新宿駅南口整備の現況(2010年8月14日取材)

カテゴリ:鉄道:建設・工事 | 公開日:2010年09月27日00:51
新宿東南口地下歩道のマップ

現在、JR新宿駅の南口周辺では甲州街道の跨線橋架け替えにともなう施設の再整備が行われています。今回は今年5月21日に開通した新宿東南口地下歩道を中心にこの事業について解説したいと思います。

■甲州街道跨線橋の架け替え工事と新宿駅南口の再整備
架け替え工事中の甲州街道跨線橋(下)。正面は高島屋タイムズスクエアとNTTドコモ代々木ビル(ドコモタワー)。 高島屋のデッキから見た線路上に建設中の交通結節点(バスターミナル)。
左:架け替え工事中の甲州街道跨線橋(下)。正面は高島屋タイムズスクエアとNTTドコモ代々木ビル(ドコモタワー)。2009年2月17日撮影
右:高島屋のデッキから見た線路上に建設中の交通結節点(バスターミナル)。2010年8月14日撮影


JR新宿駅南口は線路上に設置された橋上駅舎となっており、駅前には甲州街道(国道20号線)が通っています。この事業が着工される前の甲州街道は片側3車線(幅20m)の両側に歩道(幅5m)が付く構造で、このうち東行き車線の橋は1925(大正14)年に建設された大変古い構造物でした。この甲州街道跨線橋は新宿副都心の整備や南口の駅ビル整備などの発展に比例して年々混雑が激しくなっており、老朽化した橋の架け替えとともにその再整備が急務となっていました。そのため、1999(平成11)年に開始された跨線橋架け替え工事を嚆矢(こうし)として新宿駅南口全体の交通機能を強化する事業が始まりました。この事業は以下の3つの事業から成り立っています。

1、甲州街道跨線橋の架け替え
老朽化や交通容量の不足が著しい甲州街道の跨線橋を全面的に架け替える。架け替え後の跨線橋は従来の6車線道路に停車帯を加えた幅30mの車道と幅8mの歩道により構成され、車・人ともに大幅な容量増加が実現できる。

2、交通結節点の整備
甲州街道跨線橋の代々木方の線路上空に人工地盤を設置し、3層構造の新駅舎を建設する。(新南口・サザンテラス口として暫定供用中。)この新駅舎は2階がJR改札口、3階がタクシー・一般車の乗降場、4階が高速バスのターミナルとなる予定で、駅周辺に点在している鉄道と自動車との交通結節機能を集約し、交通機関同士のスムーズな連携を図れるようにする。

3、新宿駅~新宿三丁目駅を結ぶ地下道の整備
架け替えとなる甲州街道の地下を利用して伊勢丹などのデパートが存在し、人の往来が激しいJR新宿駅南口と地下鉄新宿三丁目駅の間に歩行者専用の地下歩道を新設する。

現在完成しているのは3の地下道整備(詳細後述)のみであり、すべての事業が完成するのは5年後の2015(平成27)年の予定となっています。

中央線快速下り11・12番線ホームと停車中の201系電車。
中央線快速下り11・12番線ホームと停車中の201系電車。2007年4月15日撮影

なお、甲州街道跨線橋架け替えにあわせて下を走るJR各線の線路の配線変更も行われており、2003(平成15)年には山手貨物線系統の特急列車専用ホーム(現5・6番線)が新設されました。また、同ホームから発車していた中央線の特急列車は中央線の上り線と平面交差して下り線に進出しており、ダイヤ構成上のネックとなっていたことから、工事の進捗に合わせてホームの移動を行い、最終的に中央線快速の上りホーム(7・8番線)と下りホーム(現11・12番線)の間のホーム(現9・10番線)に発着する形へ変更されました。この件につきましては以下の関連記事で解説しておりますのでご覧ください。

▼関連記事
新宿駅跨線橋架け替え工事① 中央線運転変更(2006年4月15日作成)
新宿駅跨線橋架け替え工事② 新宿駅の状況(2006年4月17日作成)
07/4/15新宿駅線路切替と中央線運転変更(2007年4月18日作成)

■新宿東南口地下歩道が開通
新宿東南口地下歩道。お盆休み中のためか極端に人が少なかった。 JR新宿駅南口(ルミネ2・フラッグス)前の地下歩道入口。
左:新宿東南口地下歩道。お盆休み中のためか極端に人が少なかった。
右:JR新宿駅南口(ルミネ2・フラッグス)前の地下歩道入口。


上記3事業のうち、3の新宿駅~新宿三丁目駅を結ぶ地下道の整備が完了し、去る2010年5月21日より供用が開始されました。
この地下道は「新宿東南口地下歩道」という名称で、JR新宿駅南口の甲州街道跨線橋下から東京メトロ副都心線新宿三丁目駅までの200mの区間を結んでいます。地下道のうち、新宿三丁目駅側の50mについては2008(平成20)年6月14日の東京メトロ副都心線開業時に先行して供用が開始されており、残りの150mの区間が今回開通しました。地下道の幅は6mで、地上へは2箇所の階段・エスカレータ・エレベータで出ることができます。(新宿三丁目駅のE9・E10出入口という扱い。)
なお、この地下道は途中にもう一箇所地上への出入口を設置することになっていますが、地上の跨線橋架け替え工事がまだ途中であるため現在はまだ出入口は建設されておらず、分岐予定箇所は板で塞がれています。また、将来計画として新宿三丁目駅の東側にも地下道を延長することになっている模様ですが、こちらも現在はまだ工事が行われておらず唐突に壁で行き止まりになる構造となっています。(2008年の副都心線開業時にはこの行き止まりの通路を利用してグッズ販売などのイベントが行われた。)

▼関連記事
とりあえず速報的なまとめを・・・ - 地下鉄副都心線全線全駅レポート(1)(2008年6月14日作成)
新宿三丁目駅 - 地下鉄副都心線全線全駅レポート(10)(2008年6月22日作成)
補遺 - 地下鉄副都心線全線全駅レポート(16)(2009年7月26日作成)

▼参考
新宿駅南口地区基盤整備事業 - 東京国道事務所
JR東日本:進行中の建設プロジェクト このエントリーをはてなブックマークに追加
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