辻堂駅ホーム拡幅工事と東海道線の運転変更(2010年5月22日取材)

カテゴリ:鉄道:建設・工事 | 公開日:2010年05月26日16:50
西口駅舎の跨線橋から工事中の辻堂駅ホームを見る

先週日曜日(5月16日)に取材した東海道線辻堂駅のホーム拡幅ですが、予定通り1週間後の5月22日(土)夕方から翌23日(日)の早朝にかけて実際に工事が行われました。今回は22日の工事の様子と東海道線の運転変更についてレポートいたします。

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東海道線辻堂駅前の再開発とホーム拡幅(2010年5月16日取材) (2010年5月21日作成)

■辻堂駅の工事の様子
ホーム拡幅のイメージ
ホーム拡幅のイメージ

今回の辻堂駅ホーム拡幅工事は現在の上り線の北側に敷設した新しい線路に上り線を移設し、空いた古い線路上にホームを形成してホームを4m拡幅するという内容です。工事はこの日通常運転される上り列車の最終である辻堂駅17:25発湘南新宿ライン快速高崎行き(2730E)の発車直後から開始されました。

発泡スチロールを敷き詰めている最中のホーム 敷き詰めた発泡スチロールに固定用の金具を打ち込む。
ホームの東京寄りにはコンクリートブロックの移動に使用したと思しき小型クレーンが置かれていた 平塚寄りは階段・ホーム改築に備えてレールを撤去し、は鋼材で組んだ仮設ホームが設置した。
左上:発泡スチロールを敷き詰めている最中のホーム
右上:敷き詰めた発泡スチロールに固定用の金具を打ち込む。
左下:ホームの東京寄りにはコンクリートブロックの移動に使用したと思しき小型クレーンが置かれていた。
右下:平塚寄りは階段・ホーム改築に備えてレールを撤去し、は鋼材で組んだ仮設ホームが設置した。

※クリックで拡大

ホームではまずすでに施工済みだった新ホームの基礎コンクリートのうち、上り列車が通過するため未施工だったレールの内軌側をコンクリートで埋め基礎を完成させました。(このため、前回の記事で予想したとおりレールはホームの基礎に埋め殺しにする形となった。)その後、上り列車の通過に支障となるため暫定的に新上り線に寄せられていた新ホームの端部を構成するコンクリート製のブロックを小型クレーンを使って正規の位置に移動させます。このクレーンは線路と陸上の両方を走行できるよう車輪とキャタピラがついた特別仕様となっています。
コンクリートブロックの移動が終わると、新上り線の線路上に積まれていた新ホームの構造体である発泡スチロールの塊を、100人近い作業員が次々と運び出してコンクリートの基礎上に敷き詰めていきました。今回の工事では下り列車は本数を減らして運行を続けており、駅に降り立った乗客の人たちは目の前で繰り広げられる「発泡スチロールを使ったホーム建設」の様子を興味津々な様子で作業を見守っていました。ちなみに、発泡スチロールによるホームの拡幅工事は横浜線長津田駅八高線拝島駅などですでに実績があります。発泡スチロールは2段に分けて敷かれており、1段目が敷き終わったところで発泡スチロールがずれないよう継ぎ目の部分に棘(とげ)が付いた銀色の金具を打ち込んでいました。
一方、ホームの平塚寄りは今後西口駅舎の改築に伴い階段位置の変更が予定されています。そのため、ホームの拡幅は発泡スチロールではなく鋼材を組み立てる形で行われており、レールについては今後のホーム構築の支障となるため切断・撤去しました。
軽量な部材であるため作業自体は数時間で終わり、この日の終電が通過する頃には新ホーム床面をゴムシートで覆うところまで終わった模様です。

西口駅舎の跨線橋から平塚寄りの線路切替部を見る。このときはカッターでレールを切断していたようで派手に火花が飛び散っていた。
西口駅舎の跨線橋から平塚寄りの線路切替部を見る。このときはカッターでレールを切断していたようで派手に火花が飛び散っていた。

一方、駅の両端では旧上り線のレールを切断して新上り線に繋ぎ変える工事が行われていました。こちらも「人海戦術」というに相応しい人数で作業が行われており、作業が間近に見える西口駅舎の跨線橋には周辺住民のほか、地元のケーブルテレビ局などが取材に訪れていました。なお、作業の安全確保のため運転継続中の下り列車はこの切替部付近で徐行運転が行われていました。

■東海道線の運転変更
東海道線運転変更のイメージ
東海道線運転変更のイメージ

辻堂駅でのホーム拡幅工事中は東海道線上り線の線路が使用できなくなったため、藤沢以西の東海道線において大幅な運転変更が行われました。変更の概要と実際の様子は以下の通りです。

●東海道線上り列車を貨物線経由で運転(5月22日(土)17:30頃~23日(日)6:00頃)
ホームが無い大船駅の貨物線上を通過する211系東海道線上り列車 ホームが無い大船駅の貨物線上を通過する211系東海道線上り列車
左:ホームが無い大船駅の貨物線上を通過する211系東海道線上り列車。
右:横須賀線武蔵小杉駅に停車中の211系東海道線上り列車。普段は見られない貴重な光景。

※クリックで拡大

平塚以西が始発の東海道線上り列車は工事時間中は平塚~品川間で東海道貨物線・品鶴線(横須賀線)を利用した迂回運転を行いました。運行ルートは「平塚→(東海道貨物線)→鶴見→(品鶴線)→新鶴見信号場→(品鶴線・横須賀線)→品川→(東海道線)→東京」というもので、貨物線上にホームが無い辻堂・大船・戸塚と経由しない横浜・川崎の各駅は通過となり、川崎駅の代替として横須賀線の武蔵小杉駅に停車しました。(西大井駅は通過。)また、貨物線上の停車駅である茅ヶ崎と藤沢についてはホームが10両分しかないため、この時間帯の列車はいずれも付属編成なしの10両編成で運転されました。

消灯中のグリーン車Suicaシステムのセンサー
消灯中のグリーン車Suicaシステムのセンサー

なお、いずれの列車ともグリーン車Suicaシステムのデータに貨物線の走行ルートがインプットされていないため、藤沢~品川間ではこの装置を停止してグリーンアテンダントがグリーン券の確認を行いました。また、E231系・E233系については自動放送装置と車内のLED表示器が貨物線経由の運転に対応していないため、こちらも動作を停止にする措置がとられました。

▼脚注
:動作停止中に他の列車に乗り換えた場合(筆者の場合、武蔵小杉駅で横須賀線に乗り換えた。)、下車前に天井センサーへのタッチができないため、乗り継ぎ後に再度センサーにタッチしてもエラーとなる。この場合でもグリーン券の情報はSuica内に残存しており、グリーンアテンダントの確認により追加料金を支払うことなく継続して乗車可能となった。

●藤沢駅始発の東海道線上り列車を運転(5月22日(土)17:30頃~終電)
藤沢駅平塚寄りの引き上げ線で待機中のE231系。右後ろの白いライトは貨物線を走る東海道線上り列車。
藤沢駅平塚寄りの引き上げ線で待機中のE231系。右後ろの白いライトは貨物線を走る東海道線上り列車。

上記の措置により藤沢以東で東海道線上り列車がなくなってしまうのを防止するため、通常は朝ラッシュ時に2本のみが使用している藤沢駅の平塚寄りにある引き上げ線(Y線)を使用して下り列車の一部を藤沢折り返し(一部は藤沢駅まで回送で送り込み)としました。なお、この引き上げ線は途中に踏切があるため、折り返し運転実施中は踏切を全面的に通行止めにする措置がとられました。

●東海道線直通の湘南新宿ラインを部分運休(5月22日(土)17:30頃~終電)
東海道線~高崎線を直通する湘南新宿ラインは新宿駅(一部大崎駅)で大宮方面へ折り返し運転となり、新宿・大崎以南は運休となりました。横須賀線~宇都宮線を直通する列車については通常通り運転を継続しました。

●代行バスの運転(5月22日(土)17:30頃~23日(日)6:00頃)
東海道線上り列車が完全に運休となる辻堂駅を挟む区間でおおむね15分間隔で上り方面へ向かう代行バスを運行しました。(茅ヶ崎→辻堂、辻堂→藤沢→大船の2パターン。)ただし、混乱防止のためJRでは公示前より辻堂駅で降車しない乗客に対しては迂回運転中の列車を利用するよう案内を行っっており、当日についても駅構内の放送などで同様の案内が繰り返し行われていました。

●他社線による振り替え輸送の実施
小田急線(小田原線新宿~小田原・江ノ島線相模大野~片瀬江ノ島)、東急電鉄(全線)、相模鉄道(全線)、横浜市営地下鉄(ブルーライン戸塚~湘南台)で振り替え輸送を実施しました。

このように多くの列車を迂回させるなど大規模に行われた辻堂駅のホーム拡幅工事ですが、翌23日(日)早朝には無事作業が完了し、通常通りの運転が再開されました。実際の工事に携わった方々の苦労を労うとともに、今後の辻堂駅前の再開発「湘南C-X」の発展に期待しながら本記事を締めくくることといたします。

▼参考
藤沢市|湘南C-X(シークロス)
藤沢市|JR辻堂駅改良(ホーム拡幅)工事に伴う列車運休・踏切通行止めについてのお知らせ
東海道線・湘南新宿ラインの一部運休・停車駅変更のお知らせ(駅配布の資料)

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