京王線調布駅地下化まであと1週間!記念入場券が発売

調布駅地上ホームに停車中の京王線・相模原線の列車。ホーム先端には最後の風景を記録する人たちが集う。

来る2012年8月19日(日)に京王線調布駅周辺の線路が地下化されます。これを記念して切替1週間前となった11日(土)に調布・布田・国領の各駅で記念入場券が発売されました。今回はこの記念入場券発売の模様と19日(日)の切替工事と切替後のダイヤに関する簡易レポートをお送りいたします。なお、地下化工事の詳しい内容については今年4月に調査を行っておりますのでそちらの記事をご覧ください。

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京王線調布駅地下化工事(2012年4月7日取材)(2012年4月22日作成)

■地下駅切替記念入場券が発売
11日に発売された記念入場券。上段が表面、下段左が内面、右が裏面。
11日に発売された記念入場券。上段が表面、下段左が内面、右が裏面。 11日に発売された記念入場券。上段が表面、下段左が内面、右が裏面。
11日に発売された記念入場券。上段が表面、下段左が内面、右が裏面。
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 今回発売された記念入場券は「調布駅付近連続立体交差事業地下駅切替記念入場券」という名称で、調布版・布田版・国領版のデザインの異なる3種類が発売されました。発売数量は調布版が3,000セット、布田版・国領版が2,000セットずつとなっており、布田版・国領版はともに1900セットが調布駅で、100セットがそれぞれの駅で発売されました。いずれも大人の入場券(120円)が2枚、小人の入場券(60円)が1枚の3枚セットになっており、台紙は表面が地下化後のホームのCG図、内面が歴代の各駅駅舎・ホームの写真、裏面が各駅近傍の現在の風景や工事中の様子などが掲載されています。

調布駅中央口前の販売窓口 購入待ちの列は調布駅前ロータリー内を飛び出し、駅西側の踏切近くまで延びた。
左:調布駅中央口前の販売窓口
右:購入待ちの列は調布駅前ロータリー内を飛び出し、駅西側の踏切近くまで延びた。

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 記念入場券の発売日時は3駅とも8月11日(土)午前7時からで、最も発売数量がtが多い調布駅では一時800人近い行列ができ、購入待ちの列は駅前ロータリー内だけでは収まらず、一時的に駅西側の踏切近くまで延びました。この手のグッズとしては珍しく列に並んでいるのは地元住民の方が多く、事業に対する関心や期待の高さが伺えるところとなりました。
 ちなみに、筆者はこれに備えて当日朝5時に自宅を出て調布駅に向かいましたが、当日は京王線南平~平山城址公園間で夜間の保守作業が遅れたため列車のダイヤが大幅に乱れており、購入できるかどうかが危ぶまれました。結果は2時間ほど待った後、残り200セット程度のところで3駅分全てを購入することができ、辛うじて無駄足とならずに済みました。(筆者はこの後その足で有明であった某イベントの入場列にも長時間並んだため、首や腕を激しく日焼けをしてしまう結果となりました。)

■地下化当日の運転変更



地下化当日の運休区間と振替・代行輸送
地下化当日の運休区間と振替・代行輸送
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調布駅地下化当日の19日(日)は線路の切替作業時間の確保のため初電から午前10時頃まで京王線・相模原線ともに列車の大幅な運休が実施される予定となっています。(荒天等で実施できない場合は9月2日(日)に延期予定。)運休する区間と時間帯は以下の通りです。

(1)京王線八幡山~つつじヶ丘間:初電~6時頃
(2)京王線飛田給~府中間:初電~7時頃
(3)競馬場線東府中~府中競馬正門前(全線):初電~8時頃
(4)京王線つつじヶ丘~飛田給・相模原線調布~京王稲田堤:初電~10時頃


また、これ以外の区間についても以下の通り一部運行が変更されます。

(1)京王線新宿~八幡山:10~15分間隔の折り返し運転
(2)京王新線・都営新宿線直通:全列車笹塚駅で折り返し
(3)京王線府中~京王八王子・高尾山口:10~15分間隔の折り返し運転
(4)相模原線京王稲田堤~若葉台:40分間隔の折り返し運転(単線運転
(5)相模原線若葉台~橋本:10~15分間隔の折り返し運転


運休区間については他社線による振替輸送のほか、バスによる代行輸送(運行間隔は5~10分)が行われる予定です。バス代行輸送は八幡山~府中が約90分、調布~京王稲田堤が約30分と所要時間が通常の倍以上かかり、混雑も予想されるため京王電鉄では他社線への振替輸送の利用を推奨しています。
 なお、振替輸送を利用する際はSuica・PASMOなどのICカードで入場してしまうと振替輸送の利用であるか否かを判断できなくなってしまう(=振替輸送の対象にならない)ため、まず京王線の乗車券(普通乗車券・回数券・定期券)を持って京王線各駅で振替乗車票を受け取り、他社線の駅に向かう必要がありますのでご注意ください。

■地下化と同時にダイヤ改定

今回の地下化により調布駅は上下線が2層構造となり、京王線と相模原線の平面交差が解消される一方、上下線の接続が無くなってしまうことから相模原線の折り返しが不可能となります。これらの設備変更に対応するため地下化と同時に現行のダイヤをベースにしたダイヤ改定が実施される予定となっています。ダイヤ改定の主な内容としては

(1)調布駅の平面交差に伴う信号待ち停車・遅延の解消
→ダイヤ面上の所要時間は大幅な短縮などはなく現行通りとなる模様です。

(2)調布止まりの相模原線は折り返し場所を変更
→現在発表されている各駅の時刻表からダイヤグラムを起こして検討した結果、折り返し場所はつつじヶ丘駅である可能性が高いと考えられます。(調布~つつじヶ丘間はこの回送列車を通すため運行間隔が広がっている部分がある。)つつじヶ丘駅は調布方面に直接出られる折り返し線は無く、これまでと同様本線上で折り返す必要があります。このため、つつじヶ丘駅到着後は本線を長時間占有しないよう2分程度で折り返す必要があり、現在と変わらない“曲芸的”な運行が要求されることになります。

(3)特急の運転休止
→東日本大震災にともなう電力不足により2011年7~9月にかけて運行を休止し、それ以後も土休日朝の1往復のみとなっていた特急は、今回のダイヤ改定で再び設定が無くなり運転休止となっています。

なお、4月の記事で触れた相模原線京王多摩川駅付近の片渡り線は予想に反して今回のダイヤ改定では全く使用されない模様です。(発表されたダイヤと照らし合わせた結果、調布駅発車列車と完全に正対する格好となっている。)今回のダイヤ改定はあくまで暫定的なものであり、今年度中に再度白紙ダイヤ改正を実施する予定となっています。地下化される調布・布田・国領の各駅ではホームドアの使用も開始することになっており、これら設備が運行に与える影響も精査したうえで新たなダイヤが作成されるものと思われます。

今回は時間の都合上工事に関する調査は行っておりません。19日の地下化完了の際に改めて詳しい調査を実施し、完了次第ブログ上にアップする予定です。(新規の調査個所が多いため、恐らく2記事構成になると思われます。)どうぞご期待ください。

▼参考
調布駅付近連続立体交差事業 - 京王電鉄
調布駅付近連続立体交差事業における地下線への切替え工事に伴う一部列車運休についてのお知らせ - 京王電鉄
調布駅付近の地下化切替工事に伴う京王線一部運休時の振替輸送のご案内 - 京王電鉄
「調布駅付近連続立体交差事業地下駅切替記念入場券」を発売します - 京王電鉄

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