副都心線を走る車両 - 地下鉄副都心線全線全駅レポート(9)

※この記事はYahoo!ブログから移行したものです。



開業初日6月14日(土)の地下鉄副都心線各駅のレポートの途中ですが、ここでちょっと駅の内容からは離れて、副都心線を走る車両についてお伝えしようと思います。

副都心線を走る車両
地下鉄副都心線は小竹向原で接続する有楽町線と同様、西武池袋線・東武東上線と直通運転をしています。このため3社計5車種という多種多様な車両が走っています。副都心線走行に際して求められる基本的な条件としては

1、地下鉄の安全基準(防火基準・前面貫通扉の設置etc)に対応していること
2、地下鉄線内の急勾配(最大4%)に対応していること
3、ワンマン運転(※)に対応していること

※ワンマン運転の条件:自動操縦(ATO:Automatic Train Operation=自動列車運転装置)の装備・ホームドアとの連動・停止位置精度の確保など

の3点です。この条件を満たす車両として各社とも新たに車両を造るほか、有楽町線乗り入れで使用されていた車両を改造の上で対応させることとしました。以下は、その各車両の概略です。

1・東京メトロ
●7000系

8両編成は前面に“8Cars”のステッカーが貼られている(小竹向原)
<PENTAX K10D・smcPENTAX-DA18-55mmF3.5-5.6AL(35mm)・オート(1/6/F4.5/ISO100)・トリミング>

東京メトロ7000系は1974(昭和49)年の有楽町線銀座一丁目~池袋間の開業にあわせて登場した車両で、その後の路線延伸に伴い1989(平成元)年まで製造が続けられました。副都心線対応改造では車体のラインカラーの変更、ATOへの対応(性能をあわせるため制御装置の取り替えを行う場合もある)の他、4年後に開始される東急東横線での各駅停車列車への使用に備え一部編成で10両編成のうち2両を抜き取って8両編成にする改造が行われています。

改造前 10両編成×34編成

改造完了後 10両編成×10編成+8両編成×15編成(8両かで抜かれた中間車と残る9編成は廃車)



8両編成の列車の停止位置を案内する看板(小竹向原)
<CanonPowerShotA700・(6mm)・オート(1/60/F2.8/感度オート)・トリミング>

なお、副都心線対応改造の対象車には冷房を後付けした初期製造車も含まれており、「コンピュータ制御の最新式鉄道に古風な扇風機付きの電車が走る」という少々変わった光景が見られます。

●10000系

暫定的に8両化された10104編成(雑司が谷)
<PENTAX K10D・smcPENTAX-DA18-55mmF3.5-5.6AL(18mm)・オート(1/10/F3.5/ISO100)・トリミング>

▼関連記事
【速報】東京メトロ10000系撮影会(2006年9月30日)
東京メトロ10000系の車内(2007年5月12日)

7000系の改造で足りない車両はこの10000系の新造でまかなわれます。7000系の改造が予定より遅れているため、暫定的に10000系の一部を8両編成で使用しています。通勤電車のデザインとしてはトップレベルの秀逸さであり、2007年度にはグッドデザイン賞を受賞しています。

2・東武鉄道
●9000・9050系

副都心線対応車は行き先表示のフルカラーLED化されている(渋谷)
<PENTAX K10D・smcPENTAX-DA18-55mmF3.5-5.6AL(18mm)・オート(1/15/F3.5/ISO100)・トリミング>

東武9000系は1987(昭和62)年の有楽町線和光市延伸と東武東上線相互乗り入れ開始にあわせて登場した車両で、1994(平成6)年からは同じ車体で制御装置を電機子チョッパ制御からVVVFインバータ制御に変更した9050系に移行しています。副都心線対応ではATO対応の他、内装を同社の最新型車両である50000系列(後述)並みに更新しています。ただし、一番最初に作られた9101編成はドアの間隔がその後の車両と違いホームドアに対応できないため、副都心線対応改造は見送られ、東上線(地上)専用で使用されています。

●50070系

貫通扉が前面左側につく(新宿三丁目)
<PENTAX K10D・smcPENTAX-DA18-55mmF3.5-5.6AL(35mm)・Tv(1/90/F6.7/ISO1600)・トリミング>

東武50000系列は東武鉄道の各線で増備が進んでいるいわば「標準型」ともいうべき車両で、50070系はそこに副都心線乗り入れに必要なオプション(冒頭の3件)を追加した形になっています。同型の車両は50050系として半蔵門線にも導入されています。(ただしこちらはATOが付いていない。)

3・西武鉄道
●6000系

東武9000系と同じく行き先表示がフルカラーLED化された(渋谷)
<PENTAX K10D・smcPENTAX-DA18-55mmF3.5-5.6AL(18mm)・オート(1/15/F3.5/ISO100)・トリミング>

▼関連記事
西武6000系東京メトロ副都心線直通改造車(2007年5月11日)

西武6000系は1992(平成4)年の有楽町線~西武池袋線の相互乗り入れ開始に合わせて登場した車両です。副都心線対応改造ではATO対応化とともに前面の縁取りを銀色から白色に変更しているため、副都心線対応/非対応が容易に区別できます。ここでも初期製造の2編成は性能・搭載機器などの関係で副都心線対応化は見送られ、地下鉄直通が関係しない西武新宿線で使用されています。

このように、副都心線は3社間という複雑な乗り入れを行うため多種多様な車両が走っています。しかし、これが1つの原因となって開業初日からトラブルが多発することとなりました。それについてはまた別の記事で取り上げたいと思います。

※今回はとりあえず「全車種を撮ること」を最優先としたため、どの写真も写り方が酷く、大幅にトリミングしています。ご了承ください。(これについてはゆくゆく撮り直しに出掛けようと考えています。)

参考
交友社「鉄道ファン」2007年12月号(通巻560号)68~74ページ「東京地下鉄7000系の現況と今後」
【鉄道ファン必見】副都心線開業 改造「7000系」が始動、3次車は… - MSN産経ニュース(リンク切れ)
東京メトロ|副都心 縦断。→「CM・パンフレット」の項に10000系の車両パンフレットがある。(リンク切れ)
編集長敬白: 副都心線乗り入れ用東武50070系・9000系改造車誕生。 - ホビダス(ネコ・パブリッシング)(リンク切れ)
西武鉄道 電車図鑑(リンク切れ)
営団7000系電車 - Wikipedia
東武9000系電車 - Wikipedia
東武50000系電車 - Wikipedia
西武6000系電車 - Wikipedia

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