姫路駅・加古川駅で見た車両 - 関西旅行2010(4)

カテゴリ:遠征旅行記関西旅行2010 | 公開日:2010年10月26日21:41
加古川線125系とJR神戸線221系

8月の関西旅行の記事の続きです。姫路城を訪問した後は姫路駅に戻り、神戸方面へ戻ります。今回は姫路駅と途中の加古川駅で撮影した車両について解説します。

▼関連記事:「関西旅行2010」1つ前の記事
姫路市のマンホール - 関西旅行2010(3)(2010年10月17日作成)

■姫路駅で撮影した車両

●智頭急行(HOT7000系)
智頭急行HOT7000系 智頭急行HOT7000系の振子台車
左:智頭急行HOT7000系
右:智頭急行HOT7000系の振子台車

※クリックで拡大

姫路駅で最後最初に撮影したのは山陽本線に乗り入れている智頭急行(12:20発特急スーパーはくと5号倉吉行き55D)HOT7000系です。

智頭急行の元となった鉄建公団の新線「智頭線」は1966(昭和41)年6月に建設が開始されました。しかし、路盤の工事がほとんど終了ていた1979(昭和54)年に政府の国鉄再建計画の閣議決定がなされ、建設が凍結されてしまいました。これを受けて沿線自治体(兵庫・岡山・鳥取の3県と12市町村)が共同出資する形で第三セクターの智頭鉄道(後に社名を智頭急行に改称)が設立され、1986(昭和61)年に工事が再開されました。当初、一般的なローカル線の規格で工事が進んでいたこの智頭線ですが、並行して鳥取自動車道の建設が進んでいたことから所要時間短縮による競争力強化を目的とした設備の高規格化(高速走行対応化)が1991(平成3)年に追加されました。そして、1996(平成8)年に建設開始から30年の時を経て智頭急行線上郡~智頭間(全長約56km)が開業しました。
設備の高規格化が追加されたことからもわかる通り、この智頭急行線は山陽地区と鳥取を結ぶ重要幹線として位置づけられており、その象徴となる特急「スーパーはくと」「スーパーいなば」が運行されています。今回撮影したのはこのうちの「スーパーはくと」で使用されている智頭急行所有のHOT7000系です。智頭急行線は当初高速運転を前提としていなかったことから線内に急カーブが散在しており、対策としてこのHOT7000系では車体傾斜機構(振子)を装備し、カーブ区間で遠心力を打ち消すことで安定した高速走行が可能となっています。JR京都・神戸線(東海道・山陽本線)を走る京都~姫時間と智頭急行線内で最高速度130km/h運転を行っており、大阪~鳥取間を高速バスよりも速い約2時間半で結んでいます。なお、形式名の「HOT7000」は経由地である兵庫(Hyogo)、岡山(Okayama)、鳥取(Tottori)の頭文字とディーゼルエンジンの出力である700PS(350PSのエンジンを2機搭載)が由来となっています。


●播但線(103系3500番台)
播但線103系3500番台
播但線103系3500番台

次に撮影したのは播但線(12:24発寺前行き5631M)103系3500番台です。

播但(ばんたん)線は姫路駅と山陰本線の和田山駅の全長約65kmを結んでおり、大阪~鳥取間には播但線を経由する形で特急「はまかぜ」(キハ181系、まもなく新型車両に更新予定)が運行されており、この列車は姫路駅でスイッチバックして播但線に入線しています。姫路~寺前間(約30km)は1998(平成10)年に電化されており、そのとき投入された写真の03系3500番台でこの区間の列車は運行されています。103系3500番台はいずれも大阪中心部で使用されていた車両を改造したもので、もともと中間車だった車体に廃車になった先頭車から切り取った運転台を接合することにより造られています。
播但線が電化されたのは1994(平成6)年の阪神・淡路大震災の際、主要幹線であるJR神戸線の迂回路として重要な役割を担った経験に基づいたものです。沿線自治体ではJR西日本に対し残る寺前~和田山間の電化を働きかけていますが、当該区間には蒸気機関車時代に建設された断面が狭小なトンネルが存在しており、改修費用などの問題から実現の目処は立っていません。

●姫新線(キハ127系)
姫新線キハ127系 キハ127系側面のロゴ
左:姫新線キハ127系
右:キハ127系側面のロゴ

※クリックで拡大

姫路駅で最後に撮影したのは姫新線(12:25発播磨新宮行き1843D)キハ127系です。

姫新(きしん)線は兵庫県の姫路駅と岡山県の伯備線新見駅を結ぶ全長約158kmのローカル線です。
現在の姫新線は優等列車は運行されておらず、もっぱら地域内輸送が中心となっているため兵庫県と岡山県の県境に位置する上月駅を境に運行系統が完全に分断されています。この姫新線でも全国のローカル線のご他聞に漏れず、自家用車の普及による利用者の減少が進んでおり、2002(平成14)年の利用者数は最盛期の半分以下の250万人まで減少し、それを反映する形で列車の大幅減便(本滝野~播磨新宮間15本/日、播磨新宮~上月間8本/日)が行われました。
この動きに対し危機感を持った沿線自治体では「姫新線姫路上月駅間電化促進期成同盟会」を結成し、住民を巻き込んだ乗車運動を始めました。また、同盟会では将来の姫新線電化も視野に入れており、JR西日本と共同で2006(平成18)年から3年間かけて軌道や信号機改良(「JR姫新線輸送改善事業」)を行い、去る2010(平成22)年3月のダイヤ改正から列車のスピードアップ(最高速度85km/h→100km/h)と増便が行われています。この増便は2年間の試験的なものとなっており、利用者数の動向次第では再度減便される可能性もあることから同盟会では「チャレンジ300万人乗車作戦」と題し、沿線住民へイベント開催などを通じて姫新線の利用を強力にPRしています。
写真のキハ127系は姫新線の姫路~上月間で現在運用されている車両です。この車両は前述の輸送改善事業に合わせて導入された新型車両で、最新のディーゼルエンジンにアーバンネットワーク(JR西日本の大阪周辺地区の路線)で運行されている223系を2ドア化した車体を組み合わせた構造となっています。車体のカラーは稲穂のイエローと赤とんぼのオレンジの間に透明感をイメージしたホワイトを配したもので、ドア脇には公募により決定されたシンボルマークが描かれています。

■加古川駅で撮影した車両

●加古川線(125系)
加古川線125系
加古川線125系

次に、JR神戸線に乗り加古川駅へ向かい、加古川線(12:41発谷川行き1335S)125系を撮影しました。

加古川(かこがわ)線は加古川駅から福知山線の谷川駅を結ぶ全長約48kmの路線で、原則として線内中央の西脇市駅を境に運行系統が分断されており加古川~谷川間を直通する列車は写真の加古川12:41発の1本のみとなっています。(第4土曜日は運休、谷川→加古川は直通無し。)加古川線も播但線と同様阪神・淡路大震災の際JR神戸線の迂回路となったことから、以後電化の要望が沿線自治体からなされることとなり、2004(平成16)年に加古川~谷川間の全線が電化されました。電化に際しては写真の新型車両125系と播但線と同じく大阪中心部を走っていた103系を改造した103系3550番台が投入されました。125系は福井県の小浜線でも使用されているもので、車内は関西地区で主流の転換クロスシートとなっています。車両の性能自体は223系と同等のものとなっていますが、加古川線や小浜線では変電所の電力供給能力の関係から最高速度や加速度を大幅に落として運行されています。
なお、今回撮影できなかった103系3550番台は播但線の3500番台と同様全ての車両が中間車からの改造でまかなわれていますが、こちらについては連結運転に対応するため先頭部分に貫通路を持つ独特な構造となっています。また、路線のPRの一環として一部編成に車体ラッピングがなされているのも特徴となっています。


加古川線の撮影を終えた後は再びJR神戸線で東へ向かいました。


▼参考
兵庫県/ 鉄道・車両交通
姫新線姫路上月駅間電化促進期成同盟会
みんなの願い播但線早期電化
智頭急行株式会社

▼関連記事:「関西旅行2010」
神戸市営地下鉄 - 関西旅行2010(1)(2010年10月2日)
姫路城「平成の大修理」 - 関西旅行2010(2)(2010年10月8日)
姫路市のマンホール - 関西旅行2010(3)(2010年10月17日作成)

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