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スパムブログが4割?ゴミをばら撒く自動生成ブログは即刻消滅すべき!

※この記事はYahoo!ブログから移行したものです。

ブログの4割は「迷惑ブログ」――ニフティ調査

ニフティの独自調査によれば、国内のブログ記事の4割が広告収入などを狙った「迷惑ブログ」に当たるという。

全文:ブログの4割は「迷惑ブログ」――ニフティ調査 - ITmedia エンタープライズ
関連:ニフティ、スパムブログのフィルタリング技術を開発|ニフティ株式会社


昨年夏に「スパムブログに気をつけろ!」というタイトルでブログ全体を席巻しつつあるスパムブログの実態についてお伝えした。あれから半年たち、事態はますます深刻化している。

スパムブログとは
スパムブログの例としては

1、アダルトサイトへの誘導目的のブログ(フィルタで排除可能なため最近はほとんどない)
2、文章を自動生成し、アフィリエイト収入獲得しようするブログ(最近の主流)
3、関係のない記事まで手当たり次第にTB・コメントを飛ばすブログ(最近は減少(?))

などが挙げられる。最近の主流は2の「自動生成系」。
私もブログを書いている都合上、「少しでもアクセス数が欲しい」「ブログを利用してお金を稼げるのは便利(ただし、まだやったことはないが。)」だと思うし、その手段であるページ内のキーワード埋め込みによる検索エンジン最適化(SEO)やアフィリエイトも決して悪いものではないと考えている。だが、ページ全体を「主」「副」に分けたときそれらは「副」の位置づけでなければならない。(その理由は後述する。)2の自動生成のブログは金儲けを追求し続けた結果、それらが「主」になってしまったものといってよい。
自動生成のブログはプログラムによりブログの記事を自動的に作って検索結果に表示させ、さらにページ内に設置したアフィリエイトリンクへと閲覧者を誘導する。これにより放置していてもアフィリエイト報酬を得ることができるというものである。当初は一部の業者が行っているに過ぎなかったが、専用のソフトが一般にも販売されるようになってその数は爆発的に増加した。自動生成のブログは大きく分けて以下の2つになる。

1、「まとめサイト」系
ブログの記事を投稿した際に吐き出されるRSS情報をそのままいくつか並べて表示するもの。ブログの記事名と文章の一部が表示され、その先は「続きを読む」といったタイトルのリンクでその記事へ飛ぶ形になっている。この方法ではSEOにおいて限定的な効果しか発揮しないことから、最近では減少しつつあるうだ。

2、文章自動生成系(いわゆる「ワードサラダ」)
RSS情報や検索結果、ウィキペディアなどから作り出した「適当な文章」をブログの文章にするもしくはmetaタグなどで埋め込んだ形になっている。「適当な文章」は検索エンジンを「騙す」のが目的だから日本語として成立している必要はない。極端な場合単語の羅列になっている場合もある。「ワードサラダ」と揶揄されるいわれはこの辺りにある。

いずれの場合も目的はアフィリエイト報酬(クリック数に比例)を稼ぐことである。そのため目立つところに最低2、3個、極端な場合文章の部分以外は全てアフィリエイトリンクである場合もある。また、トラックバック先の記事へのリンク(言及リンク)を必須としているブログにもトラックバックを飛ばせるよう、自動的にリンクを生成するといった細工も行われている。

自動生成ブログの問題点
自動生成ブログの問題点は、読む価値のない文章をインターネット上にばら撒き続けるいということだろう。これらのブログの目的は「検索で上位に表示される」ことであり、「人が読む」ことではない。そのためただ単語が並んだだけであったり、言語として成立しない支離滅裂な文章を数十回、数百回と読ませられることになる。現在の検索アルゴリズムでは「人が書いた文章」のみを選び出すのは困難であり、いつまでたっても目標の記事が見つけられないという時間の浪費になってしまう。
さらに、自動生成ブログの中には他人のブログの記事をほぼ1記事丸ごとコピペしているものもあり、重大な著作権侵害の疑いがある。また、中にはスクリプトを埋め込んでアフィリエイトリンクを強制的かつ何度も踏ませる、特に悪質なものになると閲覧者のPCにアドウェアなど不正なソフトをインストールさせるものまで存在する。これらはブラウザのフリーズやコンピュータの動作不良などを招き、極端な場合器物損壊と呼んでもよい動作を引き起こす。ここまで来ると法に照らし合わせても問題があるといわざるを得ない。

また、もう一つの問題として排除を申し立てる窓口がないということがあげられる。自動生成のブログはその多くがコメント欄・トラックバックURL・メールアドレスなどが非公開であり、それらを公開していたとしても作った人間はほとんど放置しているから満足なレスポンスは期待できない。この場合、運営会社などに対処を申し出ることになるが、数が膨大で手動で行うには非効率であったり、そもそも該当ブログの利用規約に「自動生成ブログは禁止!」と明記されていない場合は申し立て自体が無意味になってしまう。

対策は
冒頭で挙げたニフティのフィルタリング技術はこれを解決する手段の1つとなりうる。また、Yahoo!JAPANが提供するYahoo!ブログ検索ではリンク構造などから適合度の高いブログを選び出す「スコア」というシステムがこの3月から導入された。だが、それだけではインターネット上に無数に存在する自動生成スパムブログを排除するのは困難である。また、ごく普通のブログが巻き添えを食う形で排除される恐れもある。

決定的な対策として私が有効だと思っているのは以下の3点である。

1、自動生成ブログを利用規約で禁止
これにより運営会社は自動生成ブログを削除・排除する根拠・権限を持つことになる。

2、ID作成条件の厳格化
ブログの作成にはそのサービスのIDが必要である。その取得の審査を厳格化すれば、安易なスパマーの進入をある程度は抑制することが可能となる。

3、通報窓口の設置
自動生成ブログは検索結果のみではわからないため、実際に人が読んで選別するしかないが、膨大な数のブログ全てを運営会社のみで把握するのは不可能である。そのため利用者も「監視人」となり、「自動生成ブログのブラックリスト」的なものを作り、ここで上ったIDは無期限利用停止処分にするなど継続的な排除ができる可能性もある。

冒頭のニュース記事ではスパムブログはブログ全体の4割とされているが、私の実感では実質9割がそのようなブログではないかと感じる。自動生成ブログは今この瞬間もインターネット上にゴミをばら撒き続けている。今後、このようなブログがさらに増加すれば、せっかく発展しつつあった日本のブログコミュニティ自体が崩壊する危険性もはらんでいる。基本はブログを作る側の「自制」に頼るべきところであるが、もうそんな悠長なことは言っていられない状態だ。一刻も早い対策を願いたい。

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テーマ:スパム全般対策 ジャンル:コンピュータ
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