千葉市内の区間…花見川・印旛沼サイクリングロード(1)

去る4月18日(日)、3年ぶりに地元の花見川・印旛沼のサイクリングロードを走ってまいりました。今回は前回折り返した佐倉市の柏戸大橋を越えて利根川までの全線走破を達成しました。今回は以前撮影した写真も再掲しながら全長約52kmの花見川・印旛沼のサイクリングロードについて解説したいと思います。
■千葉市内の区間(花見川サイクリングロード)
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東京湾(千葉市美浜区磯辺)から利根川(印旛郡栄町安食)に至る全長約52kmの花見川・印旛沼のサイクリングロードのうち、千葉市内を通る花見川(印旛放水路のうち大和田排水機場から下流を指す)沿いの区間のほとんどが千葉市のサイクリングロードとして整備されています。この区間は前半が幕張の高層マンションやオフィスビルなど都市的な空間の中を走る一方、、後半は一面の田畑や深い渓谷の中を走るという全く異なった風景が広がっており、わずか15kmという短い距離の中で現在の日本の全ての風景を見ることができるとも表現できる、変化にとんだコースとなっています。
▼参考
稲毛海浜公園サイクリング 花見川サイクリングコース
●美浜区内(稲毛海浜公園~国道14号線)



左:稲毛海浜公園サイクリングセンター(2006年10月18日撮影)
中:検見川の浜の砂浜沿いを走る(2006年10月18日撮影)
右:美浜大橋の下をくぐるとそこから先は花見川(2006年10月18日撮影)
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花見川サイクリングロードの起点は稲毛海浜公園(検見川の浜)にある稲毛海浜公園サイクリングセンターです。ここでは自転車の貸し出しを行っており、花見川を8kmほど北上した地点にある神場公園(じんばこうえん)まで往復することができます。また、2人乗り、3人乗りなどの「変り種自転車」も用意されており、こちらはセンター内のコースで走行を楽しむことができます。
サイクリングセンターを抜けると砂浜沿いを数百メートル走ります。天気がよければ東京湾を挟んだ対岸の東京都心の高層ビル群(今注目なのは建設中の東京スカイツリーでしょうか)や富士山などを見ることが可能です。



左:サイクリングロードから見た幕張新都心(2006年10月18日撮影)
中:JR京葉線と交差(2006年10月18日撮影)
右:国道357号線(東関東自動車道)・国道14号線と交差(2006年10月18日撮影)
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美浜大橋の下をくぐるとそこから先は終点まで花見川(印旛放水路)沿いを走ります。美浜区内は対岸に幕張新都心を見ながら走ることになります。この付近一帯は昭和30~40年代に東京湾を埋め立てて造成された土地で、現在もマンションやオフィスビルの建設が続いています。


左:稲毛海浜公園脇の道路上にNAA(成田国際空港)のロゴ入りマンホールが…(2007年7月16日撮影)
右:花見川沿いにあるパイプラインの立坑(2007年7月16日撮影)
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なお、ここから先京葉道路との交差地点まで厳重にフェンスで囲われた白い建物が数箇所設置されています。実はこの建物、千葉港で陸揚げされたジェット燃料を成田空港へ送るパイプラインの立坑(点検口)なのです。このパイプラインは全線が地下のトンネル内を通る形となっており、千葉港の備蓄基地を出た後は稲毛海浜公園の脇を通る「海浜大通り」の下を通り、美浜大橋からは花見川の真下へ進み、花見川区の京葉道路との交差地点から先は京葉道路・東関東自動車道に沿って進み成田空港へ通じています。1日の送油量は実に1万6千キロリットルにも及び、まさに世界の空を支える大動脈といっても過言ではありません。しかし、成田空港は開港に際してたびたび過激派の破壊行為を受けたという歴史的経緯からこのパイプラインの存在はほとんど公にされておらず、住宅地の近傍でありながら災害に備えた訓練を行っているという話も聞いたことはありません。地盤が軟弱な埋立地であるため、地震時の被害が心配です。
▼参考
特集:TOPIC/「異形」の成田 開港30年 反対闘争の傷深く… - FujiSankei Business i./Bloomberg GLOBAL FINANCE
●花見川区内(京成千葉線~神場公園)


左:JR総武線と交差(2006年10月18日撮影)
右:同じ橋から上流方面を見る(2006年10月18日撮影)
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花見川千本桜緑地。奥の橋は京葉道路。(2010年4月18日撮影)


左:桜の花。背景は幕張新都心の高層ビル。(2010年4月18日撮影)
右:八重桜も満開だった。(2010年4月18日撮影)
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国道14号線、京成本線、JR総武線の下を連続してくぐると一転して周囲は古くから存在する住宅地となります。この付近の花見川はまだ汽水域でハゼなど釣りのスポットとして有名です。
さらに進むとサイクリングロードの右手に花見川千本桜緑地が現れます。ここにはその名の通り約700本の各種の桜が植えられており、春はもちろんのこと「十月桜」が咲く秋にも桜の花を楽しむことができます。今年は春先の気温が異常に低かったこともあり、開花から2週間以上が経過した4月18日でもまだソメイヨシノなどの花を見ることができました。


左:玄鼻橋付近のサイクリングロード。(2006年10月18日撮影)
右:神場公園との分岐点。貸し自転車はここで折り返しとなる。(2006年10月18日撮影)
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京葉道路を過ぎると花見川の両岸とも住宅は無くなり一面の田畑となります。サイクリングロードに沿う形で頭上には送電線が張られており、これがさらに郊外っぽい雰囲気を強調しています。(こういった送電線を見ると小説「鉄塔武蔵野線」をイメージしてしまいます。)玄鼻橋(稲毛海浜公園から7km)を過ぎて数百メートルで右手に神場公園へ向かう道が分岐します。稲毛海浜公園の貸し自転車の利用範囲はここまでとなっており、路面には折り返し地点であることを示すペイントが施されています。
●花見川区内(天戸大橋~京成本線)


左:花見川上空を跨ぐ天戸大橋。手前のスピーカーは印旛沼の放流を警告するもの。(2006年10月18日撮影)
右:柏井橋の手前から渓谷の雰囲気が強まる(2006年10月18日撮影)
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神場公園との分岐点を過ぎると花見川は谷の中を流れるようになります。この付近は花見川のもともとの源流域で、印旛沼の放水路として利用するため戦後に谷を掘り下げて山の反対側の新川と接続したため現在のような形になったものです。なお、印旛沼が台風などで増水した際は放水路である花見川の水位が急上昇します。このため、直接川面まで降りることが可能な花見川区内の花見川では各所に水位の上昇を警告するためのサイレン(スピーカーと回転灯)が設置されています。


左:柏井橋。見た目からして相当建設は古いと思われる。(2006年10月18日撮影)
右:柏井橋の先にある花島公園。(2008年10月7日撮影)
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秋は一面のコスモス畑になる。(2008年10月7日撮影)
天戸大橋の先でサイクリングロードは一旦花見川とは離れた場所を通りますが、その先にある柏井橋の袂で再び合流しています。コンクリート製の古い欄干が特徴的な柏井橋を渡った反対側には花島公園があり、毎年春には菜の花、秋にはコスモスが咲くことで有名です。
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▼参考
千葉市:花島公園のホームページ
▼関連記事
千葉市花島公園のコスモス(2008年11月3日作成)


左:完全な渓谷の中を進む花見川区横戸町付近(2006年10月18日撮影)
右:稲毛海浜公園から約13km地点の弁天橋(2006年10月18日撮影)
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柏井橋を過ぎるとサイクリングロードはさらに深い渓谷へ入っていきます。この区間は路面が未舗装(砂利道)となっており、川の両側の斜面は一面の森林となり水の流れる音と野鳥の鳴き声以外聞こえてくる音はないといえるほど静寂に包まれています。ここまで来ると幕張新都心の高層ビル群の脇を走ってきたことが信じ難いと思えてしまいます。

京成本線と交差するとそこから先は八千代市。(2006年10月18日撮影)
弁天橋から京成本線をくぐった先にある大和橋まではサイクリングロードが未整備となっており、川の反対側の住宅地を通る生活道路を抜ける形となっています。京成本線の狭い鉄橋の下をくぐるとそこから先は八千代市となります。
▼参考
ラウンジ-S:印旛沼サイクリングコース情報
▼関連記事
花見川サイクリングロードの花々(2006年3月31日作成)
花見川サイクリングロード1(2006年10月26日作成)
花見川サイクリングロード2(2006年10月29日作成)
花見川サイクリングロード3(2006年11月6日作成)
花見川サイクリングロード4(2006年11月12日作成)
花見川サイクリングロード5(最終回) (2006年11月17日作成)
印旛沼サイクリングロード (2007年8月9日作成)
(つづく)

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