大阪天満宮駅(現地写真) - JR東西線(9)

JR東西線 前人未到の深さで大阪中心部を貫いた地下鉄道のすべて
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■大阪天満宮駅 2km040m~2km440m(中心2km140m)
▼参考
特集「平成9年開業新線」Ⅱ.JR東西線(片福連絡線) - 日本鉄道施設協会誌1997年7月号13~27ページ
交差する既設地下鉄下の大規模地下駅の施工 片福連絡線(JR東西線)南森町工区 - トンネルと地下1997年2月号7~30ページ 
JR東西線(片福連絡線)工事誌 - 日本鉄道建設公団1998年 縦断面図

●概説
前回の記事を参照。

●現地写真(地上)
大阪天満宮駅2号出入口。曽根崎通の反対側(奥)にある1号出入口も見える。 雑居ビルと一体の大阪天満宮駅3号出入口。2階に相当する位置には換気口と思われる開口部がある。
左:大阪天満宮駅2号出入口。曽根崎通の反対側(奥)にある1号出入口も見える。
右:雑居ビルと一体の大阪天満宮駅3号出入口。2階に相当する位置には換気口と思われる開口部がある。

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大阪天満宮駅単独の出入口はすべて曽根崎通(国道1号線)沿いに設置されている。1号出入口と3号出入口は道路沿いのビルの中にあり、いずれもエレベータが併設されている。また、3号出入口は階段だけでは不足するトンネルの給気を行う換気塔が併設されており、出入口の階段の真上の2階に相当する部分にはその換気口にあたると思しき開口部があるのが確認できる。一方、2号出入口は一般的な地下鉄のように歩道上に出入口がある。出入口の階段の背面には、駅構内で火災が発生した際消火用水を供給する連結送水管の接続口が設置されている。

南森町交差点と大阪市営地下鉄南森町駅2号出入口。ここからも大阪天満宮駅へ向かうことができる。
南森町交差点と大阪市営地下鉄南森町駅2号出入口。ここからも大阪天満宮駅へ向かうことができる。

JR東西線の大阪天満宮駅と隣接する大阪市営地下鉄の南森町駅は後述するとおり地下でつながっている。南森町交差点の四隅にはこの南森町駅に通じる出入口が設置されており、ここからも大阪天満宮駅へ向かうことが可能である。

●現地写真(地下・改札外)
大阪天満宮駅東改札口と自動券売機 地下鉄の南森町駅側にある西改札口。利用者が多い分自動券売機・自動改札機の台数が多いが基本的な意匠は西入口と同様。
左:大阪天満宮駅東改札口と自動券売機
右:地下鉄の南森町駅側にある西改札口。利用者が多い分自動券売機・自動改札機の台数が多いが基本的な意匠は西入口と同様。

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地下1階は改札口コンコースとなっている。改札口は東西2箇所あり、地下鉄南森町駅側にある西改札口のほうが利用者が多いため自動券売機、自動改札機ともに台数が多い。また、みどりの窓口、みどりの券売機といった長距離きっぷの発売場所、コインロッカーなど駅に必要な基本的な機能のほとんどがやはり西改札口側に集中して設置されている。

東改札口の先は1・2号出入口へ通じる。 西改札口の先は地下鉄南森町駅へ通じる。直進すると1フロア下に下りて堺筋線の反対側へ出られる。
左:東改札口の先は1・2号出入口へ通じる。
右:西改札口の先は地下鉄南森町駅へ通じる。直進すると1フロア下に下りて堺筋線の反対側へ出られる。

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両改札口の先も通路は続いており、東側は1・2号出入口へ、西側は地下鉄南森町駅へそれぞれ通じている。西側はそのまま同一フロアを進むと堺筋線の天下茶屋方面行きホームにつながっており、大阪天満宮駅の地下1階とは若干床の高さが異なるため途中に短いスロープが入っている。
一方、大阪天満宮駅側から直線に進み、階段を下りると堺筋線の線路の下をくぐって南森町交差点の反対側へ出ることができる。勘の良い方ならお分かりだと思うが、この堺筋線下の通路はJR東西線のトンネル上層階の躯体を利用して設置されたものである。南森町駅の内装自体はJR東西線建設時に全面的に更新されており、見た目ではこの部分が後から増築された部分であることはわかりづらい。

堺筋線ホーム。JR東西線と交差する部分はコンクリート壁の量が多い。 地下鉄谷町線東梅田方面行きホーム。JR東西線の上層階を利用して設置されたホームである。左の壁の裏は先ほどの改札外通路である。
左:堺筋線ホーム。JR東西線と交差する部分はコンクリート壁の量が多い。
右:地下鉄谷町線東梅田方面行きホーム。JR東西線の上層階を利用して設置されたホームである。左の壁の裏は先ほどの改札外通路である。

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地下鉄堺筋線の南森町駅は対向式ホームで、上下線の間に中柱が入る地下鉄としては標準的な構造である。JR東西線と交差する部分は東西線建設時に補強が行われたようで、中柱の間のほとんどがコンクリート壁で埋められている。
一方、JR東西線と並行して堺筋線の下を交差する谷町線ホームはもともと島式ホーム1面2線の構造であったが、JR東西線との乗換駅になるのに伴い利用者が増加することが見込まれたため、1997(平成9)年に東梅田方面行きの片面ホーム1面を増設して上下線のホームを分離した。このホームも先ほどの堺筋線下をくぐる改札外通路と同じくJR東西線の上層階の躯体を利用して造られたもので、先ほどの通路とは壁1枚で仕切られているだけで同一フロアにある。(壁にはところどころ曇りガラスが設置されており、双方の様子を確認できる。)

●現地写真(地下・改札内)
地下4階のホーム。
地下4階のホーム。

大阪天満宮駅のホームは地下3階に建設省の共同溝が通過していることから地下4階に設置されており、軌道は地表から20m以上の深いところに位置している。地下1階の改札口とは階段2箇所、エスカレータ5基(上り3基・下り2基)で接続されており、一気に3フロアを接続することから尼崎寄りの階段は一方向だけでは収まりきらず、地下2階の踊り場で方向転換している。
地下4階のホームは地下鉄線との乗換駅であることを考慮して大阪城北詰駅よりも1m広い幅8m、長さは他の駅と同じ8両編成対応の170mとなっている。なお、大川シールドの記事で触れたとおり、駅の京橋方には大川からの浸水を阻止するため鋼製の防水扉が設置されている。

地下1階の改札階からホームへ下りる階段。 京橋方には防水扉が設置されている。(再掲)
左:地下1階の改札階からホームへ下りる階段。
右:京橋方には防水扉が設置されている。(再掲)

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●駅データ
駅名:大阪天満宮(おおさかてんまんぐう)
住所:大阪市北区東天満2丁目10
乗車人員(降車客は含まない):23690人(2008年度、大阪市の統計資料による)
みどりの窓口:営業時間6:30~23:00

(つづく)
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