山手線で再び線路トラブル

※この記事はYahoo!ブログから移行したものです。

昨日、山手線の高田馬場付近で線路が最大5cm隆起し、復旧工事のため山手線・埼京線が長時間運休し、湘南新宿ラインが終日運休するなど大混乱となりました。原因は線路の下で行われていた道路の拡幅工事のミスでした。山手線では2月にも浜松町付近で工事のミスが原因で線路が沈下するトラブルがあり、管理体制の不備が指摘されています。

トラブルの元凶?HEP&JES工法



今回行われていた工事は2月にトラブルのあった浜松町付近の工事と同様「HEP&JES工法」が用いられていました。この工法は線路の両側を掘り下げ、片側から掘削装置をつけた鋼鉄製のエレメントをけん引して線路下を非開削で掘削できるシステムです。(簡単に言えば「くり抜く」ということ。)開削工法のように線路を大規模な鉄骨構造で仮受けしながら工事を行う必要もなく、線路下に引き込んだエレメントは内部にコンクリートを入れ、そのままトンネル躯体となるため、高速施工が可能であり、長時間線路閉鎖のできない首都圏の路線などで多く用いられています。(ちなみに私の地元の新港横戸町線建設工事でも使用されています。)




左:線路が陥没した場合のイメージ。土砂が流出して上部の線路が沈下する。(2月のケース)
右:コンクリートが溢れて線路が隆起した場合のイメージ。(今回のケース)

ただ、この工法の場合、掘削の状況が直接確認できないため、上部の線路が沈下しないよう高度な施工管理が必要になります。また、コンクリートを入れる際にも高い圧力をかけながら注入する(押し込む)ため、溢れないよう正確な管理が必要になります。件数としては少ないですが、2月や今回のトラブルのように線路に運転不能となるような大きなトラブルを起こしたケースもあり、掘削する地盤の状況をよく確認するなど慎重な対応が求められます。


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