カテゴリ:公園・風景

渋谷川の跡を辿る 序章

※この記事はYahoo!ブログから移行したものです。


「渋谷川」・・・
この川の名前を知っている方は果たしてどれだけいらっしゃるでしょうか?

若者の町渋谷。その地名が示すとおりこの地は谷になっています。隣の表参道駅まで地下を走っていた東京メトロ銀座線が、渋谷駅を前にして唐突に地上に飛び出すのはこのためです。当然谷底には水が集まってきます。夏の夕方NHKのニュースでしばしば出てくる、夕立の大雨で冠水しているハチ公広場前の交差点がそれを物語っています。そして地下に隠れているものの、きちんと川も流れています。これが「渋谷川」です。

東京の都心部はかつて豊富な湧き水に恵まれ、あちこちにきれいな川が流れていました。しかし、戦後から高度経済成長期にかけて爆発的に進んだ都市化と人口増加により、井戸水が過剰にくみ上げられ湧水は枯渇。また都市内の河川は生活排水により悪臭の元として嫌われるようになりました。東京オリンピックと前後して、「臭いものにはふたをする」と言わんばかりにこれらの川の暗渠・下水幹線化が進められました。今回取り上げる渋谷川、以前「ボラちゃん」で話題になった大田区の立会川の上流部などがその例です。

渋谷川は先に紹介した新宿御苑の池を源する本流と、初台方面からの「宇田川」から成り立っています。渋谷センター街付近に「宇田川町」と言うの地名がありますが、まさにその下に今でも川が流れているのです。かつて豊かな水量を誇った宇田川上流部の「河骨川(こうぼねがわ)」は文部省唱歌「春の小川」の元になった川でもありますが、残念ながら現在は単なるマンホールの中を流れる下水管となってしまっています。一方、新宿御苑からの本流の跡は現在も道路としてその形をよく残しています。
今回は本流の跡を徒歩で辿ってみました。延べ1時間ほどの旅です。


写真
渋谷駅付近の光景。地下鉄銀座線が高架線上ですれ違う。バスターミナルの端では地下鉄13号線の工事が進む。実は左の東急百貨店の下を渋谷川が流れているのだ。

(つづく)

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