新橋駅~汐留換気所(概説) - 総武・東京トンネル(22)


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横須賀線は新橋駅を出ると次は品川駅まで駅がない。この間はずっと地下を走っているため、正直どこを通っているのかよくわからないという方も多いだろう。本レポートではこの「謎の多い」新橋~品川間のルートについても詳細に追っていく。

■汐留トンネル:1km954m00~2km772m50(上り線L=818m50),1km950m00~2km775m50(下り線L=825m50)

▼参考
工事誌(東海道線)563~573・589~593ページ

●概説
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汐留トンネル位置図 ※クリックで拡大
(C)国土交通省 <>国土交通省オルソ化空中写真ダウンロードシステムのデータに筆者が加筆

新橋駅を出た横須賀線は再び2本の独立したシールドトンネル「汐留トンネル」に入る。平面上のルートは新橋駅を出ると半径400mで一瞬カーブし、地下を都営浅草線が通る第一京浜と並行する民有地の下を抜けた後、半径1200mでカーブしながら国鉄汐留貨物駅の下を延々と貫いていく。その後、貨物駅の東端で一瞬海岸通りの下を通った後、再び貨物駅の敷地内に戻り、そこに設置された「第2立坑(トンネル完成後の名称は『汐留換気所』)」を終点とする。

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第2立坑(汐留換気所)の施工中(左)と完成後(右)の航空写真 ※クリックで拡大
(C)国土交通省 国土情報ウェブマッピングシステムカラー空中写真データ(左:昭和49年、右:昭和54年)に筆者が加筆

汐留トンネルは第2立坑をシールド発進立坑とし、新橋駅の方向へ向けて掘削が行われた。この付近は海が近く一部が埋立地であるため地盤が非常に軟弱であり、特に地盤が不安定化しやすい発進から80mの区間は立坑のディープウェル(深井戸)6本を用いて地下水位を低下させるとともに、地表から薬液注入を行い補強を行った。だが、発進直後に被圧地下水(2kgf/cm2=1.96×105Pa=1.9気圧)とともに土砂が坑内に噴出し、圧気と薬液注入のみで切羽の崩壊を防ぐのは不可能となった。そのため、その後の掘削では地盤を凍らせ地下水の湧出を防ぐ凍結工法を併用した。完成後のトンネルは地下水圧や計算と実際の土圧の違いなどによりセグメントにクラック(亀裂)が発生した。そのため、H鋼と吹き付けコンクリートによる二次覆工を設置し補強を行った。
一方、第2立坑は次の浜松町トンネルの到達立坑にもなっており、このトンネルが完成した後トンネルの給排気を行う送風機を設置し「汐留換気所」として活用されることとなった。また、万一列車がトンネルの途中で立ち往生した際は、ここを非常口として乗客が地上に避難できるよう考慮されている。上の航空写真は赤丸で囲んだ中心が第2立坑で、左が工事中の1974(昭和49)年、右が完成後の1979(昭和54)年である。1974年の時点では建物が無く、地面に長方形の穴が数個開いていて掘削らしき作業が行われているのがわかる。

(つづく)
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