京急川崎駅での連結作業

※この記事はYahoo!ブログから移行したものです。


連結作業シリーズ(??)初の私鉄の登場です。今回は1月末に品川駅でまさかの脱線事故を起こしてしまった(おい)京浜急行です。京急は東京都と神奈川県の三浦半島を結ぶ路線で、三崎口~京急久里浜間を除き複線となっています。品川~横浜間は並行するJR線と対抗するため、関東ではつくばエクスプレスに次いで速い最高速度120キロ運転(快特のみ)を行い、さらに限られた線路容量を最大限に活用するため一部の列車は京急川崎(もしくは品川)~金沢文庫間で行き先の違う8両編成と4両編成を連結し、私鉄では最長の12両編成で運転を行っています。今回はこの列車の連結作業を採り上げます。

複雑な配線

連結作業が行われる駅の一つ、京急川崎駅の線路配置です。図の右が品川方、左が横浜方です。この駅は本線が高架、区間運転の大師線が地上という構造になっています。(かつては本線も地上だった。)駅の品川方でこの両線を結ぶ連絡線(赤い線)がありますが、乗客を乗せた列車がこの線路を走ることはありません。図中の「a」のポイントは主に当駅折返しの列車が使用するもので、多摩川橋梁上にあるポイントを使って本線上で折り返す列車も存在します。「b」は本線・副本線を振り分けるポイントです。用地の関係なのか下り線の品川方のポイントは本線が分岐側となっており、50キロの速度制限が付きます。「c」はかつては単なるY字型の引上げ線で当駅折返し列車のみが使用していましたが、品川方に下り線と通じるポイントを設置し、待避線として今回採り上げる連結作業にも使用できるようにしました



地上の大師線ホームです。頭端式で2本ホームがあります。通常は1本のみの使用ですが、川崎大師へ向かう初詣で混雑するお正月には2本とも使用し乗車ホーム・降車ホームを分離します。ホーム端から眺めると高架の本線に通じる連絡線が見えます。

無駄の無い作業


連結作業は下り本線の5番線で行われます。ホームの柱には連結作業に関する詳細な案内がありました。信号機を素早く切り替え、無駄の無い作業を行うためなのか線路は連結作業が行われると思しき場所で軌道回路が区切られています

連結作業の手順は
1、羽田空港から来た増結4両がいったん品川方の待避線に入る。
2、品川から来た8両がホームに入線。
3、ホームに停車中の8両の後に待避線に停まっていた4両を連結。
という形になっています。待避線でわざわざ4両を待たせて8両を先にホームに入れるのは進入速度を速めて作業時間を短縮し、後続の列車の進路を妨害しないためです。また、待避線の長さが4両分しかないことも影響しています。

連結作業の流れ


羽田空港から来た4両の特急が待避線に入ります。ここで列車番号や種別を変更します。行き先表示が回転中なのはそのためです。



品川から来た8両が5番線に入ります。



ホームに着くと先にドアを開け乗降を開始します。



振り向くとすでに増結4両が入線してきています。JRの場合は入線の途中で一旦停止しますが、京急の場合はそのまま連結相手の車両手前ぎりぎりまで接近します。可能な限り作業を早くするための工夫です。



5メートルほど手前で一旦停止します。ここからは係員の旗で誘導されながら動きます。シーメンス製のVVVFインバータを搭載した新1000形の初期車ですと、音階のモーター音(ファ・ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ~)の「ファ・ソ」だけ聞こえたりしてなかなか面白いです。



連結が完了すると増結の4両も即座にドアを開け乗降を開始します。電気連結器・自動解放装置が付いているため、係員が線路に降りることはありません。30秒ほどの停車時間しかないため大急ぎで先頭の運転席ではブレーキ試験、連結側の運転台では施錠を行います。



増結の4両を運転してきた運転士さんが発車の合図を行い・・・



横浜方面に発車していきます。

増結4両が待避線に入ってからすべて作業が終わるまでは5分ほどかかっていますが、連結作業だけ見ると正味2分ほどであり、JRとはもはや全く別次元と言えます。120キロ運転でJRと対抗しているだけあって連結作業も究極の速さを追求しているようです。
このようにとても早い連結作業であるため、乗車中に一旦ホームに降りて作業をご覧になるのはできれば避けたほうが良い、もしくはどうしてもご覧になる場合というは作業が行われる側の先頭車に乗車することをお勧めします。また、反対側のホームから作業を眺めることも可能ですが、過密ダイヤであるため反対方向の電車が入線してきてさえぎられてしまう可能性もありますのでご注意ください。

参考:切り離し作業


逆に切り離しを行う場合はちょっと複雑です。
左の写真。まず先頭側の8両編成が品川方面に向けて先に発車します。切り離したらそのまま走り去るという形です。
続いて右の写真。残された4両編成はドアを一旦閉め、ホーム中ほどまで移動し再びドアを開け乗降を行います。これは信号システムの関係や先頭側の8両編成に乗っていた利用客への乗り換えの便を図ったものです。

品川駅の連結作業

品川駅でも連結作業を見ることが出来ましたので載せておきます。手順は京急川崎駅と同じで、こちらは都営浅草線から来た8両編成と品川始発の4両編成を連結します。慣れた人は後ろの4両編成が空車で来るため座れることを知っているようで、わざわざ並んで待っているという光景も目にします。こちらも作業自体は見ることができますが、ターミナル駅という性格上ホーム上は1日中人で溢れ返っており作業全部を撮影していると他の利用客の邪魔になるため避けたほうがよいといえます。また、京急川崎駅にも増して過密ダイヤであり次々と列車が出入するため、反対側ホームからでは作業の一部を見ることすら不可能です。

▼参考
Wikipedia - 京急川崎駅
YouTube - 京急川崎併合シーンA快特+D特急
→連結作業の動画
YouTube - two Keikyu trains join at immense pace
→増結4両の前面展望。誘導信号機(制限15km/h)ではなく入換標識(制限45km/h)を使用している。(リンク切れ)


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Facebookのコメント

コメント


こんばんは。
線形が悪かったり容量の小さな線路を複雑にやりくりして運用される列車を見るのは、趣味的な観点では興味深くもあり楽しいものです。こちらの記事も、大変楽しく拝見しました。
現在のダイヤではまた変わっているところもあるのでしょうが、京浜急行の独特な運用のスタイルは、今も引き続き見ていて飽きないものです。
12両編成という私鉄には見かけない長い編成で走り、独特な思想で作られた車両が浅草線を通じて他社と複雑に乗り入れをし合うところも、この私鉄の魅力になっていると感じます。
この先も見続けていきたい路線です。
今後とも、宜しくお願い致します。
風旅記: http://kazetabiki.blog41.fc2.com/?pc
2016/02/17 21:18 | URL | 投稿者:風旅記 [編集]
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