東京メトロ千代田支線北綾瀬駅ホーム延伸工事(2017年9月20日取材)

カテゴリ:鉄道:建設・工事 | 公開日:2018年02月16日07:22
千代田線本線用の16000系(左)と支線用の05系(右)

東京メトロは2018年度を目標に千代田線北綾瀬支線のホームを現行の3両から10両対応に延長し、千代田線本線との直通運転を開始することを発表しました。現在北綾瀬駅ではホーム延伸工事が進んでいます。昨年9月にこの工事について再調査を行いました。少し時間が経ってしまいましたが、この工事の現状についてお伝えします。

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東京メトロ千代田支線北綾瀬駅ホーム延伸工事(2016年6月4日取材)(2016年8月21日作成)

■東京メトロ千代田線と北綾瀬駅10両化工事の概要
ホーム延伸工事着工前の北綾瀬駅入口
ホーム延伸工事着工前の北綾瀬駅入口。2015年6月25日撮影

 東京メトロ千代田線は、東京都渋谷区の代々木上原駅から足立区の綾瀬駅に至る全長21.9kmの「本線」と、綾瀬駅から分岐して北綾瀬駅に至る全長2.1kmの「支線」により構成される地下鉄路線です。「本線」は全列車10両編成で運転され、代々木上原駅から小田急小田原線、綾瀬駅からJR常磐線へ相互直通運転を行っています。一方、「支線」は元々北綾瀬駅の先にある車両基地(綾瀬検車区・工場)への入出庫線の一部を営業線に転用したもので、開業以来終日3両編成の支線専用編成で運行しています。
 北綾瀬駅が位置する足立区中心部かつてほとんどが農地となっており民家もまばらな未開の地となっていました。北綾瀬駅開業により都心方面への利便性が大きく高まったことから、これらの農地は次々と住宅に転用され、開業から半世紀が経過した現在の北綾瀬駅の乗降客数は、1日当たり約2万9千人と開業当初の4倍に増加しています。

千代田線と直通運転を行っている小田急電鉄の4000形電車 完成間近の小田急線下北沢駅地下2階緩行線ホーム
左(1):千代田線と直通運転を行っている小田急電鉄の4000形電車
右(2):完成間近の小田急線下北沢駅地下2階緩行線ホーム


 一方千代田線と直通運転を行っている小田急線では、半世紀に渡り続いていた複々線化工事がこの春いよいよ完成を迎えます(詳細は次回以降解説予定)。これに伴い、来る2018年3月17日ダイヤ改正より千代田線との直通運転が現在の2.5倍(最大11本/h)へ大増発され、直通運転の範囲も現在の本厚木駅から伊勢原駅まで拡大されることが決定しています。このような大規模な直通運転においては、遅延や運休発生時に途中駅で運行を打ち切って折り返し運転を行うことが早期のダイヤ正常化に不可欠となります。しかし、現在の綾瀬駅は都心方向へ直接折り返しが出来る線路が2・3番線1本しかなく、ダイヤが大幅に乱れた際もJR常磐線との直通運転を打ち切って列車を都心方向へ戻すことが難しくなっています。

北綾瀬駅10両化と関連改良工事のイメージ
北綾瀬駅10両化と関連改良工事のイメージ

 この問題を解決するため、2014年2月に東京メトロは北綾瀬駅のホームを10両編成対応に延伸し、本線との直通運転を可能にすることを発表しました。北綾瀬駅が10両編成に対応することにより、本線との直通運転が可能になり乗換えが不要になることに加え、異常時には綾瀬駅の折り返し機能を補完することが可能となり、ダイヤの早期回復が期待できます。このホーム延長に合わせて、北綾瀬駅ではホーム綾瀬駅側・終端側にも改札口を増設し、駅周辺からのアクセス性向上も図る計画となっています。10両編成の乗り入れ開始は2018年度末の予定です。

■ホーム本体の建設が進む
 北綾瀬駅のホーム延長工事は2015年夏頃より本格的に着工しています。今回は昨年(2017年)9月20日に調査した現地の様子をお届けします。(時間が経過しているため、現在はさらに工事が進んでいるものと思われます。あらかじめご了承ください。)

北綾瀬駅ホーム端から綾瀬駅方向を見る。新しいホームの床面が完成している。 高架下から新しいホームの高架橋を見る。
左(1):北綾瀬駅ホーム端から綾瀬駅方向を見る。新しいホームの床面が完成している。
(同じ場所の過去様子:2015年6月25日/2016年6月4日
右(2):高架下から新しいホームの高架橋を見る。


 北綾瀬駅の10両化は、現在のホームを綾瀬駅方向へ7両分(135m)延長することにより行われています。新ホームの予定地の高架下にはショッピングセンター(メトロセンター)がありましたが、着工前の2015年春までに全てのテナントが退去し、建物自体も解体されています。跡地では新ホームの高架橋建設が進められており、昨年9月時点では床面までおおむね完成した状態となっていました。今後は屋根の設置が進められます。なお、ショッピングセンター部分の高架橋は耐震補強が未施工になっていたことから、新ホームの建設と合わせてその工事も実施される予定です。

しょうぶ沼公園内の新改札口予定地。2016年には仮設の展望デッキを設置し、工事のPRイベントも開催された。 既存の高架橋に沿って新ホームの高架橋が建設されている。
左(1):しょうぶ沼公園内の新改札口予定地。2016年には仮設の展望デッキを設置し、工事のPRイベントも開催された。
右(2):既存の高架橋に沿って新ホームの高架橋が建設されている。


 新ホームは駅南側にある足立区立しょうぶ沼公園の中にも進入しています。新ホームの綾瀬駅側には公園内に降りられる改札口・階段・エレベータが設置される予定です。2016年6月の花菖蒲の開花シーズンに合わせて開催されたイベントでは、この新改札口の予定地に仮設のデッキが設けられ、工事現場を見学することができました。(イベントの様子は前回の記事を参照)イベント終了後デッキは撤去され工事箇所は完全に柵で覆われたことから、内部の様子はほとんど見ることはできなくなっていますが、既存の高架橋に沿って新ホームの高架橋が建設されていることは確認できます。

ホーム端から車両基地方向を見る。ここにも新しい改札口が設置され、環状7号線の向こう側へ直接出られるようになる。
終端側改札口と歩道橋新設のため、既存の駅舎は一部が取り壊された。
環状7号線反対側の階段・エレベータ予定地。
左(1):ホーム端から車両基地方向を見る。ここにも新しい改札口が設置され、環状7号線の向こう側へ直接出られるようになる。
右上(2):終端側改札口と歩道橋新設のため、既存の駅舎は一部が取り壊された。
右下(3):環状7号線反対側の階段・エレベータ予定地。

 一方、ホーム終端側は環状7号線の上空にホームと同じ高さで歩道橋を設置し、ホーム端から環状7号線北側へ直接出られるようにする予定になっています。この部分は着工が遅れていましたが、今回ようやく基礎の打ち込みなどの工事が開始されているのを確認できました。歩道橋は階段とエレベータが設置されるほか、近傍の高架下には自転車駐輪場が設置されることになっています。歩道橋の支柱は環状7号線南側の既存駅舎内にも設ける必要があるため、既存の駅舎は一部が取り壊されています。

ホームと反対側の高架橋沿いでは商業ビルの建設が進む
ホームと反対側の高架橋沿いでは商業ビルの建設が進む

 ホームと反対側の高架橋沿いには着工前2階建ての商業ビルがありました。10両化に合わせてこのビルについても5階建てに全面改築されることになりました。今回調査時点では新しいビルは外側の足場がほとんど外されて完成に近い状態になっています。ただ、ビルの1階部分は今後10両化に伴う利用者の増加に対応するため駅施設の再配置が予定されており、しばらく工事が続く予定です。

■今後の予定
 前記したとおり、北綾瀬駅への10両編成の列車の乗り入れは2018年度末(2019年春ダイヤ改正)の予定となっています。10両編成の乗り入れ開始に合わせてしょうぶ沼公園内の新改札口も使用を開始します。これ以外の施設については工事に時間を要していることや、着工が遅れた箇所があるため以下のようなスケジュールで完成する予定となっています。

●新ホーム高架下商業施設(旧メトロセンター)→2020年3月完成
●環状7号線側改札口・歩道橋・高架下駐輪場→2020年6月完成
●既存駅施設改修→2020年12月完成(2019年3月一部完成)
●駅ビル(5階建て)→2020年12月完成

10両編成乗り入れ開始後の運行形態については現在のところまだ発表されていません。それらについても今後注目してまいりたいと思います。

▼参考
北綾瀬駅の改良工事を実施します。北綾瀬駅の10両編成対応のためのホーム延伸工事及び出入口の新設を行い、輸送改善及び利便性向上を図ります。 - 東京メトロニュースリリース(PDF/447KB)
中期経営計画「東京メトロプラン2018~「安心の提供」と「成長への挑戦」~」|東京メトロ
交通網・都市基盤整備調査特別委員会 | 足立区議会
→平成29年10月13日会議次第に北綾瀬駅の工事に関する資料

▼関連記事
東京メトロスマイルフェスタ’09 in AYASE(2009年12月5日)(2009年12月27日作成)
→北綾瀬駅先にある車両基地公開イベント。北綾瀬駅が狭いため混雑防止を目的に参加は事前応募制となっている。
東京メトロ千代田線16000系(2012年3月5日作成)
東京メトロ05系リニューアル車(2016年6月17日作成)
→千代田線支線用05系電車について
東京メトロ千代田支線北綾瀬駅ホーム延伸工事(2016年6月4日取材)(2016年8月21日作成) このエントリーをはてなブックマークに追加
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コメント


こんばんは。
こちらの記事、興味深く拝見させて頂きました。
それが必要になる程、乗客が目に見えて増えているようにも感じられず、何故北綾瀬まで直通運転をする必要があるのか、疑問にも感じていました。こちらの記事を拝見しまして納得した次第です。
千代田線と常磐線各駅停車の相互乗り入れは、開業の頃から“迷惑乗り入れ”などとネガティブに捉えられましたが、作られた設備の不完全によるところも大きかったのではないかと思っています。快速に駅のない綾瀬での接続となったこと、その綾瀬駅の容量が小さいこと、JR(国鉄)部分で都内に緩急接続する駅のないこと、様々あります。
北綾瀬を10両対応にすることで、千代田線側の線内折り返しの能力が高まると考えれば、確かにいざというときに役立ちそうに思いました。
風旅記: http://kazetabiki.blog41.fc2.com/
2018/02/18 03:14 | URL | 投稿者:風旅記
コメントの投稿受付は2018年2月28日をもちまして終了させていただきました。詳しくは→こちら

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