山手線ホームドア導入と課題



先月3日、JR東日本は山手線へのホームドア(可動式ホーム柵)導入を発表しました。この記事では山手線ホームドア導入の概要とその課題について述べていきたいと思います。

写真
山手線E231系500番台(有楽町)

ホームドア設置・今後のスケジュール

JR東日本から発表されたプレスリリースによるとホームドアは山手線の全駅に導入される予定で、本導入に先立ち来年度末から3年間恵比寿・目黒の2駅に先行導入し、動作確認や列車運行への影響を検証した後、2013年度から本格導入に着手するとのことです。導入されるホームドアは柵部分の一部を非常脱出口とし、故障対策として遠隔監視システムが整備される予定となっています。
また、車両側のドアの開口幅は1.3m、ホームドアの開口幅は2.0mであることから山手線で使用されているE231系500番台全編成に定位置停止装置(TASC)を追加搭載し、停止位置精度をプラスマイナス35cm以内に向上させるとともに駅側の機器との連動を可能とする計画です。

▼参考
山手線への可動式ホーム柵の導入について - JR東日本

導入への課題

1、車両のドア位置の不整合

山手線6ドア車(サハE230-506)

京浜東北線と併走する田町~田端間では年1回程度「リフレッシュ工事」と称して山手線・京浜東北線どちらか一方の線路を使用して運行することがあります。山手線のE231系500番台では7・10号車に6ドア車が入っていますが、現在京浜東北線に導入が進みつつあるE233系1000番台は10両編成全てが4ドア車(※)となっており、どちらか一方の路線に合わせてホームドアを設置するともう一方の路線の車両のドアと位置が合わなくなってしまいます。このためホームドア導入に際しては山手線の6ドア車全てを4ドア車に交換する予定となっています。代わりの車両を新造するのか他線の車両と差し替えるのかなど詳しい方法はまだ明らかになっていません。
なお、恵比寿駅・目黒駅への先行導入時には6ドア車がまだ残っているため7・10号車の部分にはホームドアが設置されない予定です。

※209系では5号車に6ドア車が入っている。E233系で6ドア車が省略されたのは5年後に予定されている東北縦貫線(上野~東京間)の開業による混雑緩和を睨んだものと考えられる。ちなみに209系は山手線ホームドア導入完了時には全車撤退している。


先頭車両のドア位置も合わない

また、山手線E231系500番台と衝撃吸収構造が採用された京浜東北線E233系1000番台では先頭車両のドア位置も大幅にずれています。(座席数にして2名分。)この部分の対応については前記のプレスリリースで言及されておらず、今後の動向が注目されます。

2、ホーム先端部分の強度不足

ホーム構造の例(コンクリートで覆われているがこの中は土が詰まっている)

山手線は建設が古く、各駅でホームの構造がバラバラになっています。また、品川駅のように一見コンクリート構造のように見えてもそれは一番外側の部分だけで中は土砂が充填されているなど、ホームドアを固定するだけの強度が無い駅がほとんどです。そのため、ホームドア設置に際してはホーム先端部分の改良を行う予定です。

3、幅が狭いホーム

先端が狭いホームの例(目白駅)

山手線は増車を繰り返してきた経緯から、ホーム先端部の幅が非常に狭い駅があります。(写真の目白駅では2mほどしかない)このような駅でそのままホームドアを設置するとさらにホームが狭くなることとなり、ただでさえ酷い山手線の混雑に拍車をかけることが予想されます。この点についても前記プレスリリースでは特に言及されていませんが、利用者同士のトラブル防止のためにも改良を願いたいところです。
(ここでネックとなるのは費用。)
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