東京駅(現地写真・その2) - 京葉線新東京トンネル(23)


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■東京駅:-0km224m66~0km225m08(L=449.74m)
▼参考
京葉線工事誌 25~32・841~863ページ
京葉線東京地下駅の設計・施工計画について 東工35-2(昭和60年3月)5~29ページ 日本国有鉄道東京第一工事局刊
京葉線東京地下駅における地下連続壁の本体利用について 東工36-2(昭和61年3月)71~73ページ 日本国有鉄道東京第一工事局刊
京葉都心線東京地下駅の施工 建設の機械化1989年1月 22~29ページ 

●概説
東京駅(概説・その1)東京駅(概説・その2)をそれぞれ参照。

●現地写真(地上)
東京駅(現地写真・その1)

●現地写真(地下(改札外))

左:1番出入口へ通じる通路。
中:東京国際フォーラム地下階に通じる4番出入口。
右:東京ビル(TOKIA)地下階へ通じる11番出入口。3枚とも2009年7月5日撮影

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地下1階はある地上出入口や東京駅本体との連絡通路がすべて接続するが、周辺がオフィス街ということもあり八重洲側にある東京駅本体との改札内連絡通路以外は人通りが極端に少ない。6か所ある地上出入口のうち、4番東京国際フォーラム地下階へ通じるもので1997(平成9)年の東京国際フォーラム開業の際新設された。また、11番は2005(平成17)年の東京ビル(TOKIA)の地下階に通じるもので2005(平成17)年の同ビル建て替えに伴い新設された。なお、1997年の4番出入口新設までは京葉線東京駅と地上をつなぐエレベータがなく、車いすでの利用が困難であったが、現在は同出入口に加え11番出入口と八重洲側の改札内連絡通路にもエレベータが設置されたため、東京駅に乗り入れる他線との乗り換えにおいても完全なバリアフリーが実現している。


左:八重洲口改札。この背後が1番出入口となる。床面には房総半島の絵が描かれている。
右:丸の内口改札。こちらのほうが若干広い。2枚とも2009年7月5日撮影

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地下1階はフロアの中央部は改札内となるためガラス製の柵で仕切られており、東端に八重洲口、西端に丸の内口の改札口があるが、東京駅本体の改札口と比べ利用者数ははるかに少ないため自動改札機の台数は3~5台程度と少ない。なお、八重洲口改札前の床面には房総半島の地図が大きく描かれており、千葉県へ通じる路線であることを主張している。


地下1階の中央部。開放的な曲面の天井が特徴。2009年8月16日撮影

京葉線の東京駅の地下1階は横須賀線・総武線の東京駅と比べ階高が高いため開放的な印象を受ける。また、建設されたのがバブル絶頂期ということもあり曲面の天井やダウンライト・間接照明を多用した豪華な内装となっている。また、地下駅という宿命上各所に点在する防火シャッターの出っ張りも鏡を用いて極力目立たないよう処理するなど、地下駅特有の圧迫感を可能な限り感じさせないよう配慮されている。


天井の張り出し部分に描かれている乗り換え路線のイラスト。ほとんどは現在東京駅に乗り入れていない車両である。2009年8月16日撮影

ちなみに、この防火シャッターの出っ張りには出口や乗り換え通路の案内が掲出されているのであるが、このように開業当時のイラストが書き替えられずに残っている部分もある。描かれているのは左から横須賀線113系、中央線201系、京浜東北線103系、山手線205系、東海道線211系、寝台列車のけん引機EF66形、東海道新幹線0系となっているが、このうち現在も残っているのは東海道線211系のみである。


地下鉄丸ノ内線交差部。天井が極端に低い。2009年7月5日撮影

地下1階の中央は地下鉄丸ノ内線のトンネルがあるため部分的に天井が低くなっている。この部分は壁や天井を暗めの色にすることで周囲と比べて目立たないよう処理している。


左:地下1階西側のスロープ。2009年7月5日撮影
右:そのスロープを上がりきったところの空間。天井と床面に八角形の装飾がある。2008年5月18日撮影

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※右の写真は以前横須賀線東京トンネルのレポートで使用したものを再掲したものである。

地下1階の西側は2フロア下に横須賀線のトンネルが通るため、床が高くなっており中央部とはスロープで連絡している。通路の両側は傾斜した構造をうまく利用して滝状の噴水となっていたようだが、現在は節水・節電のためか動作が停止されており完全に乾燥した状態となっている。昨今の景気情勢を反映してか日中はこの乾燥した噴水の部分で寝ているホームレスが多くみられ、再開発ラッシュで賑わうの地上の対照的な独特な雰囲気が感じられる。
このスロープを上がりきると右手に横須賀線・総武線東京駅への連絡通路が現れる。


丸の内側の連絡通路。天井が低く、照明も少ない。2008年5月18日撮影
※この写真は以前横須賀線東京トンネルのレポートで使用したものを再掲したものである。

東京駅本体との連絡通路は八重洲側と丸の内側の2本ある。
丸の内側の通路は改札外となるため、主に東京駅周辺のオフィスの利用者が悪天候時に利用する程度であり、常に閑散としている。この部分は横須賀線建設時に成田新幹線用として建設されていたもので、設計が古いため天井が極端に低い。照明を暗めに設定しているのはこの狭さを感じさせないための配慮であると思われるが、やはり圧迫感は否めない。


八重洲側にある東京駅本体との連絡通路。今日もたくさんの旅行者がここを行き交うが、その目的地は成田国際空港ではなく、舞浜の東京ディズニーリゾートである。2009年8月16日撮影

八重洲側の通路は改札内どうしを連絡しており、乗り換えが主であるという駅の性格上利用者の大半はこちらの通路を利用している。通路の全長がおよそ300mと長いため、動く歩道が3列×3組の、合計9基設置されており、京葉線の列車到着時の利用者集中を考慮して3列あるうちの2列を東京駅本体行き、1列を京葉線東京駅行きとしている。なお、この通路の一部は1973(昭和48)年に成田新幹線用として着工された南部高架橋の地下2階部分を利用している。(上の写真は一番東京駅本体よりの動く歩道で、この成田新幹線用として建設された構造物を転用した部分である。)国鉄民営化後に京葉線用として建設されたのは東京駅本体側から数えて3組目の動く歩道から先の区間であるが、前後で内装が特に変わるわけではないのでこのことを知らなければ気づくことはないだろう。



(つづく)
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