姫路城「平成の大修理」 - 関西旅行2010(2)

姫路城前交差点から修理工事中の大天守を見る

山陽新幹線新神戸駅から神戸市営地下鉄西神・山手線で三宮駅に出た後はJR神戸線(東海道・山陽本線)に乗車し、西へ進みます。向かうは大天守の修理工事が開始された姫路城です。

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神戸市営地下鉄 - 関西旅行2010(1)(2010年10月2日作成)

■姫路城の概要

姫路城はJR姫路駅から北へ800mほど進んだところにあります。
姫路城の原型は1333(元弘3)年、赤松則村により造られたといわれています。1580(天正8)年には中国出征を目論む豊臣秀吉が城主となり、新たに3層の天守を築造しました。さらにその21年後の1601(慶長6年)年には池田輝政により天守の再改築が開始され、9年の年月を経て現在ある天守が完成しました。この天守は6階建ての大天守と3つの小天守が渡り櫓(やぐら)でつながる大規模なもので、外壁は美しい白の漆喰により造られていることから「白鷺(しらさぎ)城」の異名を持っています。

姫路駅側の入口前にある「国宝」の石碑 三の丸広場前の「世界遺産 姫路城」の石碑
左:姫路駅側の入口前にある「国宝」の石碑
右:三の丸広場前の「世界遺産 姫路城」の石碑

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1931(昭和6)年に国宝指定されたこの姫路城は、その後の太平洋戦争でも一切被害を受けず、江戸時代に建造された天守がそのまま引き継がれました。戦後の1956(昭和31)年には8年の歳月をかけて大規模な解体修理(昭和の大修理)が行われ、1993(平成5)年12月には奈良県の法隆寺とともにユネスコの世界遺産に登録されました。

■姫路城大天守の保存修理工事
保存修理に関する掲示板
保存修理に関する掲示板
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今回訪問時は通常公開されている大天守の内部の見学ができませんでした。というのも現在大天守では45年ぶりとなる本格的な修理が行われているのです。
現在の姫路城大天守は1964(昭和39)年に完成した「昭和の大修理」から45年が経過し、外壁の漆喰のひび割れ、屋根瓦の破損など傷みが進んでいます。世界遺産である姫路城を今後長きに渡り維持・管理する観点から昨年(2009(平成21))年10月より45年ぶりとなる大規模な改修工事が開始されたものです。工事に際しては有識者により構成された「姫路城大天守保存修理検討会」により工事の方針や具体的な進め方について検討が行われました。その結果、

●外壁の漆喰・屋根瓦の補修を行う
●耐震診断を行い、強度が不足する部分については補強を行う。
●世界遺産の改修工事であることから工事現場は原則公開することとし、保存事業のPRを積極的に行う。
●建物の保護のため、工事中は大天守全体を仮設の屋根(素屋根)で完全に覆った上で作業を行う。


という方針が示されました。「現場の公開」については、本格的な工事が開始される2011(平成23)年4月頃より素屋根内に設置された見学スペースより見ることが可能になる予定です。この見学スペースは体の不自由な見学者に配慮してエレベータが設置されるほか、修理の概要や姫路城全体に関する展示なども行われる予定となっています。工事は2014(平成26)年度まで行われる予定となっており、外から大天守の姿を見ることができない一方で、数十年に一度という貴重な「工事中の姫路城」を見ることができるチャンスが訪れることとなります。

素屋根を建設中の姫路城(3枚合成)
素屋根を建設中の姫路城(3枚合成)
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■おまけ:姫路市のキャラクター「しろまるひめ」
姫路市のキャラクター「しろまるひめ」
姫路市のキャラクター「しろまるひめ」

2009(平成21)年8月、姫路市では市制120周年、姫路城築城400周年、姫路港開港50周年を記念して市のキャラクター「しろまるひめ」を制定しました。このしろまるひめは「ふるさと・ひめじ」をテーマに同年4月から2ヶ月間の公募で全国から寄せられた合計1598点の作品から選ばれたもので、各種グッズも続々と発売されているほか、PRソングも製作されています。詳細については以下の「参考」に掲載した姫路市の公式Webサイト内で紹介されておりますのでご覧ください。

▼参考
姫路市|姫路城公式ホームページ(姫路城大図鑑)
姫路市のキャラクター しろまるひめ 公式ウェブサイト
姫路市|姫路市のイメージキャラクター「しろまるひめ」のご紹介
姫路城大天守 保存修理工事 | 鹿島建設株式会社

(つづく)
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テーマ:姫路 ジャンル:地域情報
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