415系常磐線・・・交直セクションを越えて
公開日:2006年09月15日21:52
※この記事はYahoo!ブログから移行したものです。我孫子からは快速(取手より先は普通)列車に乗り換えて北上します。来たのは古豪403系を含むオール鋼製車の編成でした。
415系は簡単に言えば113系を交流電化にも対応させた車両です。常磐線のみならず北九州地区など直流・交流双方の電化に対応する必要がある線区で使用されています。パンタグラフを搭載しているモハ414の屋根には直流←→交流間での切り替えに備え厳重な回路保護の機器が、床下には大容量の変圧器や関連する機器がぎっしりと並んでいます。直流電化の区間では113系などと同じ仕組みでそのまま走り、交流電化の区間では床下に搭載した変圧器で交流2万ボルトを直流1500ボルトに変換して動力に使用します。交流電化の区間では力行(加速)中に床下から変圧器の「ブーン」という電磁音が聞こえてきます。(減速中は変圧器に通電しないので音はしません。)
常磐線の場合、取手~藤代間に直流・交流の電化の切れ目があります。(「交直デッドセクション(死電区間、無電区間)」といいます。ここで切れているのは、筑波山付近にある柿岡地磁気観測所が直流架線のノイズを受けないようにするためで、同じ理由で先日開業したつくばエクスプレスは守谷以北が交流電化に、また関東鉄道常総線・竜ヶ崎線は全線非電化になっています。
セクション区間では直流・交流双方の電気が混触しないように架線が一定区間絶縁されており、この415系の場合そこを通過する際は電車全体が停電します。(以前、夜間に「あたかも走行中の電車が消えるように見える」ということでテレビで取り上げられていました。)通過時には運転士の切り替えレバー操作でまず冷房が止まり、その後蛍光灯が非常灯のみの点灯になります。切り替えが完了すると即座に通電を再開します。ちなみに、E501系以降の車両では試験車「TRY-Z」(現存せず)の成果により、ATS-Pを応用した自動切換えが可能になり、運転士は一切の操作なしにこの区間を通過できます。また、車内は蓄電池によって停電することもなくなり、常磐線ではE531系による415系置き換え進行でこの「名物」も過去のものとなりつつあります。
(さらにつづく)
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