久留里線キハ30・38形

※この記事はYahoo!ブログから移行したものです。


久留里線は首都圏でも貴重な非電化路線でもあります。ここでは国鉄時代に導入されたキハ30・37・38形の3種類のディーゼルカーが使用されています。運転台の設備の関係で1両での運行はなく、2~4両連結で運行されます。今回はこのうちキハ30・38形について採り上げてみたいと思います。

キハ30形


風っこくるり号の先頭に立つキハ30形(久留里)

キハ30形は1963~1965年にかけて造られた車両で、同時期に造られていた101系通勤型電車のディーゼルカー版という位置づけです。車体は外吊り式のドアが特徴的です。JRではここ久留里線の3両のみが現役です。
キハ30形が導入された地方線区は多くが低いホームに対応させるためには、ステップ付きのドアにする必要が生じました。ここで通常の戸袋のあるドア構造にしてしまうと台枠(床板)の一部が切り欠かれることになります。台枠は車体の土台になる部分で強固な構造にする必要があり、ステップの切り欠きを設けた上でその強度を維持するには板厚を増す必要があります。しかし国鉄の徹底した標準化方針の下、キハ30形に導入されたのは戦前に設計されたDMH17H型エンジンであり、ただでさえ出力不足であるにもかかわらずこれ以上負荷をかけるわけにはいかないということになりました。ここでやむを得ずドア本体を車体の外に押し出して、台枠の重量増から逃れたと言うわけです。



キハ30形の車内(木更津)

通勤輸送を目的とした車両で、オールロングシートです。40年以上前の古い車両だけあって、冷房を搭載する車体強度も場所も無いため現在も非冷房のままです。天井には旧型国電時代そのままの円形の通風孔と扇風機がついています。

キハ38形


キハ38形(木更津)

非冷房で老朽化したキハ30形の置き換え用としてJR化直前の1986~1987年にかけて造られたのがキハ38形です。台車など一部部品をキハ30形の廃車体から流用し、新たに冷房付きの車体と高出力・低燃費の新設計直噴式エンジンDMF13HS(JR北海道キハ183系、関東鉄道キハ2000系列などJR・第三セクターで多く採用された)を搭載した車両です。車体は外吊り式ドアが通常の戸袋のある構造に戻され、前面は同時期に造られていた211系に似たスタイルで、コンビネーションランプ、黒い特殊塗装(ジンカート処理)をした窓周りになっています。試作的な要素が強く、数両が造られたにとどまっています。
当初は八高線で走っていましたが、同線が電化もしくはキハ110系へ車両の置き換えが行われたため久留里線に移ってきたものです。



キハ38形の車内(木更津)

車内はキハ30形と同じくロングシートですが、車端部にはトイレがありその横はクロスシートになっています。天井は扇風機こそ残っていますが冷房が付き、フラットな構造になっています。
なお、車端部のトイレは排水の処理装置が無く、「黄害」(排水の飛散によって線路や周辺が汚染されたり悪臭が発生する)を防ぐ目的から常時閉鎖されています。(お食事中のみなさま、大変失礼いたしました。



屋根のアンテナ類(木更津)

なお、運転席直上には列車無線のアンテナに加え、丸い缶のような物体が付いています。形からするとGPS(位置を測定する機械)のアンテナと思われます。(久留里線はタブレット閉そくであるが故、軌道回路が無いため指令所で列車の位置を把握するのに利用されているのかもしれません。)



車体側面のエンブレム(木更津)

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