真木よう子氏コミケ出展中止騒動に思うこと(1/2)

カテゴリ:雑記 | 公開日:2017年08月31日05:17
今週、女優の真木よう子氏が来る12月に開催されるコミックマーケット93への出展を中止させられるという事件がありました。ブログの主題から外れるため、普段こういった件に関しては滅多にツッコむことは無いのですが、この件は自分にも深く関係することが多々あるため、先行きを憂慮し見解を述べておきます。思いついた順に書いているため口語体・文語体がごちゃ混ぜになっていたり、誤字脱字が多々ありますがお許しください。

■真木よう子氏がやろうとしたこと
 彼女自身が被写体となったオリジナルのフォトブック(写真集)の制作である。作品の仕様はA5サイズで320ページ、内容は現時点では未定で、制作費はクラウドファンディング(CAMPFIRE)により800万円を募る計画となっていた。支払われた支援金は撮影料、印刷費、原稿料、校閲・編集者への報酬などに使われることが明記されていた。また、資金を支払ったパトロン(支援者)への返礼品としては

完成したフォトブック
金額に応じたグッズ
撮影ロケ地の決定権


などが挙げられていた。

▼参考
真木よう子、フォトマガジン出版プロジェクト。 - CAMPFIRE(キャンプファイヤー)

■非難の嵐、そしてプロジェクトは中止へ
 このプロジェクトが明らかになるや否や、オタク層からは激しい非難の声が上がった。その非難の内容は、内容が未確定なまま参加申し込みをしていること、クラウドファンディングで制作費を募ること、実質的な制作を他社に丸投げしているなどの実施方法に関するものから、そもそも芸能人がコミックマーケットにサークル出展するべきではないという感情論まで枚挙にいとまがない。
 こうした非難が続く中、匿名掲示板の2ちゃんねるでは真木よう子氏のTwitterから送られてきたDM(ダイレクトメッセージ)と称するスクリーンショット※1が掲載された。それによれば、真木よう子氏自身はかねてから写真集の制作を希望していたものの、事務所の意向により却下されており、事務所を通さずに独自に制作することを思いついたこと、コミックマーケットに造詣の深い編集者とカメラマンの協力が得られたことが今回の出展のきっかけであることが書かれている。ここで上がっている編集者はCAMPFIREのサイト内にも名前が公表されていた人物であるが、この人物は奇しくも8月末で出版社を退職し、独立起業する事が決まっていたことから、「クラウドファンディングは実質的に起業のための資金集めではないか」との批判も起きた。
 また、非難の声の中には真木よう子氏がコミックマーケットに関して全くの未経験であることを理由にした主張もあった。これに関してはCANPFIREの活動報告ページにおいて、8/12(土)にコミックマーケット92の会場に赴いて調査を行っており、必要な対策は取ると反論している。
その後真木よう子氏は、Twitterのアカウントを非公開化したうえでアカウント名を「????騙された????」という文字列に変えるなど不穏な行動に出た後、アカウント自体を削除してしまった。続いてコミックマーケット93への出展中止を表明、さらにクラウドファンディングの受付も中止され、プロジェクトは完全に中止に追い込まれるという結末を迎えた。

▼脚注
※1:スクリーンショットは容易に捏造が可能であるうえ、関係者からも直接の説明は無いためこのDMは怪文書の域を出ない。


■確実に問題があった部分
 真木よう子氏のプロジェクトの何が問題だったのか?まず確実に言えるのは「写真集の内容が一部未定のまま申し込みやクラウドファンディングを開始してしまった」ということである。コミックマーケットのサークルは、まず参加申し込み時に頒布物の大まかな内容を説明し、それに応じてジャンルが近いサークルを同一箇所になるよう配置していく。ジャンルコード(数字)が振られているのもこのジャンルが近いサークルをまとめるためである。内容が曖昧な状態ではこのサークル配置ができず、そもそも申し込んでも書類不備として落選する可能性が高い。
 また、今回はクラウドファンディングで事前に制作費を募るのだから、支援者は作られる作品に関して納得したうえで支援金を支払う必要がある。ここで作品の内容が未定では自分の支払った支援金がどのような形に化けるのか想像がつかず、怖くて出資ができない。
 このように制作以前の段階で問題を抱えていた点については、批判されても仕方が無い状態だった。

■問題だったのか疑問な部分
 フォトブックの内容よりもはるかに厳しく追及されていたのが「そもそも商業展開が容易な芸能人がコミックマーケットに出展することの是非」であった。これに関しては写真集の内容が未定でもあったこと、本人がクラウドファンディングの募集ページ上で「ファンとの交流」を主目的にしているともとれる記述をしていたことから、「売名行為である」と判断され火に油を注ぐこととなった。
 ここでコミックマーケットの出展規定を確認してみることにする。本件に関係しそうなのは営利活動や法人としての出展に関する規制の部分である。


コミックマーケットはアマチュアのための展示即売会です。法人、営利目的などの団体の参加は基本的にお断りします。


コミックマーケット92サークル参加申込書セット 1ページ「コミックマーケット92」参加ご案内

■同人誌に関するお願い
同人誌を取り巻く環境が変化した結果、同人活動と商業活動の区別は曖昧になりつつあります。しかし、同人誌をはじめとする同人活動が趣味であることを基本とした、個人・グループが発行・制作することによる自己表現であることに変わりはありません。コミケットは表現の可能性を追求することを目的としています。コミケットの理念を理解し、過度に営利を追求する活動は慎んでください。以下の参加・活動については、コミケットの理念に反するため認められません。

●法人がサークルとして参加すること。
●法人が発行・制作した本・グッズ等を頒布すること。
●制作資金を法人が負担した本・グッズ等を頒布すること。
●商業媒体において、単なる紹介ではなく連動企画として取り上げられるような本・グッズ等を頒布すること。


※発行・制作の過程において企業の協力を得ることはかまいませんが、同人活動の一環として行ってください。

コミケットアピール92 7ページ

このようにコミックマーケット準備会では、過度に営利を目的としたり、法人がサークルとして出展することは原則として禁止している。(ただし、後述の通りこの規制はかなり曖昧になりつつある。)
 真木よう子氏の場合、先に述べたスクリーンショットにおいて、写真集の刊行に関して事務所との軋轢があり、それを逃れるため企画したと言及していたこと、CAMPFIREのページにおいても一般書店では販売しない旨を表明しており、表向きには個人の自主製作という形を取っている。ただ、「姿・形が商品」である芸能人はプライベートを含めたかなりの行動が所属事務所によって拘束されており、例え個人が刊行した写真集といえど事務所の許可を得ず、一切の金銭収受をすることなく売ることが認められたかは疑問である。
 芸能人のコミックマーケット出展の例としては、この夏のコミックマーケット92における叶姉妹の出展がある。こちらも個人サークルとしての出展という扱いであり、出展自体に関しては特に批判も無くむしろマスコミでも大々的に報道されるなど歓迎ムード一色であった。しかし会期後開始された事後通販を見れば、法人であるポニーキャニオンのサイト上で実施されており、実態は個人としてではなく法人がバックでいろいろと操りながら実現した企画であるのは明らかだった。
 このように芸能人は所属事務所との契約形態上、完全な個人独立という形でコミックマーケットに出展することはほとんど不可能に見える。今後も出展を認め続けるならば、間接的にしろ法人が関わることは容認せざるを得なくなる。先に示した出展規程を厳密に適用するならば、あれだけ持ち上げられていた叶姉妹ですら「違反」である可能性が高いのだ。だが、「不思議なことに」今回目の敵にされるのは真木よう子氏のみであり、叶姉妹やその他の芸能人についてこの矛盾点を指摘する論調は驚くほど少なかった。不思議なことに…(棒

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テーマ:同人活動 ジャンル:サブカル

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