小田急4000形

※この記事はYahoo!ブログから移行したものです。


1月6日、臨時快速“エアポート常磐”の撮影の後はそのまま常磐線に乗って都内まで移動しました。綾瀬駅で小田急4000形が停まっているのを見つけ思わず下車、折り返しまでの時間を使って細部まで撮影をしてきました。

導入の目的


4000形導入で地上線に転用される1000形。2007年1月14日大手町駅で撮影。

小田急4000形は小田急線~東京メトロ千代田線直通車両として2007年にデビューしました。これまでこの直通運用には1990年頃に製造された1000形が使われていましたが、地上線で使用されている5000形などの老朽化・取替えのため1000形を地上線に転用することになり、4000形が新たに導入されました。転用となる1000形は主に小田原線で使用される予定です。

E233系のコピー


左上:車内全体。
右上:優先席付近。
左下:扉上のディスプレイは右側のみの搭載。
右下:E233系と同じく駅名スクロールのある行き先表示

小田急4000形はJR東日本のE233系をベースとしています。1つ前の系列の3000形でも窓など一部の機器でJR東日本の車両の設計を流用していましたが、4000形ではさらにこれを深度化させ車両構造そのものをJR東日本で使われているのと同一としています。

車体

車両限界の小さい地下鉄に乗り入れるため、すそ絞りの無い構造です。(この点はE233系よりも常磐線~千代田線を走っている209系1000番台に近いといえます。)従来と同じく青色の帯が配されていますが、色は若干薄い「インペリアルブルー」になっています。これはルリマツリの花弁(左写真)をイメージしたものです。

動力装置
高架化に際し、訴訟問題まで発展した歴史のある小田急は列車の騒音に関してかなり気を配っており、4000形は小田急の通勤電車で初の全密閉式モーターが使われています。これにより走行音を3000形と比べて3dB低減しています。とは言うものの、VVVFインバータはE233系と同じものであるため、走行音自体はほとんどE233系と同じです。

車内
中央線のE233系に近い暖色系ですが、優先席付近は小田急にあわせて青色中心の色使いです。また、扉上部の液晶ディスプレイは小田急・東京メトロ双方に映像の配信設備が無いことから右側(次駅・乗り換え案内)のみの搭載になっています。

JR列車無線の準備:JR乗り入れの布石?
雑誌などで4000形写真が掲載されたときから気になっているのが先頭車の屋根についている列車無線のアンテナと運転台計器パネルの不自然な空間です。



屋根上部の列車無線アンテナの台座。(矢印の先)右は参考に中央線E233系の列車無線アンテナ。

先頭車の最前部には従来から使用されている空間波無線のL字アンテナが付いていますが、その後部にさらに2つアンテナの台座のようなものが付いています。4000形のベースとなったJR東日本のE233系の同じ部分を見ると、A形列車無線・デジタル列車無線のアンテナが2本立っています。



小田急4000形の運転台。右は参考にJR東日本E231系の運転台。

4000形の運転台はE233系よりもE231系(アナログメーター車)に近い配置です。計器パネルをよく見ると、板でふさがれた不自然な空間が多数あるのがわかります。中でもパネルの右端の下はかなり大きな空間が開いています。E231系ではこの場所に防護無線(緊急時に周囲の列車に一斉に緊急停止を命じる信号を発信する)が搭載されています。

ここから推測できるのは、4000形がJRの列車無線の搭載準備、つまり小田急から千代田線を介してJRへ直通運転を行う準備をしているということです。これまでも小田急9000形や1000形など千代田線乗り入れ車両ではJRの列車無線の搭載準備がされてきましたが、いずれも無線機の台座などは準備されておらず、直通実現には至りませんでした。無線機台座の設置は車体にコストアップにつながる余計な加工をすることになり、今後も直通の可能性が無いのならば行われないはずであり、今回見られる準備工事はかなり「進んでいるもの」と見ることができます。
千代田線を挟んだ反対側のJR常磐線では、数年後を目処に小田急4000形と同じ構造を持つE233系が導入される予定となっています。最近は鉄道会社間での直通運転が拡大される傾向にあり、この小田急~JR間でも「車両の共通化→直通の実現」と流れる可能性が十分あり得る情勢といえそうです。


▼関連記事
中央線E233系(2007年1月20日)
京浜東北・根岸線E233系1000番台(2008年1月5日)
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