京王線調布駅付近地下化工事(2009年7月11日取材)



中央線連続立体交差化事業南武線西府駅と周った次は京王線調布駅付近の連続立体交差化事業(地下化)の状況を取材しました。こちらも2008年3月以来約1年4か月ぶりの訪問です。

写真1枚目:2008年に橋上駅舎化された調布駅

■事業の概要

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事業個所周辺の地図(Googleマップ)

京王線調布駅付近連続立体交差化事業は京王線柴崎~西調布間の約2.8kmと、相模原線調布~京王多摩川間の約0.9kmを地下化するものです。本事業により区間内に存在する18か所の踏切が解消され、8か所の都市計画道路が立体交差化されます。また、現在調布駅では京王線と相模原線が平面交差で分岐しており、双方の列車が駅の手前で信号待ちのため停車することが常態化しており、ダイヤ構成上のネックとなっています。地下化後はこの分岐が立体交差化される予定となっており、スムーズな文合流による増発や安全性の向上が期待されています。(なお、本事業は国土交通省の国庫補助事業となっています。)


地下化後の線路の概念図(左:国領~調布間、右:調布~西調布・京王多摩川間)
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地下化完成時には国領、布田、調布の3駅が地下化されます。国領駅は開削工法の地下2層構造、布田駅は線路部分がシールド工法、ホーム部分が開削工法の複合型となります。調布駅は上下線のホームが2層に重なる構造となり、1層目が改札階、2層目が下り線ホーム、3層目が上り線ホームとなります。駅間のトンネルはほとんどがシールド工法で建設されることになっており、国領~調布間の上下線(2本)のトンネル、調布~西調布間(京王線)と調布~京王多摩川間(相模原線)の上下線(4本)のトンネルがそれぞれ1機のシールドマシンで掘削されています。(いずれも土圧式シールド。)このように複数のトンネルを1つのシールドマシンで掘削することにより、シールドマシンの数を減らすことができ、全体の工費を削減することが可能となります。

■現在の状況

●調布駅

左:頭上に橋上駅舎ができ、昼間も暗い調布駅ホーム
中:ホーム端から新宿方面をみる。奥に停車中の都営10-300形は本線上で折り返す相模原線の区間列車。
右:橋上駅舎内の改札口

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着工前の調布駅は線路下に改札口を持っていましたが、そのままでは地下駅建設の支障となるため、2008年9月14日より線路上に設置した仮設駅舎に移転しています。現在はホームや線路を鉄骨・木材などで仮受けしながらその下に地下駅を建設する工事が進められています。ホーム両端は幅が狭いうえ、仮設の床は滑り止めが不十分なため、雨の日は滑りやすく注意が必要です。

●国領駅・布田駅

左:島式化された国領駅 右:仮受け線路の下で掘削が行われている布田駅
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国領・布田の両駅でも駅や線路の構造物を仮受けしながら地下を掘削する工事が行われています。開削工法のため掘削量が多い国領駅は工事の進展に伴い、2008年3月16日より下り線が仮線に、同年7月6日より上り線も仮線に移動し、島式ホームとなっています。なお、国領駅付近では2008年3月27日に太平洋戦争中に投下されたものと思われる不発弾が見つかり、同年5月18日には周囲500m以内を立入禁止(当然ながら京王線は運休)として自衛隊による撤去作業が行われました。

●シールドトンネルの工事

国領駅の調布方にある防音ハウス。この下がシールドトンネルの発進・到達立坑である。

地上からは分かりませんが、駅間の地下ではシールドトンネルの掘削作業も順調に進んでいます。京王電鉄のホームページによると国領~調布間については上り線トンネルの掘削が完了、下り線も間もなく掘削が完了する見込みとなっています。一方、京王線西調布~調布間の立坑から発進したシールドマシンは京王線上りのトンネルを掘削し調布駅に到達、現在は相模原線調布~京王多摩川間の立坑へ向け掘削を続けています。


ATCが搭載された8000系の運転台。

全ての工事が完了するのは3年後の2012(平成24)年の予定です。また、この地下化に合わせたのかは不明ですが、現在京王電鉄では全ての路線の信号システムをATS(地上信号)からATC(車内信号)に更新する作業が進められており、間もなく本格的な使用を開始する見込みです。調布駅付近の立体交差化と合わせ、現在よりも列車本数を増やすことができ混雑緩和が実現するものと思われます。

▼参考
調布駅付近連続立体交差事業|京王グループ
中心市街地街づくり事業 - 調布市ホームページ
京王線地下化工事 - 調布市民放送局
→夜間工事や線路下の状況を撮影した動画が公開されている

▼関連記事
京王電鉄調布駅地下化 (2008年3月18日)
京王線不発弾処理による部分運休(2008年5月18日)

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コメント

京王の立体化と地下化
京王電鉄京王線は地下化と立体化が進んでる。昔の京王線新宿駅は地上の駅で、道路と交差する踏切はあった。新宿~初台間は地上区間で踏切があったんだけど、地下に変わり、地上から電車を見ることが出来なくなった。都営新宿線と乗り入れする京王新線が完成したため、地上の幡ヶ谷駅が無くなり、地下に移り、笹塚のあとは地下に入ってしまった。どうして地下に潜ったのか。地上の踏切区間が立体交差になり、調布駅付近は京王線が地下に潜ってしまう。交通渋滞が問題となるから京王線の電車が地上から地下に潜ると見ることが出来なくなる。
2010/05/29 11:25 | URL | 投稿者:タクロウ [編集]
Re: 京王の立体化と地下化
タクロウさま>
京王線の新宿駅付近が地下化されたのが東京オリンピック前年の1963(昭和38)年で、その15年後に京王新線が開通、そのさらに5年後に京王線の笹塚駅手前までの地下化が完了して現在に至ります。現在調布駅付近の地下化が進行中ですが、それに加えて先日笹塚~つつじヶ丘間の複々線化計画が発表されました。この計画では急行線を地下、緩行線を高架とすることで連続立体交差による踏切の解消と線増を1度に行うことになっています。これが実現すると京王線の特急は新宿から調布までほとんどの区間で地下を走ることになります。

参考:http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/const/news/20091118/537011/
2010/05/31 23:11 | URL | 投稿者:takuya870625(管理人)
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