千葉駅改良工事(2010年5月~7月取材)

東口駅前ロータリーから見た千葉駅

房総方面へ向かう4つの路線が乗り入れる千葉駅では現在駅ビルの全面改築を含む大規模改良工事が行われています。この記事では改良工事の概要や現在の状況について解説いたします。

■改良工事の概要

現在のJR千葉駅は太平洋戦争後の復興事業として行われた千葉市中心部の区画整理の一環で1963(昭和38)年に現在の東千葉駅の位置にあった旧駅舎※1から移転してきたものです。移転に際しては駅ビル「ペリエ」が新設され、以後ホームの増設、千葉都市モノレールの乗り入れなど改良が重ねられてきましたが、築47年が経過した構造物は老朽化が進み耐震補強の必要性に迫られています。
このため、JR東日本では2008(平成20)年から具体的な改良工事について検討を開始しました。JR千葉駅は四方を線路に囲まれた構造となっており、当初は具体的な改良の内容や工事の方法について設計が非常に難航しましたが、2009(平成21)年12月にようやく具体的な内容がまとまり公式発表が行われました。それによると改良工事の内容は以下の通りとなっています。

1、駅ビル「ペリエ」の全面改築
築47年が経過し、老朽化が進んだ駅ビル「ペリエ1」を全面的に改築(建て替え)する。新しいビルは現在より1フロア多い地上7階、地下1階の構造となる予定。

2、東口改札口を橋上化
現在は駅前ロータリーと同一高さにある東口改札口は高架下にあるため柱が林立しており、見通しが悪く利用者のスムーズな移動を妨げている。このため、線路上に新設する橋上駅舎に改札口を移転する。これにより橋上駅舎となっている西口駅舎との連絡通路の設置が可能となり、新しい駅ビル内を貫通する形で整備される千葉都市モノレール・京成電鉄の千葉駅への連絡通路とあわせて千葉駅にある全ての鉄道の改札口が橋上駅舎内で連絡される。(なお、新しい駅ビルと千葉都市モノレールの駅の接続方法は今後検討を行い決定する予定。)

3、「エキナカ」の展開など
橋上駅舎内には各種商業施設(いわゆる「エキナカ」)を整備し、乗り換え客に対するサービス向上を図る。また、橋上駅舎は屋上緑化を行うほか保育園など子育て支援施設を整備し地域への貢献を図る。

駅構内に掲げられている改良後の千葉駅のイメージ。
駅構内に掲げられている改良後の千葉駅のイメージ。2010年5月22日撮影

今後の予定としてはまず2010(平成22)年度に工事の支障となる施設の移転・撤去を行い、2011(平成23)年度からは駅ビル「ペリエ1」の本格的な解体工事に着手することになっています。最終的な完成は2015~2017年度の予定となっています。

▼脚注
※1:旧駅舎時代は東京方面から内房・外房線に入る場合、スイッチバックする必要があった。なお、旧駅舎の跡地には東千葉駅と千葉市民文化会館(芸術ホール)が建っており、玄関前には「ここに千葉駅ありき」と書かれた石碑がある。

▼参考
千葉駅 駅舎・駅ビルが生まれ変わります! - JR東日本(PDF)
千葉駅建て替え難航 複雑構造で「難工事」に流動路確保など課題 JR東日本 | ちばとぴ ちばの耳より情報満載 千葉日報ウェブ

■現在の状況(2010年5月~7月)
今後橋上駅舎に移動する東口改札。現在はまだ変化は無い。
今後橋上駅舎に移動する東口改札。現在はまだ変化は無い。2010年5月22日撮影

閉鎖された7~10番線ホーム下(改札外)の店舗。 中央区役所千葉駅連絡所は東口駅前ロータリー内に移転した。
左:閉鎖された7~10番線ホーム下(改札外)の店舗。
右:中央区役所千葉駅連絡所は東口駅前ロータリー内に移転した。2枚とも2010年5月22日撮影

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2010年度は駅ビル「ペリエ1」の取り壊しやホーム上空への人工地盤建設に支障となる構造物の撤去が予定されています。東口改札口については現在のところ動きはありませんが、周辺の高架下に位置する通路内では準備が開始されており今年1月頃から施設・店舗が次々と閉店し、工事用の囲いで覆われた状態となっています。なお、閉鎖された施設のうち、中央区役所千葉駅連絡所については東口駅前ロータリー内に設置した建物に移転する形で業務を継続しています。

柱の化粧材の一部が取り外された改札内通路。現在は天井パネルも取り外されている。 閉鎖された改札内の店舗。 7月1日から閉鎖された7・8番線ホームへの階段。
左:柱の化粧材の一部が取り外された改札内通路。現在は天井パネルも取り外されている。
中:閉鎖された改札内の店舗。以上2枚は2010年5月22日撮影
右:7月1日から閉鎖された7・8番線ホームへの階段。2010年7月10日撮影

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改札内についても同様に準備が開始されており、今年1月頃からコンコース内にあった店舗のほとんどが閉店し、改札外と同様工事用の囲いで覆われています。また、去る7月1日からは総武本線7・8番線ホームへ通じる階段のうち、東口改札口側から2番目の階段が閉鎖されたほか、コンコース内の内装(主に天井のパネル)の一部が撤去されています。
このように「ペリエ1」の本格的な取り壊しの1年も前から時間をかけて準備を行う理由としては、建設が古い構造物であることから、図面が残っていない改修箇所の洗い出しやアスベスト(石綿)の使用状況を調査しておく必要があるためと思われます。

使用停止となった0番線では作業が行われている。 西口の跨線橋から千葉駅構内を見る。中央が「ペリエ1」の建物で、その両脇の線路には木材が敷かれている。
左:使用停止となった0番線では作業が行われている。2010年5月29日撮影
右:西口の跨線橋から千葉駅構内を見る。中央が「ペリエ1」の建物で、その両脇の線路には木材が敷かれている。2010年5月22日撮影

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高架橋上の線路部分でも準備が開始されており、貨物列車の待避のみで使用頻度が低かった中央・総武線各駅停車1・2番線ホーム脇の線路(0番線)が去る2010年3月のダイヤ改正から使用停止となりました。現在はこの0番線と1番線の間には仮設の柵が設置されており、0番線の線路内ではレール間に木材を敷いて何らかの作業が行われていることが確認できます。恐らく工事に必要な作業スペースを確保する目的があるものと考えられます。
一方、来年取り壊しとなる「ペリエ1」に隣接する外房線ホーム6番線と総武本線ホーム7番線の線路にも木材が敷かれており、夜間に重機やトラックなどが入れるよう準備が進められています。

西口駅前ロータリーから見た千葉駅西口の橋上駅舎。アーチ型の屋根は2年前の改修工事で新設されたもの。
西口駅前ロータリーから見た千葉駅西口の橋上駅舎。アーチ型の屋根は2年前の改修工事で新設されたもの。2010年5月22日撮影

一方、橋上駅舎となっている西口改札側では2008(平成20)年から既存の跨線橋に屋根を追加する工事が行われました。これは西口駅前で予定されている再開発事業に関連したもので、すでに工事は完了しています。しかし、今後東口改札口が橋上化されるとこちらの改札口にも連絡通路が接続することになり利用者の増加が見込まれるため、去る5月24日よりエレベータを新設する追加工事が開始されています。
なお、肝心の西口駅前の再開発事業ですが、千葉市が事業主体となる企業を募集し一旦は決定したものの、急速な景気悪化を受けて2009(平成21)年2月にその企業が辞退を表明し、計画が一時完全にストップした状態となりました。その後、千葉市では要件を緩和して再度事業主体となる企業を募集し、去る2010年6月24日に大成建設(株)とロイヤルリース(株)が設立した共同企業体が再開発ビル3棟を建設することが決定しました。これにより1990年代初頭から続いていた千葉駅西口の再開発にようやく完成の目処が立ったことになります。

▼参考
千葉市:西口再開発事務所トップページ


新型車両209系が入るなど大きく変化しつつある千葉地区のJR線ですが、その要である千葉駅にもいよいよ手が加えられることになりました。今後も地元民としてこの改良工事の様子を適宜レポートしていきたいと思います。
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