中央線の支線跡2・・・境浄水場引込み線廃線跡

※この記事はYahoo!ブログから移行したものです。


東京都水道局境浄水場引込み線廃線跡
次は武蔵野競技場線のすぐとなりにある東京都水道局境浄水場引込み線跡です。武蔵境駅~三鷹駅にかけての航空写真を見ると前回の武蔵野競技場線が三鷹駅から延びているのに対し、線対称な位置で武蔵境駅からもう一つ遊歩道が延びているのが判ります。これが境浄水場引込み線跡です。


境浄水場は大正13年に造られ、総面積は21haと現存する緩速ろ過式(※)の浄水場としては国内最大の規模を誇ります。原水は羽村市の羽村取水堰で多摩川から取水された後、東大和市の多摩湖(村山貯水池)にいったん蓄えられ、標高差を利用して自然流下でこの境浄水場に送られています。この導水管の上部は「多摩湖自転車道」というサイクリングロードになっています。浄水場で処理された水道水は主に世田谷・渋谷方面に供給されているようです。今回歩いた武蔵境駅からの引込み線が設置されたのは多摩川で採取された砂利(ろ過に使用する)を運ぶためのものだったようです。
ちなみに境浄水場の前を玉川上水が通っていますが、浄水場への水の供給は過去も現在も無いようです。(余剰水の排出には使っている模様。)

※緩速ろ過:石・砂などを使ってろ過を行う浄水方式。最近の主流の「高速ろ過」は薬品で不純物を固め沈殿させる。



武蔵境駅の東側の分岐跡。敷地は現在中央線高架化の作業事務所になっている。



左上:その奥から始まる遊歩道。高架化された下り線を新型車E233系が走る。
右上:リアルすぎて逆に気持ち悪い(!?)遊具。
左下:武蔵野競技場線跡と違い、住宅地の中を通るため交差するのは生活道路ばかりで静か。
右下:玉川上水の橋台跡。この部分のみ玉川上水の遊歩道に張り出しがある。廃線後は歩行者用の木製の橋が架かっていたようだが、老朽化のため数年前に再び撤去された。



境浄水場の入口。線路の跡のあわせて斜めになっている。浄水場内に線路の遺構は無いようだった。

こちらも武蔵野競技場線と同じく玉川上水の橋台以外目だった遺構は残っていないようです。案内看板なども一切設置されていませんでした。


(完)
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