雑司が谷駅 - 地下鉄副都心線全線全駅レポート(6)

※この記事はYahoo!ブログから移行したものです。



雑司が谷駅(F10)


1番出入口と脇を走る都電荒川線。その後にはサンシャイン60。
<PENTAX K10D・smcPENTAX-DA18-55mmF3.5-5.6AL(18mm)・オート(1/350/F6.7/ISO100)>

雑司が谷(ぞうしがや)
・所在地:東京都豊島区雑司が谷3丁目(地図
・キロ程:和光市起点13.1km
・停車種別:各停
・ホーム形態:1面2線
・トンネル形態:開削(地下4層)+シールド(単線駅)×2
・乗り換え路線:都電荒川線(鬼子母神前電停)

いよいよ副都心線の新規建設区間に入りました。池袋駅を出た副都心線はJR池袋駅、その先のグリーン大通り、建設中の環状5号線の地下を進み、雑司谷駅に至ります。副都心線雑司が谷駅の真上を通る都電荒川線にも雑司谷停留所がありますが、副都心線の駅はそこから数百メートル離れた都電荒川線鬼子母神前停留所の地下に位置しています。都電荒川線の雑司ヶ谷停留所は副都心線開業に際しては利用者が副都心線の乗換駅であると勘違いするのを防止するため、「都電雑司ヶ谷」に名称が変更されました。



2番出入口は千登勢橋教育文化センター内にある
<PENTAX K10D・smcPENTAX-DA18-55mmF3.5-5.6AL(18mm)・(1/60/F4.5/ISO100)・ガンマ値修正>

副都心線雑司が谷駅は駅の両端が開削工法(シールドマシンの発進・到達立坑)、中央部がシールド工法で建設されました。そのため改札口は駅の必然的に池袋・渋谷方の両端に位置しています。池袋方にある1番出入口は地上の建物の関係で敷地が確保できなかったため、動く歩道が併設された長い通路で連絡しています。一方、渋谷方は2番・3番の2つの出入口があり、2番は千登勢橋(ちとせばし)教育文化センター内に、3番は目白通りに直接出られる構造になっています。


池袋方の改札口
<PENTAX K10D・smcPENTAX-DA18-55mmF3.5-5.6AL(18mm)・オート(1/45/F3.5/ISO100)>



渋谷方の改札口からホームに向かう通路
<PENTAX K10D・smcPENTAX-DA18-55mmF3.5-5.6AL(20mm)・オート(1/4/F4/ISO100)>



パブリックアート「雑司が谷の詩」(木村光佑 作)
<PENTAX K10D・smcPENTAX-DA18-55mmF3.5-5.6AL(18mm)・オート(1/45/F4/ISO100)>

雑司が谷駅のデザインコンセプトは鬼子母神や雑司が谷霊園をイメージした「木漏れ日×過去への思い出」で、ステーションカラーは木々の葉をイメージした「青竹色」となっています。
開削部分の面積が少ないため改札口もスペースが制限されており、他の駅と比べるとコンパクトにまとめられています。しかし、池袋方の改札口はドーム上の天井で2フロアが吹き抜けになっており、上下方向の狭さはあまり感じられません。渋谷方の改札口はホームへの階段の天井部に木目調の装飾を施し、照明にダウンライトを用いることで落ち着きのあるデザインとなっています。このほか、コンコース部分の傾向とは全て電球色が用いられており、温かみのある雰囲気が感じられます。(蛍光灯に関しては調達の手間を考えるとこの先何年「電球色オンリー」が続くか不明ですが・・・)



B4Fホーム
<PENTAX K10D・smcPENTAX-DA18-55mmF3.5-5.6AL(18mm)・オート(1/15/F3.5/ISO100)>

ホームは両端2両分ほどが通常の島式となっている他は単線幅のシールドトンネルとなっており、渋谷方面(A線)・池袋方面(B線)が独立した構造になっています。シールドトンネル部分の中央部には1箇所それぞれのホーム同士をつなぐ通路が設置されています。



雑司が谷駅の建設イメージ
1、渋谷方立坑から親子機が組み合わさった状態で発進。
2、ホーム部分を建設。
3、池袋方立坑に到達。ここで親機(外側)を取り外す。
4、子機(内側)が池袋駅へ向けて再発進。

雑司が谷駅のシールドトンネル部分は「親子シールド」という特殊なシールドマシンで建設されました。このシールドマシンは取り外し可能な2重構造(外側を「親機」、内側を「子機」と呼ぶ)となっており、まず2機が組み合わさった状態で渋谷方の立坑から発進し雑司が谷駅のホーム部分のトンネルを建設し、池袋方の立坑に到達します。そして、立坑内で親機を取り外し、残った子機のシールドマシンが再発進して池袋駅までのトンネルを建設するというものです。
ここまで地上での作業を嫌ったのには駅の真上にある都電荒川線への影響を避けることと、周辺住民への配慮が挙げられます。営業中の鉄道路線の下に開削工法でトンネルを建設する場合、線路の仮受けなどで大変な手間がかかり、安全面でも不安が残ります。また、資材の搬出入が頻繁に発生し、周辺住民の生活にも多大な迷惑をかけることが予想されます。コスト面では開削工法のほうが有利となりますが、あえてそこでシールド工法を採用したのにはこのような理由があると考えられます。

東池袋駅(仮称)の準備
副都心線の池袋~雑司が谷間のトンネルは東池袋4丁目交差点付近で有楽町線交差し、東池袋駅をかすめています。この交差部付近数百メートルのトンネルは、他の区間と違いコンクリート製セグメントではなく金属製のセグメントが使用されています。(壁面の色が違うため電車内からでもその違いを容易に知ることができる。)このような構造になっているのは、将来この地区の再開発にあわせ副都心線にも東池袋駅(仮称)を設置する計画があり、トンネルを解体してホームが設置できるよう考慮されたためと思われます。(一般にシールドトンネルの一部分を解体する予定がある場合、強度の高い金属性のセグメントが用いられています。例:千代田線新御茶ノ水駅、JR横須賀線新橋駅など)
ただし、駅設置の条件である再開発が全く進んでおらず、副都心線トンネルの真上を通る環状5号線もようやく建設が始まったばかりであり、もしこの場所に駅ができるとしてもかなり先(少なくとも10年以上?)のこととなりそうです。



雑司が谷駅近くにある鬼子母神。
<PENTAX K10D・smcPENTAX-DA18-55mmF3.5-5.6AL(18mm)・オート(1/60/F4.5/ISO100)・トリミング>


▼参考
東京メトロ|電車・駅のご利用案内|雑司が谷駅
都電荒川線「雑司ヶ谷」停留場の名称変更のお知らせ | 東京都交通局
豊島区議会議員藤本 きんじ ウェブサイト - 豊島区政ニュース
→「ホームなどインフラ整備がなされています」と書かれているが、実際は本文のとおりセグメントの構造を変えただけである。(リンク切れ)

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