5000系を短縮改造したものが使用されてきました。しかし、これらの車両も製造から半世紀以上が経過して補修部品の調達などが困難になりつつあったことに加え、2014年3月のダイヤ改正より運転間隔を15分から10分に短縮(増発)することになり、車両の増備が必要となりました。このため、前述の東西線で廃車となった05系初期車の一部を短縮・機器類の載せ替えといった改造を行い、北綾瀬支線の全車両を置き換えることになりました。
 北綾瀬支線に転用された05系は、東西線の05系初期車(第1・3・6・13編成)の中から1・2・10号車を流用しています。流用したのは車体と台車のみであり、そのほかの機器については東西線B修車と同様ほぼ全て最新技術を使用した新品に換装されています。以下、東西線B修車と異なる点を中心に見ていきます。

●車体外観
千代田線北綾瀬支線に転用された05系。
千代田線北綾瀬支線に転用された05系。2015年6月25日(以下全て同日)撮影

 外装は千代田線本線を走る16000系と同じ濃度の違うグリーン2色帯とし、ホームドア(可動式ホーム柵)設置路線であるため、窓上にも帯を配しました。前面の運行番号・行先表示器はフルカラーLED化し、行先表示器は行先(綾瀬←→北綾瀬)と「ワンマン」の文字を交互に表示します。また、側面の行先表示器は1駅間のみの運転で不要と考えられることから板で塞ぎました。

前面の行先表示は運転区間と「ワンマン」の文字を交互に表示。 前面の行先表示は運転区間と「ワンマン」の文字を交互に表示。 1区間しか運行しないため側面の行き先表示は塞がれた。
左・中(1・2):前面の行先表示は運転区間と「ワンマン」の文字を交互に表示。
右:1区間しか運行しないため側面の行き先表示は塞がれた。


●車内
北綾瀬支線05系の車内。16000系と同様の配色になっている。 1区間しか運行しないが、ドア上部のディスプレイは2画面とも通常サイズ。
左(1):北綾瀬支線05系の車内。16000系と同様の配色になっている。
右(2):1区間しか運行しないが、ドア上部のディスプレイは2画面とも通常サイズ。


 車内は16000系と同様の壁がアイボリー、床・座席は青というカラースキームになっています。2号車の綾瀬寄りには車椅子スペースを設置しています。各ドア上部には東西線用と同じく液晶ディスプレイ2画面とドアの開閉予告ランプ(赤色点滅)を設置しています。丸ノ内線02系や半蔵門線8000系の更新車では、右側のディスプレイが小型化されている車両がありますが、この北綾瀬支線の05系は1区間しか運行しないにも関わらず2画面とも通常サイズになっています。北綾瀬支線では、綾瀬駅・北綾瀬駅ともに同じ側(綾瀬駅に向かって右側)にしかホームが無いため、ドア下の黄色い注意喚起板はホームがある側のみに設置されています。

▼脚注
※:コイト電工「パッとビジョン」


●運転台
北綾瀬支線05系の運転台。15000系の運転台をベースにワンマン運転機器が追加されている。 貫通扉上部にあるホーム監視用ミリ波無線送受信機。赤い丸で囲んだのがホーム側のアンテナ。
左(1):北綾瀬支線05系の運転台。15000系の運転台をベースにワンマン運転機器が追加されている。
右(2):貫通扉上部にあるホーム監視用ミリ波無線送受信機。赤い丸で囲んだのがホーム側のアンテナ。


 運転台は東西線用と同様2ハンドルから左手ワンハンドルマスコンに交換されました。ATOを使用したワンマン運転に対応するため、コンソール下には出発ボタンやドアの開閉ボタン、運転台上部にはホームを監視するモニターが設置されています。前述の通りホームが片側にしかないため、ドアの開閉ボタンについてはホームが無い側のボタンが省略されています。
 また、ホーム監視もモニターは副都心線などとは異なり伝送方式を設置免許が不要なデジタルミリ波方式としており、送受信機が運転台貫通扉上部に埋め込まれています。この送受信機を設置したため、東西線用と同じく前面の車番は貫通扉窓上から窓下に移動しています。

●駆動システム
千代田線北綾瀬支線05系の編成構成
千代田線北綾瀬支線05系の編成構成

 駆動システムは、従来の高周波分巻チョッパ制御から三菱電機製SiC(シリコンカーバイド)モジュールを使用したVVVFインバータ制御に全面的に換装しました。SiCインバータシステムは2013年1月から東西線15000系でテストが行われていたもので、この05系北綾瀬支線用車に加え、銀座線1000系(3次車以降)、千代田線16000系(4次車以降)でも採用されています。SiCの採用により、従来よりもスイッチング周波数を高くすることができ、静音化やモーターでの電力損失の低減や回生ブレーキ領域の拡大による省エネルギー化が図れました。モーターについては、日比谷線03系更新車と同じ出力185kWのかご型三相交流誘導電動機を採用し、予備品共通化によるコストダウンを図っています。
 なお、電動車は綾瀬方の2両となっていますが、このうち各車両の3軸目はモーターが搭載されておらず、編成全体でのMT比は1.5M1.5T相当となっています。台車についてはモーター搭載の有無に関わらず廃車部品を利用して全て動力台車(SS112B)に統一されています。

 千代田線北綾瀬支線では当初予定通り2014年春から05系の営業運転が開始され、6000系・5000系は引退しました。一方、東西線05系のB修は、2013年に第14編成に施工されたのを皮切りに、2014年には第18編成、2015年には第16編成にも施工されました。残る第15・17編成の施工が完了すると、東西線はすべての車両がVVVFインバータ制御車になります。この他にチョッパ制御車が運用されていた半蔵門線や丸ノ内線では搭載車両の廃車や更新により消滅、現在運用中の銀座線・日比谷線でも新型車両への置き換えが決定しており、東京メトロ所有の車両からチョッパ制御・直流モーター車両が完全消滅するのももはや時間の問題といえそうです。

▼参考
東西線05系車両大規模改修の概要 - R&M 2013年1月号20~27ページ
千代田線転籍車改造工事の概要 - R&M 2014年5月号18~23ページ
東西線05系|東京メトロ
東西線05系new|東京メトロ
東京地下鉄05系14編成が更新。|編集長敬白|鉄道ホビダス
東京メトロ 千代田線05系更新車登場。|編集長敬白|鉄道ホビダス
東京地下鉄 北綾瀬支線用05系電車

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