カテゴリ:建設史から読み解く首都圏の地下鉄道 > 《番外編》JR東西線
北新地駅(現地写真) - JR東西線(13)
公開日:2011年01月14日23:44

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■北新地駅 3km520m~3km805m(中心3km620m)
▼参考
JR東西線(片福連絡線)工事誌 - 日本鉄道建設公団1998年 断面図
特集「平成9年開業新線」Ⅱ.JR東西線(片福連絡線) - 日本鉄道施設協会誌1997年7月号13~24ページ
大阪曽根崎地下の三事業の同時施工 曽根崎G・F、梅田共同溝、JR東西線 - トンネルと地下1997年4月号31~40ページ
●概説
→前回の記事を参照。
●現地写真(地上)


左:北新地駅の11-23出入口。左の曽根崎通の中央分離帯には換気塔がある。
右:桜橋交差点脇にある11-5出入口。地下鉄四つ橋線西梅田駅の出入口を兼用する。
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北新地駅単独の地上出入口は駅の中央にある11-23出入口の階段とエスカレータのみである。北新地駅単独とはいっても途中には地下1階にある曽根崎G・F(桜橋駐車場)への出入口が分岐しており、純粋に地下2階の北新地駅改札口のみへ通じる地上出入口は存在しない。北新地駅開業時に新設された地上出入口はいずれもV字型の柱で曲面の屋根を支える形になっており、金属の素材感をそのまま生かした形となっている。
なお、駅の南側は高級料亭、バー、キャバクラなどが立ち並ぶ飲食店街となっている。

桜橋交差点から大阪駅方面を見る。奥では大阪駅ホームの上空に建設中の大屋根が見える。
JR東西線北新地駅と地下鉄四つ橋線西梅田駅の交差部分の地上は、曽根崎通と御堂筋と並んで大阪市中心部を南北に貫くもう1つの幹線道路である四つ橋筋が交差する桜橋交差点である。交差点の北にはJR大阪駅があり、ホーム上空に建設中の大屋根の姿を確認できた。大屋根を含むJR大阪駅の再開発プロジェクトは「大阪ステーションシティ」と名づけられており、2011(平成23)年5月にグランドオープンが予定されている。駅を核とした再開発プロジェクトとしては東の東京ステーションシティと双璧をなすものといえよう。
▼参考
大阪駅開発プロジェクト
●現地写真(地下・改札外)


左:先ほどの11-23出入口の途中には桜橋駐車場への出入口がある。
右:11-23出入口を降りたところにある北新地駅の改札口コンコース。正面へ続く地下街はディアモール大阪。
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北新地駅の改札口コンコースは地下2階にある。コンコースの途中からは駅の北側にある大阪駅前第2ビルの地下階やJR東西線と同時期に建設された大阪駅ヘ続く地下街「ディアモール大阪」へ向かう通路が分岐している。
なお、このように北新地駅は大阪駅の至近にあることから乗車券の制度にいくつかの特例が設けられている。
1、大阪市内発着の乗車券における途中下車
大阪市内発着の乗車券(「阪」のマークが入っている)を利用する場合、本来であれば大阪市内の駅で下車した時点できっぷは回収されるが、北新地駅と大阪駅の間を徒歩で乗り換える場合に限っては両駅を同一とみなして一時出場が可能となる。
2、北新地駅から尼崎駅より西へ向かう場合の運賃計算
北新地駅から尼崎駅よりも西(福知山線(JR宝塚線)塚口以遠、東海道線(JR神戸線)立花以遠)へ向かう場合はJR東西線経由ではなく東海道線塚本駅経由で運賃計算を行う。運賃以外の制度(きっぷの有効期限など)は北新地駅を基準として定める。
▼参考
乗車券の有効期間│きっぷのルール:JRおでかけネット
特定区間の運賃計算│きっぷのルール:JRおでかけネット


左:京橋方にある東改札口。
右:東改札口の先は梅田新道交差点へ続く地下道。
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北新地駅は地下鉄各線への乗換えや駅周辺へのアクセスを考慮して大阪天満宮駅と同様、東西2箇所の改札口が設けられており、デザインなども大阪天満宮駅などとほぼ同じである。東改札口は大阪駅前第2ビルへの通路の目の前にあり改札口を出て右(東)へ進むと桜橋シールドの記事で解説した梅田新道交差点へ続く地下道へ通じている。なお、みどりの窓口は自動券売機と同じ並びではなく、駅中央のディアモール大阪との分岐点付近にある。
なお、地下1階のコンコースは消防法の解釈上地下街の一部としてみなされるため、スプリンクラーと自動火災報知機が設置されている。


左:西改札口。直進すると地下鉄四つ橋線西梅田駅。
右:西梅田駅へ続く通路は途中で階段・スロープになっている。
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尼崎方にある西改札口も東改札口とほぼ同一の構造である。西改札口を出て左(西)に進むと地下鉄四つ橋線の西梅田駅へ行くことができる。西梅田駅のコンコースは北新地駅のコンコースよりも2メートルほど高い位置にあり、両者の間はスロープと階段で接続されている。西梅田駅のコンコースは長く、南側は堂島川の直前まで続いている。
●現地写真(地下・改札内)


左:地下5階の北新地駅ホーム
右:階段脇には転落防止のためのパイプ柵がある。
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地下5階のホームは大阪天満宮駅と同様利用者数の多さを考慮して幅が8mとなっており、長さは8両編成対応の170mとなっている。地下2階の改札口とは階段2箇所、エスカレータ7基(上り5基、下り2基)、エレベータ1機で連絡している。一番京橋方にある階段・エスカレータは大阪天満宮駅と同様駅の全長に収めるため地下3階でUターンしている。今回地下部分を取材したのは平日夕方のラッシュ時真っ只中であったが、首都圏とは異なり列車本数はデータイムとほぼ同一で混雑もさほど激しくはなく、夕方も激しく混雑する首都圏の鉄道の特異性を改めて感じる次第であった。
なお、一部の階段脇には線路への転落防止のためステンレス製のパイプ柵が設置されていたが、これに加えて2010(平成22)年5月にはJR西日本では初となるホームドア(可動式ホーム柵)の設置が発表された。完成は2011(平成23)年春の予定で、この記事を投稿した2011年1月にはすでに工事が始まっている。(詳細は別記事で再度解説予定。)
●駅データ
駅名:北新地(きたしんち)
住所:住所:大阪市北区梅田1丁目3番先
乗車人員(降車客は含まない):50482人(2008年度、大阪市の統計資料による)
みどりの窓口:営業時間6:30~23:00
(つづく)
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