中央線連続立体交差(1)事業の概要

※この記事はYahoo!ブログから移行したものです。




西武南入曽車両基地、国分寺市内の公園を周った帰り、高架化工事中の中央線武蔵小金井・東小金井の両駅を見てきました。まずはこの高架化がどういう事業であるかということについて触れておこうと思います。

中央線連続立体交差事業の概要


切替の手順。201系は工事完成時には全て置き換えられており、高架の上下線をすれ違う光景は見られません。

武蔵野台地を東西に走る中央線は三鷹以東が昭和40年代以前に複々線化され、交差する道路は全て立体交差となっています。一方、それ以西の区間は複線かつ地上を走っており、踏切が多数存在します。中央線は朝ラッシュ時の最小運転間隔が日本一を誇る1分50秒となっており、踏切事故のみならず“開かずの踏切”による深刻な交通渋滞や地域の分断が問題となっています。東京都とJR東日本では中央線の三鷹~立川間(国分寺~西国分寺間は盛土・掘割構造のため対象外)の線路を高架化し、18箇所ある踏切の解消する工事を進めています。
高架化工事は現在線の横に仮線を設置し、開いたスペースに高架橋を設置するという手順で進められています。なお、仮線の敷地が広いことから、「この区間は複々線化される」という情報が一部でありますが、現時点での最終形態は「現在線の高架化のみ」であり、仮線の跡地は道路となる予定です。(別件で京葉線を延長して地下線で中央線を線増する計画があります。)

問題続出の工事


解体される直前の国立駅。2006年10月8日撮影。

2003年9月の第1回目の線路切替工事では設計図のミスや施工管理の不備から朝に予定していた工事終了が間に合わず、14時頃まで電車が動かないという前代未聞の大失態を犯しました。その後も仮線の位置の関係から武蔵小金井駅付近では踏切の長さがは2倍近くになり渡りきれない人が続出するなどの問題から、JR東日本は社会からの非難にさらされました。緊急措置として歩道橋を設置したり、駅構内の通路を無料で通れる措置を講じたものの、事業全体に対する評価を落とす結果となりました。
また、国立駅では町のシンボルにもなっていた三角屋根の駅舎が工事の支障になることから、現状保存(曳き家で駅舎を一時的に別の場所へ移動させる)についての賛否が市民の間で問われました。結果的には市議会で保存に向けた予算が否決され、駅舎は解体されましたが将来の復元に備え国立市が部材を保管しています。

このような紆余曲折があったものの、去る2007年7月1日には三鷹~国分寺間の下り線が本設の高架線に移動し、事業は確実に完成へ向かっています。最終的な完成は2011年頃の予定です。次以降の記事では、今回行けた武蔵小金井・東小金井駅の様子を見ていきたいと思います。

▼参考
JR東日本「進行中の建設プロジェクト」(リンク切れ)
→JR東日本の事業紹介ページ
小金井市「JR中央本線(三鷹~立川間)他連続立体交差事業の概要」
→事業の詳しい概要
東京都「JR中央線における踏切横断対策について」(リンク切れ)
→踏切長さ増大に対する緊急対策一覧(平成15年10月21日)
国立市「JR中央線連続立体交差事業に伴う国立駅周辺まちづくり」
→国立駅駅舎の保存に関して

▼関連記事
See you again・・・国立駅三角屋根駅舎(2006年10月8日)
→国立駅旧駅舎最後の日
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