【第2報】【写真】東北地方太平洋沖地震、千葉市内の様子
公開日:2011年03月12日21:46

昨日、三陸沖を震源とするM8.8という未曽有の巨大地震「東北地方太平洋沖地震」について千葉市内の様子を撮影した動画3本を速報として掲載しました。発生から1日が経過した本日も若干取材を行いましたので、昨日撮影分とも合わせて写真を掲載したいと思います。なお、写真は特記したもの以外は昨日(3月11日(金))に撮影したものとなります。
▼関連記事
【速報】【動画】東北地方太平洋沖地震、千葉市美浜区の様子 (2011年03月11日作成)
▼参考
千葉市:千葉市公式サイト トップページ
■美浜区の激しい液状化現象
千葉市美浜区はそのほとんどが1970年代に東京湾を埋め立てることにより造成された土地で、海抜はどの地点も5m程度と非常に低く、地下水位が高いのが特徴です。このため、今回の地震では各所で激しい液状化現象が発生し、地面から泥混じりの水が大量に噴出しました。噴出箇所はアスファルトの亀裂、タイルの目地など強度の弱い部分のほか、地下深くへ通じる電柱の根元や建物基礎付近が主なもので、平らな場所に噴出した箇所では火山の噴火口のような円錐状の砂の丘(噴砂丘)が形成されました。噴出していた泥は粒子の細かい砂がほとんどで、水を含んだ状態では粘度が高く、泥水の上を歩いたり自転車に乗って通行するのは極めて困難な状態でした。場所によっては道路の幅一杯に泥が流れている箇所もあり、迂回せざるを得ない場合も多々ありました。
地震発生から1日経過した今日12日(土)は泥水の噴出はほぼ収まり、日差しが強かった場所では早くも乾燥し始めています。乾燥した砂は粒子が細かいため、車が通過したときの弱い風でも容易に舞い上がるため、この付近を徒歩や自転車で移動する際はマスク・ゴーグル等で防備することをお勧めいたします。


左:アスファルト舗装と縁石の境界部分からの噴出(美浜区真砂)
右:歩道上に多数出現した噴砂丘(美浜区高洲)
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左:泥水の噴出により車道の片側が埋没(美浜区高洲)
右:噴出した泥水が乾燥した状態。細かい粒子であるため風で容易に舞い上がる。(美浜区幸町、3月12日)
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左:公園の芝生から噴出した泥水(美浜区幸町)
右:電柱の根元から噴出した泥水(美浜区高洲)
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左:店舗前で発生した激しい噴砂(美浜区幸町)
右:噴砂により地盤沈下が発生し、歩道と大きな段差ができた医院入口(美浜区真砂)
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左:盛り上がったアスファルト舗装と点字ブロック(美浜区真砂)
右:歩道入口のポール・縁石とアスファルト舗装の目開き(美浜区高洲)
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このほか、液状化までは至らなかったものの地盤の隆起や沈下などの変位は各所で発生しており、路面の舗装が大きく盛り上がったり、埋設されている構造物同士に大きな隙間ができた場所もありました。
■京葉線稲毛海岸駅前の状況



左:稲毛海岸駅と駅前広場に避難した人々
中:倒壊した防音壁
右:イオンマリンピアのイベントスペースに集まっている人々
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地震発生直後より東北地方から首都圏にかけての鉄道路線はすべて運転を見合わせました。京葉線稲毛海岸駅では地震により上り線ホーム(2番線)の防音壁1箇所が倒壊し、その他の施設にも余震により被害が発生する可能性が出てきたため利用客は駅の外にすべて避難させられ、駅構内を立ち入り禁止にする措置がとられました。また、駅前にあるショッピングセンター「イオンマリンピア」でも一旦全ての客を外に避難させていたようで、半地下になっているイベントスペースには大勢の人が集まっていました。
■コスモ石油千葉製油所の火災による影響

美浜区新港から見たコスモ石油千葉製油所の火災による黒煙
千葉市の南方、市原市にあるコスモ石油千葉製油所では地震発生直後に大規模な火災が発生し、一時千葉市内でもその爆発音が聞き取れました。Twitterやメールではこの黒煙について「有害物質が含まれている」という情報が一時出回りましたが、コスモ石油の自社Webページでこれは否定されており、完全なデマであったものと思われます。
▼参考
ココロも満タンに コスモ石油
→通常のTOPページの代替として表示されているため時間経過とともに内容が変わる可能性あり
■地震発生翌朝の美浜区内

給水車から飲料水の供給を受ける人々(美浜区幸町、3月12日)
液状化現象が発生したため、美浜区内では各所で水道管が破損しており11日の夜から断続的に断水や水圧の低下が発生しました。断水の世帯数は一時、8万8千世帯にのぼり、翌12日の朝には給水車も出動しました。
▼参考
千葉県水道局/千葉県

大渋滞の国道14・357号線(3月12日)
地震発生から一夜明けた12日(土)早朝の時点ではまだJR総武線・京葉線は運転を見合わせており、この2路線に並行する形で美浜区内を通る国道14・357号線の上り線は大渋滞となりました。
■地震発生翌朝の総武線稲毛駅


左:営業休止となったペリエ稲毛(3月12日)
右:稲毛駅改札口前の運行情報ディスプレイはNHK総合テレビを放映(3月12日)
※クリックで拡大
JR総武線は12日(土)8時頃に各駅停車から運転を再開しました。運行本数は通常の5割程度となっており、前日に東京都心から帰れず一夜を過ごした人たちで大混雑しました。(都内の駅では入場制限も行われた。)駅の改札口前にある大型ディスプレイでは遠方に親類を持つ利用者に被害の情報を伝達するためなのか、通常の運行情報ではなくNHK総合テレビがそのまま放映されており、津波で壊滅した宮城県沿岸部の様子が表示されていました。なお、駅の高架下にあるショッピングセンター「ペリエ稲毛」は終日営業取りやめとなっていました。
▼参考
JR東日本:東日本旅客鉄道株式会社
今回の地震では筆者の自宅でも食器が棚から落ちて割れたり、家具が落下するなどの被害がありました。回数は減少したものの、まだ余震は発生しているため引き続き安全に気をつけて行動してください。
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テーマ:地震・天災・自然災害 ジャンル:ニュース
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