久留里線とタブレット閉そく

※この記事はYahoo!ブログから移行したものです。


“風っこくるり”の普通車に乗り、久留里まで行ってみました。終点の上総亀山まで行かなかったのは久留里から列車本数が2時間に1本に減ってしまうためです。(後で書きますが、久留里でも11時台は列車が走っていなかったため、実質2時間に1本と同じ状況でした。)

風前の灯のタブレット閉そく


久留里駅舎。

久留里線は木更津から君津市内陸部の上総亀山までの全長約32km、全線非電化の路線です。いすみ鉄道の件でも述べたとおり、そのまま上総中野、大多喜を経由して太平洋側の大原まで抜けることを目指して建設されたものの、建設技術や資金の限界により上総亀山までとなったものです。沿線は田畑が広がっていますが、高校が点在することから平日は通学の重要な路線となります。このため、ロングシートのキハ30系が走る数少ない路線の1つともなっています。



久留里駅でのタブレット授受。

久留里線の特徴はタブレット閉そくを採用していることに尽きます。
鉄道は一定区間を「閉そく」と呼ばれる区間に区切り、それぞれの区間に1列車しか入れないことで安全を保っています。タブレット閉そくでは駅の出発信号機に加え、区間ごとに決められた「タブレット」と呼ばれる通行証を持ったただ1つの列車のみがその区間を走行できるという決まりとして、上下列車同士の正面衝突を確実に防いでいます。「タブレット」は金属でできた大きなコインのようなもので、真ん中に穴が開いています。穴の形(丸(○)、三角(△)、四角(□)、楕円)が区間によって異なり、これによってどの閉そく区間に対して有効なのかを区別しています。そのタブレットですが、写真で駅員さんが持っている袋の部分に収納されています。



タブレットの穴の形は、横田~久留里間が「○」、久留里~上総亀山間が「△」。

タブレット閉そくは現代のように電子機器が発達していなかった時代に、安全を現物で確認できることから全国の鉄道で採用されました。また、かつては低速で通過しながら乗務員が列車から身を乗り出してタブレットを授受していた駅もあり鉄道の象徴的な光景にもなっていました。しかし、タブレットの授受を行う駅では複数の駅員配置が必須となり人件費抑制の妨げとなること、さらに列車の速度向上や本数設定に制約を受けることからから次第にCTCによる自動閉そく(指令所による集中制御)に取って代わられ、現在見られるのはこの久留里線のほか銚子電鉄などわずかとなっています。



ちなみに、奥に見える出発信号機ですが一見すると「青(進行)」「黄(注意)」「赤(停止)」の3灯式に見えますが、拡大してみると真ん中はダミー(フタがされている)であり「青」「赤」の2灯式であるのが判ります。

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