浦和駅高架化工事

※この記事はYahoo!ブログから移行したものです。


東北線の赤羽~大宮間は日本でも数少ない3複線(6本線路が並行する)区間となっています。この区間は当然ながら交差する道路は全て立体交差となっていますが、その中の駅の1つの浦和駅では平成の今になって線路の高架化工事が行われています。今回はこれについて採り上げます。

1枚目
<CanonPowerShotA700・(7mm)・シャッター優先(Tv1/1250/F4/感度オート)>
高架のホームに進入する209系。高架化が完了する頃には209系は京浜東北線から姿を消す。

高架化の概要


<CanonPowerShotA700・(6mm)・露出オート(Tv1/400/F4/感度オート)>
浦和駅東口。

浦和駅が現在の形になったのは1968年10月、通称“ヨンサントオ”ダイヤ改正のときです。このダイヤ改正では東北本線の特急列車が大増発されたため、それに備えて赤羽~大宮間で線路を共用していた京浜東北線・宇都宮・高崎線を分離しました。当時は建設技術(特に施工スピード)の関係や高度経済成長期の激増する輸送需要に一刻も早く対応すること、悪化しつつあった国鉄の財政に配慮するという観点からこの区間は全て線路が地平(一部盛土・高架)に置かれ、道路の方を高架・地下で交差させる構造としました。
この結果、浦和駅は線路を挟んだ東西が駅の両側にある狭い地下道路のみで連絡することになり、発展の度合いにばらつきが見られるようになりました。(西側の方が発展している。)また、線路の下にある駅舎は通路の拡幅が困難であり、バリアフリー対応などが大きな課題となっています。平成に入り、駅の南側を通る都市計画道路田島大牧線(県道さいたま草加線)を2車線から4車線に拡幅するのにあわせて、地平を走っている京浜東北線、宇都宮・高崎線の線路1.3kmを高架化することになり、現在工事が進められています。完成後は高架下に幅25mの自由通路が整備され、駅の東西の均衡ある発展が見込まれます。また、あわせて駅の用地を拡幅し、現在は通過となっている湘南新宿ラインが停車できるようホームが新設されます。これにより浦和駅から新宿、横浜方面への利便性が飛躍的に向上する予定です。



<CanonPowerShotA700・(6mm)・露出オート(Tv1/250/F4/感度オート)>
拡幅される都市計画道路田島大牧線。この前後も4車線分の用地が確保されている。

現在の状況


高架化工事の流れ。(GIFアニメーション。MSPaintで作成。)

用地が限られているため、一番東側を走る京浜東北線南行線路の脇に1線分の高架橋を建設し、1本ずつ線路を移動しながら高架化が進められていきます。地平を走っていた線路がすべて高架化された後は、開いたスペースで湘南新宿ラインの高架橋を拡幅してホームが設置されます。全体の完成は2012(平成24)年の予定です。



<CanonPowerShotA700・(6mm)・露出オート(Tv1/100/F4/感度オート)>
左:高架化された京浜東北線ホーム。
<CanonPowerShotA700・(8mm)・露出オート(Tv1/500/F8/感度オート)>
右:今後高架化される地平ホーム。ちょうど寝台特急“北斗星”が通過。

昨年1月に京浜東北線南行線路が高架化され、現在はその脇で建設中の京浜東北線北行線路がまもなく完成という状況です。高架化された新駅舎は壁面にガラスを多用しており、開放的なデザインとなっています。また、軌道はつくばエクスプレスで実績のあるD型省力化軌道(消音バラスト散布)であり、騒音・振動が低減されています。イメージとしては昨年7月に下り線が高架化された中央線武蔵境東小金井武蔵小金井の3駅に近い形です。
残された地平ホームもほとんどが仮設の構造物になっており、今後の取り壊しに備えています。一方、湘南新宿ラインの高架橋は作業スペースも無いためまだ何も手がつけられていません。また、湘南新宿ラインの高架橋は一部が鋼製の桁を使用しているため、この改築が難関となりそうです。場合によっては湘南新宿ラインを一時単線化して工事を行うということもあるかもしれません。


<CanonPowerShotA700・(6mm)・露出オート(Tv1/60/F3.5/感度オート)>
ホーロー製の行き先案内

宇都宮・高崎線ホーム(3・4番線)にはこんなものが残っていました。ホーロー製の行き先案内です。今はこのホームから発着が無い「日光」の文字もあります。浦和駅、そして東北線の歴史を物語る貴重な品ですが、高架化によりまもなく撤去されることになります。


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