中央線グリーン車連結に向けた12両化工事2020(4)西八王子~大月

紅葉深まる四方津駅に入線するE233系

2023年度のサービス開始を目標に行われている中央線グリーン車連結のためのホーム延伸工事のレポートの続きです。4回目の今回は中央線西八王子駅から大月駅までの各駅の工事の状況と車両改造について解説します。

中央線の路線概況

グリーン車連結に伴う12両化と基本的な方針

各駅の工事状況 (1)東京~吉祥寺間

1回目の記事を参照

各駅の工事状況 (2)三鷹~八王子間

2回目の記事を参照

青梅線の路線概況

各駅の工事状況 (3)青梅線西立川~青梅間

3回目の記事を参照

各駅の工事状況 (4)西八王子~大月間

中央線西八王子~大月間のホーム延長箇所一覧
中央線西八王子~大月間のホーム延長箇所一覧 ※クリックで拡大

 1回目の記事でも説明した通り、高尾駅から先の中央線は急勾配と急カーブが連続する山越えの区間になります。この区間は人家の数も大きく減るため、運行本数も20~30分に1本へ大幅に減少します。一方で速度差が大きい列車が同じ線路走行することから、待避線はこれまでの区間と同様2~3駅ごとに設けられていました。これらの待避線の中には使用頻度が非常に低い線路もあったことから、ホーム延長スペースの確保も兼ねて統廃合が実施されています。
 この区間は今年11月15日が最初の調査になりました。本来であればもっと早い時期の調査を予定していたのですが、新型コロナウイルス感染拡大による春先の外出自粛要請・緊急事態宣言もあり、調査開始が大幅に遅れてしまいました。このため既にホーム延長工事が完了している駅もあります。

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西八王子駅
西八王子駅大月寄りで進むホーム延長工事
西八王子駅大月寄りで進むホーム延長工事

 西八王子駅は対向式ホーム2面2線となっています。両ホームとも高尾寄りに2両分ホームを延長します。10月調査時はコンクリート床版まで設置が完了していました。

JC
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高尾駅
高尾駅構内配線の変更イメージ
高尾駅東京寄りのホーム延長予定地。干渉する一部のポイントは移設される予定。
1番線隣の留置線は5本のうち2本が廃止される。
左:高尾駅構内配線の変更イメージ
右上:高尾駅東京寄りのホーム延長予定地。干渉する一部のポイントは移設される予定。
右下:1番線隣の留置線は5本のうち2本が廃止される。
上:高尾駅構内配線の変更イメージ
中:高尾駅東京寄りのホーム延長予定地。干渉する一部のポイントは移設される予定。
下:1番線隣の留置線は5本のうち2本が廃止される。

 高尾駅は前述の通り東京発の快速の大半が折り返す運行上の境界駅となっています。ホームは島式2面4線となっており、一番北側の1番線は行き止まりになっていることから、東京方面から来る快速の折り返し専用ホームとなっています。1番線の車止めの先には北口駅舎があり、ホームの半分は改札口と地続きになっています。残りの2~3番線は稀に特急の停車があったことから11両まで対応しています。当駅のホームはいずれも東京寄りに延長します。ホーム延長予定地にはポイントがあるため、移設を行います。
 また、高尾駅の周囲には当駅止まりの電車を収容する留置線が合計で7本設けられています。このうち下り通過線に隣接している1本以外は全て10両分の長さしかありません。今回の12両化工事では、地権者との交渉や建物の解体に時間を要する民有地の買収は行わない方針であることから、高尾駅については留置線の本数を3本に削減して現状の用地内で有効長の延長を行うことになりました。これに伴う留置能力の減少は、前回の記事で説明した青梅線拝島駅構内に新設する留置線で補うことになっています。


高尾駅北口駅舎は今後東浅川仮停車場跡地に移築されることになっている。

 なお、現在高尾駅では北口駅舎を撤去して駅上部に自由通路を備えた新駅舎を建設する計画が進められています。この事業については2014(平成26)年6月に八王子市・JR東日本・京王電鉄の3者間で協定が締結されたものの、昨今の建設費の大幅な高騰を受けて着工が延期されており、現在は駅前広場の整備が一部行われるに留まっています。
 一方、撤去予定である高尾駅北口駅舎は1927(昭和2)年に建設されれた大変古いもの※1で、計画発表後は市民や議会から保存要望が出されました。これを受け八王子市では現北口駅舎の保存・活用について検討を行い、当駅~西八王子駅の中間地点にある東浅川保健福祉センター第二駐車場(陵南会館、旧東浅川仮停車場跡地)に移築する方針が示されています。

▼脚注
※1:元々は大正天皇の大喪列車の始発駅として新宿御苑(現在の千駄ヶ谷駅付近)に作られたもので、使用後当駅に移築した。同じ目的で建設された東浅川仮停車場の駅舎は現地にそのまま残されていたが、1990(平成2)年に過激派のテロで爆破された。




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相模湖駅
相模湖駅大月寄りのホーム延長部分。 東京寄りホーム端。右の下りホームはごくわずかながら延長され、立っている上りホームも端まで使い切れるよう改修されている。
左(1):相模湖駅大月寄りのホーム延長部分。
右(2):東京寄りホーム端。右の下りホームはごくわずかながら延長され、立っている上りホームも端まで使い切れるよう改修されている。


 相模湖駅は下り線が片面ホーム、上り線が島式ホームの2面3線となっており、上り線のさらに北側に回送列車などが使う待避線と保守機材線があります。駅南側の相模湖湖畔には相模湖リゾートプレジャーフォレストなどの観光施設もあることから、特急が臨時停車することもありホームは3線とも11両に対応しています。
 当駅はいずれのホームも端に若干未使用部分があったことから、下りホームは両方向に0.5両分ずつ、上りホームは大月寄りに0.5両分延長し、既存ホームの再整備と合わせて12両分の有効長を確保します。10月調査時はいずれもホームの舗装までほぼ終わっており、ホーム先端の笠石の取り付けをわずかに残すのみとなっていました。

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藤野駅
藤野駅大月寄りで延長されたホーム。 下り線の延長部分は非常に狭い。
左(1):藤野駅大月寄りで延長されたホーム。
右(2):下り線の延長部分は非常に狭い。


 藤野駅は島式ホーム1面2線で、ホーム幅が狭いことから下り線の停止位置を大月寄りに4両分ずらすことで乗降客の滞留空間を確保しています。当駅は上下線とも大月寄りに2両分ホームを延長します。工事は昨年までに完了しており、延長部分にも入れるようになっています。下り線側は線路間隔が狭くなっていく場所でホームを延長したため幅が1.5mほどと非常に狭くなっており、ホーム端では点字ブロックの内側に立てる場所がほとんどありません。

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上野原駅
上野原駅東京寄りで延長中の上りホーム。 下りホームの延長工事は完了している。右の待避線は延長部分にポイントが干渉するため廃止された。
左(1):上野原駅東京寄りで延長中の上りホーム。
右(2):下りホームの延長工事は完了している。右の待避線は延長部分にポイントが干渉するため廃止された。


 上野原駅は島式ホーム1面2線で、上りホームは11両に対応しています。理由は不明ですがホーム幅は通常の島式ホームの3倍ほどあり、ホーム上に改札口があるという特殊なレイアウトになっています。また、下り線の外側に回送列車などが使用する待避線と行き止まりの留置線が1本ずつあり、駅の前後には片渡り線を設けることで上下線双方から入線・出発が可能となっていました。
 当駅は東京寄りで2両分ホームを延長します。下り線から待避線へ分岐するポイントがホーム延長予定地に重なっていましたが、当駅の待避線は使用頻度が非常に低かったことから、ポイントの移設はせずに待避線自体を廃止する方法がとられました。待避線のポイント撤去と並行してホームの建設も進められており、下り線側は補装まで完了しています。

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四方津駅
四方津駅2番線東京寄りで延長されたホーム。 大月寄り1・3番線で進むホーム延長工事。
左(1):四方津駅2番線東京寄りで延長されたホーム。
右(2):大月寄り1・3番線で進むホーム延長工事。


 四方津駅は相模湖駅と同じく下り線が片面ホーム、上り線が島式ホームの2面3線となっています。中線は上下線双方から進入・進出が可能となっており、普通列車が特急の通過待ちを行っています。また、上り線の外側には保守機材線があり、東京寄り(横取り装置)で本線と接続されています。
 当駅は特急が全て通過していましたが、ホーム自体はいずれも11両分の長さが確保されていました。現在は最大で10両しか停車しないため、使用しない部分についてはメンテナンスが行われておらず、荒廃が進んでいました。当駅ではこの放置されていた部分の再整備と1両分のホーム新設により12両化を行います。東京寄りは保守機材線の合流に加えて半径500~600mのカーブになっていること、大月寄りは中線の合流部分が近接していることから、下りホームは大月寄り、上りホームは2番線が東京寄り、1番線が大月寄りでそれぞれホームを延長する変則的なレイアウトになります。
 工事は昨年春から開始されており、下りホーム大月寄りと上りホーム東京寄りでは延長部分がほぼ完成しています。ホーム延長に合わせて客車用に作られていた低いホーム(レール面+92cm)を電車用(同110cm)にかさ上げする工事と跨線橋へのエレベーター新設も進められています。

四方津駅ではホームのかさ上げ・橋上駅舎へのエレベーター設置も進む。
四方津駅ではホームのかさ上げ・橋上駅舎へのエレベーター設置も進む。

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梁川駅
移設された梁川駅上り線の閉塞信号機。 下り線も新しい信号機が準備されている。
左(1):移設された梁川駅上り線の閉塞信号機。
右(2):下り線も新しい信号機が準備されている。


 梁川やながわ駅は島式ホーム1面2線の無人駅で、東京寄りのホーム端に跨線橋と駅舎があります。当駅は両方向とも線路間の余裕が少ないことから、両方向に1両分ずつホームを延長します。現在は信号機をホーム延長予定地の先に移設する作業が進められており、上り線については新しい信号機の使用が開始されています。

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鳥沢駅
ホーム延長工事が完了した鳥沢駅。左の下り待避線は廃止されており本線との接続も切られている。 ホームをギリギリまで使い切れるよう東京寄りのホーム端も改修された。
左(1):ホーム延長工事が完了した鳥沢駅。左の下り待避線は廃止されており本線との接続も切られている。
右(2):ホームをギリギリまで使い切れるよう東京寄りのホーム端も改修された。


 鳥沢駅は島式ホーム1面2線で、下り線の外側に待避線があり稀に回送列車などが時間調整に使用していました。当駅は大月寄りに2両分ホームを延長します。ホーム延長工事の着工に先立つ2017年春には待避線が廃止されており、現在は本線との接続も切られています。信号機や線路の移設が無かったことから、ホーム本体の工事は高尾駅以西では最速となる2018年12月に着工しており、現在は全ての設備が完成し自由に入れるようになっています。また、都内の一部駅と同様ホームの長さを一杯まで使えるよう東京寄りのホーム端についても改修が行われています。
 なお、当駅のホームも四方津駅と同様客車用の高さとなっていましたが、かさ上げが行われたのは延長部分に近接した1両分のみに留まっています。今後残る部分のかさ上げが行われるかについては不明です。

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猿橋駅
猿橋駅東京寄りのホーム延長予定地。現在のところ工事は行われていない。
猿橋駅東京寄りのホーム延長予定地。現在のところ工事は行われていない。

  猿橋駅は島式ホーム1面2線で、上下線それぞれの外側に待避線が1本ずつあります。駅舎は大月寄りのホーム端の線路上部にあり、階段やエレベーターもそちら側にオフセットされています。当駅は東京寄りに2両分ホームを延長します。現在のところ工事は何も行われていません。

JC
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大月駅
大月駅4・5番線のホーム端から甲府方面を見る。今後放置されているホーム端を整備する。 大月駅上り線隣の留置線は甲府寄りの本線との接続が切られており、車止めを設置して12両に対応させる。
左(1):大月駅4・5番線のホーム端から甲府方面を見る。今後放置されているホーム端を整備する。
右(2):大月駅上り線隣の留置線は甲府寄りの本線との接続が切られており、車止めを設置して12両に対応させる。


 東京発の快速が乗り入れる西端となる大月駅は、下り線が片面ホーム、上り線が島式ホームの2面3線となっています。下りホームの南側には富士急行線の島式ホームがあり、車止めの先が下りホームに通じる乗り換え改札となっています。富士急行線は中央線から一部の特急(富士回遊)・快速(朝の上りと夜の下り1本)が乗り入れを行っており、甲府寄りに連絡線が設けられています。乗り入れを行う列車は上下線ともJR線ホームから発車します。ホームは富士急行・JRで通し番号となっており、JRは3~5番線となっています。また、上り線の北側には留置線が3本あります。
 当駅は特急が停車するためいずれのホームも12両分の長さがありますが、中線の4番線は通常特急列車が入線しないため10両分のみ整備が行われていました。未使用部分については屋根がないほか、甲府寄りのホーム端ではホームのかさ上げが行われていないことから、今後営業運転に対応するよう整備が行われます。また、北側の留置線の一部は12両対応に延長されることになっています。11月訪問時には一番ホームに近い留置線の甲府寄りで本線との接続が切られており、今後跡地に車止めを設置して12両の入線に対応させるものと思われます。

車両の改造も進む

中央線グリーン車組み込みによる編成構成の変更
中央線グリーン車組み込みによる編成構成の変更

 地上設備の改修と並行して、グリーン車が組み込まれる中央線のE233系0番台電車の改造も進んでいます。1回目の記事でも触れたとおり、グリーン車は東京寄りから見て4・5両目に増結されます。増結されるグリーン車は他の路線と同じく2階建てで、東京駅での折り返し時間が非常に短いことから、乗降時間の短縮を目的に初の両開きドアが採用される予定です。

グリーン車組み込みに備えてトイレが増設されたモハE233-850(H50編成)
増設されたトイレの内部(サハE233-542)。車椅子に対応したJR東日本の普通列車トイレの標準的な設備。
運転台助手席側に増設されたホームドア連携用無線装置(上)とホームドア連携・分離切替スイッチ(右下)
左:グリーン車組み込みに備えてトイレが増設されたモハE233-850(H50編成)
右上:増設されたトイレの内部(サハE233-542)。車椅子に対応したJR東日本の普通列車トイレの標準的な設備。
右下:運転台助手席側に増設されたホームドア連携用無線装置(上)とホームドア連携・分離切替スイッチ(右下)
上:グリーン車組み込みに備えてトイレが増設されたモハE233-850(H50編成)
中:増設されたトイレの内部(サハE233-542)。車椅子に対応したJR東日本の普通列車トイレの標準的な設備。
下:運転台助手席側に増設されたホームドア連携用無線装置(上)とホームドア連携・分離切替スイッチ(右下)

 一方、既存編成については東海道線などと同様にグリーン車に隣接する普通車(6号車の7号車寄り)にトイレが増設されます。中央線のE233系0番台は10両固定編成(T編成)と6両+4両に分割可能な編成(H編成)の2種類があります。トイレ増設改造は2018年以降進められており、改造に合わせて固定編成では従来6号車に連結されていたサハE233形500番台が4号車(将来の6号車)に連結位置が変更、分割可能編成では4号車(同)のモハE233形200番台が800番台に改番されています。1回目の記事の初稿で図・説明に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。増設されたトイレはしばらく締め切りとなっていましたが、武蔵小金井の留置線の汚水処理設備が完成したことから、今年3月14日のダイヤ改正より使用が可能となっています。トイレは他の路線と同じく車椅子に対応したサイズとなっており、入口と反対側の3人掛け座席は撤去され車椅子・ベビーカースペースとなっています。
 このほか、グリーン車の組み込み作業が容易にできるよう、3号車と4号車の間の連結器が半永久連結器(連結器どうしをボルトで固定)から通常の密着連結器に交換されています。また、1回目の記事でも説明した通りホーム延長量の削減および近い将来のホームドア設置に備えて、TASC・ホームドア連携用のUHF無線装置も搭載されています。

豊田車両センターで並ぶピンチヒッターの209系1000番台(左)とE233系0番台 常磐線時代の209系1000番台。
左(1):豊田車両センターで並ぶピンチヒッターの209系1000番台(左)とE233系0番台
右(2):常磐線時代の209系1000番台。2008年1月6日撮影
 

 このグリーン車組み込み準備改造は、車体に手を加えることからある程度長い期間工場に入場する必要があります。改造期間中の予備車両を確保する目的で、2019年1月より209系1000番台2編成が転入しています。209系1000番台は常磐線各駅停車・東京メトロ千代田線直通で使用されていたもので、ちょうど同時期に千代田線内のホームドア設置・ATO化により同線での運用ができなくなったことから中央線E233系の代役に抜擢されたものです。ドアの半自動開閉機能が無いことから、通常は中央線東京~高尾間のみの限定運用※2となっています。
 なお、これでも予備車両が不足することから、今年6月には12年ぶりとなるE233系0番台の新造車(T71編成)が登場しています。このT71編成は、中央線の現行車両と細部の仕様が合わせられている一方、4号車にはトイレが設置されていないなど不可解な点も多々見られます。今後他車と同じく改造を行い残留するのか、改造期間終了後は別の路線に転出するのか注目されます。

▼脚注
※2:運転台編成札の裏面には「東京~高尾・宮ノ平限定運用車」の紙が貼られており、ダイヤ乱れ時には稀に青梅線にも入線することがある。また、試運転では大月まで入線している。


調査を終えて

東京駅中央線快速到着・発車 これが日本一の過密ダイヤだ! - YouTube

 中央線グリーン車連結に向けた全44駅の工事の状況をお伝えしました。明らかに「行き当たりばったり」で計画が立てられたように見えた本プロジェクトですが、ようやく目に見える形で進捗が確認できるようになってきています。新型コロナウイルス拡大を機に、首都圏では通勤スタイルが大きく変化しており、鉄道各社では今後も利用者数が戻らないことを前提にした経営計画を立て始めています。一方で、リモートワークの定着を機に一時は見放されていた郊外での居住に回帰するという見通しもあり、長距離の通勤需要の推移については現時点では見定めることが困難です。今後はこれらの社会情勢の変化を踏まえつつ、実際の運行ダイヤなど細部が詰められていくものと思われます。現在のダイヤでは上記動画のように最短1分となっている朝ラッシュ時の東京駅での折り返しをどう処理するかを含め、今後の発表に注目してまいりたいと思います。
 本プロジェクトは、これまで弊サイトで取り上げてきたような民鉄線での車両増結などと比べるとあまりにも対象範囲が広すぎるためか、(恐らく筆者の皆様各々が普段利用しているであろう)個々の駅の工事の進捗についての情報はちらほら出てきていたものの、「全区間全駅まとめ」という本記事のようなレポートは存在しなかったのではないかと思います。11月の高尾駅以西の調査では、えきねっとチケットレスサービスを使い、E353系の車体傾斜システムの空気消費の激しさ※3を体感しながら大月へ向かいました。このように近年登場した新しい技術を体験できるのも遠隔地への取材の醍醐味であると考えています。感染症の状況を注視しつつ、無理のない範囲で今後も調査を継続してまいります。

▼脚注
※3:E353系はカーブでの車体傾斜システムによる空気消費量増加に対応するため12両編成中11両にコンプレッサーを搭載しているが、それでも供給はギリギリであり高尾駅以西では駅間で3回以上コンプレッサーが起動することもあった。空気消費量の多さは試運転時にも問題となっており、初号編成の落成から営業運転の開始まで4年も要する原因となった。


▼参考
中央快速線等へのグリーン車サービスの導入について - JR東日本ニュースリリース(PDF/149KB)
中央快速線等へのグリーン車サービス開始時期および車内トイレの設置について - JR東日本ニュースリリース(PDF/298KB)
JR東日本,中央快速線用E233系0番台トイレ設置車が公開される|鉄道ニュース|2019年5月24日掲載|鉄道ファン・railf.jp
中央快速線用のE233系0番台T71編成が登場|鉄道ニュース|2020年6月12日掲載|鉄道ファン・railf.jp
中央快速線グリーン車導入~東京西部エリアの更なる鉄道サービスの向上に向けて~ - 日本鉄道施設協会誌2019年1月号64~67ページ
中央快速線グリーン車導入に伴う地上設備改修工事 - 土木施工2019年11月号93~96ページ 
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