京成押上線連続立体交差事業(2009~2010年取材まとめ)

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京成電鉄の創立100周年記念電車について紹介したついでに東京都内の京成線で行われている高架化工事について解説したいと思います。1記事目の今回は墨田区・葛飾区で行われている京成押上線の高架化工事についてです。

■事業の概要

大きな地図で見る

京成押上線連続立体交差事業は京成押上線の押上~八広間1.5km(都市計画事業区間は2.3km)と四ツ木~青砥間2.6km(同2.2km)をそれぞれ高架化するものです。押上~八広間は墨田区内、四ツ木~青砥間は葛飾区内となるため、事業はそれぞれの区ごとに分けて行われます。京成押上線は京成本線と都営浅草線・京急線を接続する重要幹線であり、日中でも列車間隔が平均5分程度と本数が多くなっています。今回の高架化対象区間のうち、京成曳舟駅付近では交通量が非常に多い明治通り(都道306号線)と踏切で交差しており、交通渋滞が深刻になっています。この高架化事業が完成すると押上~八広間で8か所、四ツ木~青砥間で11か所の踏切がすべて解消され、踏切による交通渋滞や地域の分断が解消されます。また、駅施設が狭くバリアフリー化が不十分であった曳舟駅・京成立石駅の駅舎が改良され、だれでも利用しやすい鉄道となることが期待されています。
なお、墨田区側では東京スカイツリーの建設(別記事作成予定)やこの事業と連動する形で、大規模災害が危惧される古い建物が密集した向島・曳舟地区の再開発が計画されています。また、葛飾区側では四ツ木駅付近で幅16mの道路「区画街路4号線」の整備の他、京成立石駅付近では交差する都市計画道路「補助274号線」を幅18mに拡幅することが計画されています。

■2009年5月4日取材

左:京成曳舟駅脇にある明治通りの踏切から青砥方面を見る。下り線の脇で仮線の敷設中。
右:同じ踏切から京成曳舟駅を見る。下り線ホームの脇に新しいホームを建設中。

※クリックで拡大

高架化区間のうち、墨田区側の押上~八広間については1998(平成10)年2月に都市計画決定がなされ、2008(平成20)年ころから本格的な工事が開始されました。また、葛飾区側の四ツ木~青砥間については2001(平成13)年1月に都市計画決定がなされ、現在は用地買収を行っています。(2008年度末現在で65%完了。)
工事はほかの路線の高架化工事と同様、仮線を設けて空いた用地に高架橋を建設するという手順がとられています。昨年訪問時は押上~八広間で仮線の軌道敷設が行われており、京成曳舟駅では使用中の下り線ホームの裏に新しいホームを建設している最中でした。この仮線への切り替えは2009(平成21)年8月29日に行われ、切り替え後は押上~八広間の踏切の横断距離が以前と比べ長くなっています。

■2010年2月6日取材

下り線が仮線化された京成曳舟駅。中央右の架線柱にはすでに上り線ホーム上屋となる梁が設置されている。

2度目の訪問となる2010年2月6日時点では押上~八広間で撤去した旧下り線の跡地を整地して上り線の仮線を敷設する準備が行われていました。なお、京成曳舟駅構内の上り線の架線柱は上下線の間隔が広がったため仮設の鉄骨となっていますが、この鉄骨をよく見ると下り仮線側へ斜めに張り出した部材があるのがわかります。この斜めの鉄骨は今後新設される上り仮線ホームの屋根を支えるための梁になるものと思われます。


八広駅から押上方面を見る。下り線の仮線への切り替え地点は勾配の途中にあるため見えないが、矢印で示した架線柱が1線分で切断されていることからここで上下線間が拡大していることがわかる。
※クリックで元の画像を表示

2009年8月に切り替えられた下り線の仮線は押上~京成曳舟間のほぼ中央(東武亀戸線をオーバークロスする部分)から八広駅の直前まで続いており、高架上にある八広駅へのアプローチ部分は暫定的に3線分に拡幅されています。仮線への切り替え地点は勾配の途中にあるため八広駅のホームからは見えませんが、複線仕様の架線柱が途中から1線分で切断されていることから、この地点から下り線が仮線に切り替わり上下線間が拡大していることが分かります。

この京成押上線高架化工事は押上~八広間が2012(平成24)年度、四ツ木~青砥間が2013(平成25)年度の完成を予定しており、2002(平成14)年に完成した荒川橋梁掛け替えと合わせて京成押上線の施設改良が一通り終了することになります。前者の区間に関しては順調に工事が進んでおり予定通りの完成が実現できそうですが、後者の区間に関しては現在のところ本格的な工事が全く行われておらず、今後3年間での完成はやや難しい情勢となりつつあります。しかし、京成電鉄・葛飾区・沿線住民間での調整は続けられており、そう遠くない将来に京成押上線の姿は大きく変わるものと予想されます。

▼参考
京成電鉄押上線(押上駅~八広駅間)連続立体交差事業 - 東京都都市整備局
京成押上線連続立体交差事業|葛飾区
すみだ区報2009年8月11日号 墨田区公式ウェブサイト
→京成曳舟駅付近の仮線切り替えについて
墨田区都市計画マスタープラン(本編) 〔1〕堤通・墨田・八広地域 〔2〕向島・京島・押上地域 墨田区公式ウェブサイト
→本事業に連動した墨田区での再開発計画について このエントリーをはてなブックマークに追加
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コメント


僕は毎年1月中旬か下旬に葛飾柴又の寅さん記念館へ浅草~柴又間の都営地下鉄浅草線と京成に乗ります。押上~八広間の立体交差が完成するまで仮線で我慢するしかありません。
2010/04/02 22:46 | URL | 投稿者:タクロウ [編集]
Re:
タクロウさま>
おそらく仮線ですと速度制限などもあるでしょうし、しばらくの間はいろいろ不便になりそうです。しかし、高架化で狭かった引船駅も拡張されることと思いますので、便利になるまでの一時的なものとして仰るとおり「我慢」するべきでしょうね。

2010/04/05 19:20 | URL | 投稿者:takuya870625(管理人)
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