馬喰町駅(現地写真(地下)) - 総武・東京トンネル(6)


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■馬喰町トンネル:2km342m18~2km018m98(L=323m20)
▼参考
工事誌(総武線)456・457・566・567・596・597・834~837ページ

●概説
●現地写真(地上)

→以上2項は前回の記事を参照。

●現地写真(地下)

地下1階改札外コンコース

改札口は駅の両端にあり、その間は広い通路で結ばれている。また、東京寄りには都営新宿線馬喰横山駅への連絡通路があり、その先はさらに都営浅草線東日本橋駅にも通じている。冷暖房も完備しているので夏の暑い日や冬の寒い日、悪天候のときは重宝しそうだ。


東京寄りの改札口

駅周辺はオフィス街であるうえ、都営新宿線への乗り換え客は地下4階の連絡口を利用してしまうため、平日の朝夕を除けば利用者はかなり少ない。そのため自動改札機の台数も都内の駅としては少なめとなっている。窓口の駅員氏はヒマそうだ。


「姉妹駅」の記念碑(?)とスタンプ(左下が更新前、右下が現在)

概説の項でも述べたが、馬喰町駅は1991(平成2年)に京葉線の東京地下駅ができるまで国鉄(JR)線内で一番標高の低い駅であった。JR化直後の1988(昭和63)年にはPRの一環として日本一標高が高い小海線野辺山駅(長野県南佐久郡:標高1345.67m)と“姉妹駅協定”を結んでおり、千葉よりの改札口前にはその記念碑が設置されている。その脇には都内の一部駅で設置されている駅スタンプが置かれているのだが、これも2000年頃までは「国鉄で一番低い駅(画像の通りJR化後は『国鉄』を削っている)」と書かれたものを使用していた。


地下1階と地下4階を結ぶエスカレーター

改札口を入るとエスカレーターで地下4階へ降りる形になっている。地下3層を一気に降りるだけにさすがに長い。3本あるエスカレーターは通常両端の2本のみを使用し、朝夕のラッシュ時は中央の1本を時間帯に応じて上下に切り替えて使用するようだ。


地下4階コンコース。左が地下1階改札口へ向かうエスカレーター、右が都営新宿線連絡口

地下4階でエスカレーターは終わっており、そこから地下5階のホームへは階段で連絡している。東京方はここに都営新宿線馬喰横山駅への連絡改札口があり、地下1階まで昇らずに乗り換えられるようになっている。券売機もあり、連絡乗車券・Suica・PASMOいずれを所持していなくても利用可能である。
ちなみに、この連絡改札口の脇はトンネルの送風機室となっているのだが、ダクトスペースが厳しいためか常に地震が起きているのと勘違いしてしまうほど壁や天井が振動している。


地下5階ホーム

地下5階のホームは階段のある両端が箱形(開削)トンネル、中央が上下線の独立したシールドトンネル2本で形成されている。この写真でも途中から壁の断面が円形に変わっているのがお分かりいただけるだろう。このシールド部分は後述するホーム間の連絡路を設置する際部分的に切欠きができるため、当初から補強用の二次覆工(※1)を設置している。また、柳橋トンネルと同様ここでも切欠きの有無によるセグメント応力・ひずみなど違いの測定を行っている。
内装は天井が鉄板の成型材、階段付近の壁は緑色のタイル、シールド部分の壁は驚くべきことに屋外の塀などで使用されるコンクリートブロックである。総武トンネルが建設された当時国鉄はすでに慢性的な赤字経営となっており、コスト削減が最優先課題となっていたことが伺える。一方、線路側は工事誌に掲載されている写真によると完成時は化粧板がなく、地のコンクリートに塗装をしただけの壁面がむき出しになっていた。ホーム端にある銘板を見ると化粧版は塩化ビニル樹脂(※2)と金属板を積層構造にしたもので1984(昭和59)年3月に設置されたようだ。設置の理由は漏水による壁面の汚損が進んだためだろうか?
ちなみに、総武快速線は東京圏輸送管理システム(ATOS)が整備されており、この駅でも駅名放送(「馬喰町、ご乗車ありがとうございます」)が流れる。この放送は線路の勾配による停車の遅れを勘案してか下り線のほうが流れるタイミングが遅くなっているのだが、実際のところE217系のブレーキ性能では3パーミル程度の勾配でブレーキ性能が落ちることはほぼなく、本来停車と同時に流れるはずの駅名放送が発車間際に流れる格好となってしまい、いつも発車ベルに消されてしまっている。

馬喰町駅エレベータ
馬喰町駅東京寄りに新設されたエレベータ。2010年8月14日撮影

なお、2010年に入ってからホーム東京寄りにエレベータが新設された。このエレベータは地下5階のホーム、地下4階の都営新宿線乗換え口と地下1階の改札口をダイレクトに結んでおり、新設に際しては一部の施設の移設が行われた模様である。なお、馬喰町駅の地上出入口はいずれもビルに併設されているためエレベータは設置されていないが、地下で連絡している都営新宿線馬喰横山駅のA4出入口のエレベータを利用することで地上からホームまでのバリアフリー化が達成された。

▼脚注
※1 二次覆工:シールドトンネル内側に補強・止水・防火などのために設置する壁のこと
※2 塩化ビニルは火災時に有毒ガスが出るのだが大丈夫なのだろうか?


ホーム間の連絡路


シールドトンネルとなっている中央部は上下線が独立した構造であるため、そのままでは間違ったホームに出たときいちいち階段近くまで戻ることとなってしまう。それを防ぐため途中に上下線のトンネルを連絡する通路が7箇所設置されている。この部分は山岳トンネルで多く使われている矢板工法(※3)で施工している。この工法の欠点は壁面に埋め込まれた木板が年月とともに腐敗して空洞を造ってしまい、壁面の亀裂や漏水を発生させることである。ここでもその現象がおきているようで、導水樋が設置されている。

※3 矢板工法:H鋼と木板で仮の支えをつくり、その内側にコンクリートを打ってトンネルを作る方法


ホーム千葉寄り。この先は22.5パーミルの急勾配である。

ホーム端は天井が高くなっており、ここから上階の送風機を通してトンネルの給排気を行っている。最近開業した地下鉄のように消音装置を挟んでいないため、ホームの真ん中にいても送風機の動作音がかなり聞こえてくる。ここ数年は節電のためか、それとも老朽化した機器の保護のためなのかは不明だが送風機が動いているときと動いていないときがある。

(つづく)

<更新履歴>
2010年8月20日エレベータ新設について追記 このエントリーをはてなブックマークに追加
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Facebookのコメント

コメント


済みません。どうも、私はやっぱり馬喰町駅の事を気にします。

他の駅に比べて特徴的なデザインだなって思います。
「昭和ちっく」と言うか…。

駅名票は、90年代に他の駅と同じ物に既に変わっているんだけど、それでもちょっと
なんか違和感は拭えません。

それは、私だけかしら?

でも2010年頃エレベーター設置されただけ、今風に見えるかな?

それと、いかにも古めかしかった和式しかなかったお手洗いがきれいになって、そばに休憩室らしき休むスペースがガラス張りのモダンなデザインとなってできただけ、いいのかな?

だけども、やっぱり、駅構内や駅入口から見える風景は、どこまでも続く緑色のタイル壁や、クリーム色のコンクリートブロックを染めた壁があったりとか、なんというか…

駅全体の内装は、ほとんど、今も昔とおんなじですよね。

なんだけど、駅名票が、95年だか97年に変化されており(全部で50枚を超えている。天井に2つ、側壁に26、コンクリートブロックに16、緑色のタイルに8。だったかな、昔数えたことがありました。確かそのくらい。)
、雰囲気はたったこれだけだけども、よくはなりました。

あの、国鉄地下型の 今、東京駅の柱に貼られているものと同じ物があった90年代の張り替え前の昔。

アレがあったせいで、近隣の住民や買い物客やOL、サラリーマンがクレームを次々と訴えていた噂を、
ききました。

自分の会社や学校や友達の間でも話題となってました。

馬喰町駅の駅名票 かえられる前には、他の駅とは異なるように私からも見えました。

普通の国鉄型って分かる駅名票だった。

よこっちょに、「区」と載っていて、いちお、東京都区内だって分かるようには書かれてましたが、
うすっぺらい古くさい駅名票を見たら、「あれ?」と昔にタイムスリップをした感じでした。

「ここはどこ、私は誰。」みたいな。

それにあれは東武野田線や東武線の駅名票のデザインにも似てるとも思いました。

だけどやっぱり、私は、あれは好きなデザインではありません。はっきり言って、あまり見たくありませんでした。

どこかで、写真で載っている場所をブログで見てしまい、目を覆いました。

今でも「ああ。替えてもらってよかった。もうアレは二度と見たくないや。」って、自分がどうこうする権力はけしてないのですが、「今の方がいい それに分かりやすい。見た目も悪くない。」と思いました。

これから、本格的に改装される予定の新馬喰町駅を見てみたいです。
でも案外、東京駅の柱に残っている国鉄地下型の駅名票のように、昔の90年代にひっぺがされた国鉄地下型のを
どこか一つ張り付けて、残しそうな勢いもあるかな??

今の東京駅風になったりして?
2011/08/19 21:42 | URL | 投稿者:千 [編集]
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