東京駅赤レンガ駅舎復原工事開始

※この記事はYahoo!ブログから移行したものです。


このブログでも幾度と無く採り上げている東京駅の再開発事業「トウキョウステーションシティ」プロジェクトの続報です。八重洲側の再開発が次々と完成する一方で、入札関連の問題もあって動きの無かった丸ノ内側ですが、今年に入っていよいよ赤レンガ駅舎の本格的な復原工事が始まりました。

1枚目
重機が搬入された南口ドーム前。

免震装置+地階の建設も


足場で天井が見えなくなった北口ドーム内。

丸ノ内赤レンガ駅舎は1914(大正3)年に完成しました。その後発生した関東大震災では無傷でしたが、1945(昭和20)年の東京大空襲では駅舎の屋根と3階部分を焼失し、八角形の形の屋根で仮復旧された状態で現在に至っています。今回東京駅全体が再開発されるのにあわせ、この焼失した部分を復原することになりました。復原は外観のみならず、北・南双方のドーム内部の内装にも及んでおり、創建当時に存在した「花飾りのレリーフ」「鷲の彫刻」など美しい装飾品が再び見られることになります。完成は2011年度を予定しています。



コンクリートのプラントが置かれている駅前広場。左の筒状の物体は総武地下駅の排気塔。

工事は単にもとの形に作り直すだけでなく、今後の永久保存に耐えうる構造とするため基礎全体(※)に免震装置が組み込まれます。さらに免震装置の下に2層地下室が作られ、駐車場やホテルの床面積不足を補う形になる予定です。現在、駅舎内外では地下の掘削工事が行われており、大型の重機が駅前広場を占領する状態になっています。
地下を掘削するというと駅舎に歪みが発生するのではと不安になりますが、この赤レンガ駅舎に関しては1972(昭和47)年の総武快速線建設の際に北口ドーム地下の掘削を行っており、その際駅舎には全く歪みは発生しなかったことから駅舎には十分な強度があると考えられます。また、このような既存の建物の地下を掘削する「アンダーピニング」は地下鉄建設を多数経験している日本ではもはや「お家芸」ともいえる技術であり、その高い技術力も考えれば今回の工事でも歪みが発生する可能性はほぼ無いと見てよいでしょう。

(※)余談ですが、北口ドーム地下の総武線の構造物と赤レンガ駅舎の床下の隙間は1~2mほどしかありません。この狭い空間にどのように免震装置を組み込むのか気になるところです。

(撮影日:2008年4月12日)




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