カテゴリ:鉄道:建設・工事
品川駅横須賀線ホーム増設工事・その後
公開日:2008年02月22日01:55
※この記事はYahoo!ブログから移行したものです。昨年9月にお伝えした、品川駅の横須賀線ホーム増設工事を再び見てきました。ホームはもちろん、線路関係もほとんど完成したようです。(撮影:2008年2月9日)
1枚目
<CanonPowerShotA700・(6mm)・露出オート(Tv1/80/F4/感度オート)・一部トリミング>
完成した15番線ホーム
<CanonPowerShotA700・(6mm)・露出オート(Tv1/80/F4/感度オート)・一部トリミング>
完成した15番線ホーム
上図は9月の記事で作成した予想の線路配置です。東京方の地下トンネル入口付近でスラブ軌道を撤去する大掛かりな工事を行っていたため、「勾配を緩くしてここにも上下線間のポイントができる」と予想していました。しかし、実際に敷設が終わった線路はこれとはやや違っています。

<CanonPowerShotA700・(34.8mm)・露出オート(Tv1/400/F4.8/感度オート)・一部トリミング>
左:東京方の様子
<CanonPowerShotA700・(34.8mm)・露出オート(Tv1/250/F4.8/感度オート)>
右:ホーム中ほどから見た東京方の様子
左写真は13・14番線から見た東京方の様子です。新しくできるホーム15番線は画面右にあります。そのホームへの分岐は地下トンネルからの上り勾配を上りきったところにあるのは9月に予想していた通りです。しかし、横須賀線の上下線間のポイントは当初の予想とは異なり、勾配を上りきった先に設置されるのが作りかけのポイントの位置から判ります。
右写真はホーム中ほどに下がって東京方を見た様子です。左側に見える「×」が打ち付けられた信号機は15番線用ではなく、14番線用です。14番線の線路上にはこの信号機と連動する(であろう)ATS-Pの地上子も見えます。
つまり、15番線からは東京方には出られない構造ということです。
右写真はホーム中ほどに下がって東京方を見た様子です。左側に見える「×」が打ち付けられた信号機は15番線用ではなく、14番線用です。14番線の線路上にはこの信号機と連動する(であろう)ATS-Pの地上子も見えます。
つまり、15番線からは東京方には出られない構造ということです。
図で表すと以下の通りとなります。
15番線ホームの現状です。床のタイル貼り、案内板、車掌用ITVなど営業に必要な設備はほぼ全て完成しています。また、架線もすでに電気が通っており(14番線の架線とジャンバー線で接続されている)、黄色地に「高圧注意」と書かれたプレートがぶら下がっています。注目すべきはホームの中ほどに「第2場内」の信号機があることです。このようなホーム中ほどに信号を設置するのは前の電車が抜けた後に素早く次の電車をホームに入れさせる必要がある場合で、一般にその必要がない待避線では設置されません。よってこの15番線は本線として使うことができる構造と見ることができます。
昨年12月JR東日本から3月ダイヤ改正に関するプレスリリースが発表されました。寝台急行「銀河」の廃止が話題となっていますが、このリリースの中に「品川始発の成田エクスプレスの設定」「朝ラッシュ時の東京折り返しの総武線快速の品川延長」が盛り込まれています。これこそが本記事で採り上げている「品川駅15番線」を活用した列車です。
ダイヤ改正後のホームの使い方としては以下のようなパターンが考えられます。
●折返し列車がないとき
13番線:横須賀線上り(千葉方面)
14番線:横須賀線下り(横浜方面)
15番線:未使用
→現在と同じ使い方。
●折返し列車がないとき
13番線:横須賀線上り(千葉方面)
14番線:横須賀線下り(横浜方面)
15番線:未使用
→現在と同じ使い方。
●折返し列車があるとき
13番線:横須賀線上り
14番線:折返し列車
15番線:横須賀線下り
→14番線が塞がっている間下りは15番線を通過。また、上下線ホームを分離できるため混雑緩和も可能。
13番線:横須賀線上り
14番線:折返し列車
15番線:横須賀線下り
→14番線が塞がっている間下りは15番線を通過。また、上下線ホームを分離できるため混雑緩和も可能。
●緊急時(湘南新宿ラインの収容)
14・15番線のいずれかで収容
→現在は臨時ホーム(7~10番線)を利用しているが、東海道線と交差するため東海道線のダイヤも乱してしまう。実際行われるかは不明だが、設備的には可能な使い方。
14・15番線のいずれかで収容
→現在は臨時ホーム(7~10番線)を利用しているが、東海道線と交差するため東海道線のダイヤも乱してしまう。実際行われるかは不明だが、設備的には可能な使い方。
15番線の分岐が通過時の衝撃の大きい制限45キロ(12番分岐器)なのが少々難点ですが、これにより14番線を「中線」に転用して横須賀線の品川折返しが可能となります。
横須賀線の西大井以南は湘南新宿ラインと線路を共用しています。ここ数年、湘南新宿ラインが増発されるにつれて、線路容量が足りなくなり横須賀線・総武快速線間の直通が減少し東京折り返しが増加しています。朝ラッシュ時は総武線側から品川までの利用も多く、このままでは地下深くにホームがある東京駅ではエスカレーターが通勤客で“渋滞”することが懸念されます。(かつて総武快速線が東京まで暫定開業したとき実際問題になった。)品川駅のホーム新設はこれを緩和する狙いがあるといえます。
また、後から追加されたという建設の経緯から品川駅の13・14番線ホームは他のホームよりも狭く、ラッシュ時はホームの端まで人が溢れ転落事故の危険があるといわれることもあります。場合によっては15番線を下り列車専用ホームとし、上下線のホームを分離して混雑による事故を防ぐこともあるかもしれません。新ホームがどのように活用されるのか、今後に注目したいところです。
また、後から追加されたという建設の経緯から品川駅の13・14番線ホームは他のホームよりも狭く、ラッシュ時はホームの端まで人が溢れ転落事故の危険があるといわれることもあります。場合によっては15番線を下り列車専用ホームとし、上下線のホームを分離して混雑による事故を防ぐこともあるかもしれません。新ホームがどのように活用されるのか、今後に注目したいところです。
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