京急大師線地下化工事(2010年4月3日取材)

京急大師線の終点、小島新田駅。

京急大師線産業道路駅付近では現在線路を地下化する工事が進められています。前回UPした京急蒲田駅の取材のあと、この大師線の工事の様子も取材してまいりましたのでお伝えいたします。

■京急大師線地下化の概要

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京急大師線は川崎市の中心に位置する京急川崎駅と臨海部の工業地帯にある小島新田駅を結ぶ全長約4.5kmの路線です。当路線はその名の通り川崎大師への参拝客を輸送する目的で現在の京浜急行電鉄の前身である大師電気鉄道が1899(明治32)年1月に開通させたもので、京浜急行電鉄発祥の地として川崎大師駅前に石碑が設置されています。
この京急大師線には終点付近で交差する産業道路(神奈川県道6号線・東京大師横浜線)をはじめとする15箇所の踏切が存在し、交通渋滞や地域の分断といった問題が発生しています。そこで川崎市では小島新田駅を除く京急大師線のほぼ全線(事業延長5.0km)を地下化することとし、1993(平成5)年6月に都市計画決定がなされました。その後、特に交通渋滞が激しい産業道路との踏切を早期に立体交差化するため、東門前駅から小島新田駅までの980mの区間を先行して地下化することになり、2006(平成18)年に地元説明会が行われ、2009(平成21)年頃から本格的な工事が開始されました。この工事が完成すると産業道路を含む3箇所の踏切が解消される予定です。
なお、今後着工が予定されている川崎大師駅から西側の区間については川崎駅における他路線との乗り換えの利便性を向上させる観点から線路の一部移設が計画されており、川崎大師駅から港町駅にかけては並行する国道409号線(首都高速川崎縦貫線と一体的な整備)、港町駅から西側については国道15号線(第1京浜)などの地下を利用したルートが現在検討されています。また、京急川崎~港町間には新駅(仮称:宮前)の新設が検討されています。

地下化される区間の断面
地下化される区間の断面

地下化の手順は他鉄道で行われている工事と同様、現在の線路を鉄骨などで仮受けしながらその下を掘削するという方法が取られています。小島新田駅側の地上・地下のアプローチ部分は一般的な掘割構造となる一方、京急川崎駅側は将来地下区間を延長するため、本来地中に埋まっているトンネルの天井の一部を切り開き、そこに鋼製の仮設桁を載せて暫定的に地上へ接続するという特殊な構造となる予定です。

■2010年4月3日の状況
東門前駅のホームから産業道路駅方向を見る。
東門前駅のホームから産業道路駅方向を見る。

京急川崎駅川の地上・地下のアプローチ部分となる東門前~産業道路間の駅間距離は現在の京急大師線では最短となる600m(ホーム端どうしの間隔はさらに短く、地図上では400mほどしかない)となっており、東門前駅のすぐ先から地下化工事の対象区間となります。現在は線路の両脇を作業スペースとして拡幅した上で線路を仮受けする杭などを打ち込んでいる模様です。また、この区間は上下線ともまくらぎがコンクリート製のものから木製のもの二交換されています。

産業道路駅に停車中の1500形電車 小島新田駅方面を見る。奥の高架橋が首都高速1号横羽線で、その下が産業道路と交差する踏切。
左:産業道路駅に停車中の1500形電車
右:小島新田駅方面を見る。奥の高架橋が首都高速1号横羽線で、その下が産業道路と交差する踏切。


産業道路駅はホーム、線路ともすでに仮設の構造物になっており、その下では掘削工事が開始されています。着工前は産業道路駅から小島新田駅の直前までが複線となっていましたが、現在は産業道路駅を出た直後に上下線が合流して単線となっています。

複線化された小島新田駅
複線化された小島新田駅

この京急大師線の地下化事業全体において唯一地上のまま残ることになる小島新田駅ですが、この駅についても設備の改良が行われており、去る2010年3月13日(土)にはホームを40m京急川崎駅よりに移動した上で複線(1面2線)化されました。ただし、増設された線路にはまだ信号設備などが一切設置されておらず、これまでどおり終日北側の1線のみを使用したホーム運用となっています。今回増設された線路は地下化完成後の増発などを見込んだものであると考えられます。

この京急大師線地下化工事は4年後の平成26年度の最終的な完成が予定されています。東門前駅から西側については今のところ目立った動きは見られませんが、そう遠くない将来に地上を走る電車の姿は見られなくなる見込みです。

▼参考
京浜急行大師線連続立体交差事業 - 川崎市建設局
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